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夏休みの強行日程

ヤバいもう。ぶっ倒れそうだ(笑)
それでもやらねばならない。子供達の思い出づくりを。


コロナの影響で今年の夏休みは短い。お盆が明けたらすぐに学校が始まる。
ただでさえ北海道は夏休みが短いというのに、今年はもうこれを夏休みと呼んでいいのかというくらいの短さ。

一番下の娘は薄暗い部屋のソファーに座ってスマホをいじり、何かを諦めていた。

短い休み。
天気が悪い日も多い。
嫁さんはお盆休みが一日もなく、俺は集団暴行事件による怪我がまだ癒えていない。

長男は自分で行動する財力を持ち合わせているので、なんとか夏を味わっている。
次男は娘と同じくやはり部屋にこもっていた。

毎年行っていた大きなプールも今年はコロナで休業。
海水浴場もやっていない。
盆踊りも中止となり、せっかく去年手に入れた浴衣も娘が着る機会を失った。
子供達にとって絶望の夏休み。


そんなの許されない。ならいっちょやってやろうじゃねーか!


いつぶりだろう?車を運転するのは。
嫁から借りた車にBBQセットを載せ、次男と娘を朝から車に押し込んで海へと向かった。晴天。
腰は痛いし脚は根元から抜けそう。でも行く。

業務スーパーで例の2kg600円くらいの鶏肉と少しの豚肉を買ってドライブは続く。
田舎道を走り主線道路から脇道へと入る。
そこから舗装されていない草むらの道をかき分けかき分け車を進めると、目の前についに海が現れた。

海水浴場ではない。あくまで普通の砂浜があるただの海。あまり知られていない穴場中の穴場だ。

娘は本当に小さな頃に一度来た程度で記憶はない。
実質初めてと言ってもいいくらい。

「本物だ・・・本当に海だ・・・」

娘がぼそっと囁いたけれど、その小さな言葉の中には嬉しさが詰まっているのが手に取るようにわかる。

早速水着に着替えて海へと突撃。
流石に子供らからは目が離せないので一緒になって海へと潜ろうとしたけれど・・・

ナニコレ??どこまで行っても膝の高さまでの深さしかない!(笑)

かなり海岸から離れても下手すりゃスネまでくらいの深さ。いや浅さ。
ああこれなら浮き輪付けてりゃ大丈夫か。
しかも沖に引っ張られる潮ではなく、ほっとくとあっという間に砂浜に打ち上げられてしまう潮の流れらしい。

一応目を離さないようにはしていたけど、15mくらい沖に行ってももう足がついてるどころかお尻が海底に付いてるんだもんなぁ(笑)

大人が泳いで遊ぶには相当沖に行かなきゃ無理だってくらい浅い。
子ども用、いや幼児用プールよりも浅いか。
なんと好都合なのか。
神様が味方したとしか言いようがない。

子供らはアホほど海で遊んでいた。
砂でお城やトンネルを作り、波に体を預けて転がりまくり、きれいな貝殻を集めて、そしてみんなで火起こしをしてバーベキューを食べる。

着火剤を忘れたのでみんなで小さな小枝を集めて火をつけた。
せっせせっせと小枝を集めて必死にうちわで扇ぐ。
それすらも楽しそう。

結局近くにいた人に着火剤を分けてもらったが。
ちなみに向こうはライターを忘れてしまったらしい(笑)
このズボラさがまた北海道らしさでもある。

食べ終わったらまた海。
一休みすると見せかけてまた海。
無限にやってくる波に「休憩時間のない造波プールみたいだろ」と言ったら「当たり前でしょ」と笑ってた。


あっという間に夕焼け空。
昼に少しお酒を飲んだけど、もう完全にアルコールは飛んだ。
むしろあと2~3缶買っておけばよかった。

手洗い用の水を汲んでいったんだけど、遊んでいる間にひっくり返してほぼ全てをこぼしてしまったので水が出る公園に向かうことに。
ナビを使って行ったはずがどうも間違ってしまい、結局諦めて適当に探しているうちになぜかメガドンキに着いてしまった(笑)

それはそれでまた楽しく店内を巡り、アイスを買って近くの公園へ。
水道の真水でバシャバシャと髪と顔と手足を洗い、ある程度乾くまで遊んでいた。

もうすっかり日も暮れたところでようやく帰宅。
夜は全員泥のように眠った。


でもこれで終わりだと思うなよ?
次は墓参り、しかも自転車で行くからな?


曇りの予報だったけれど大外れの大晴天の中、昨日墓参りに行ってきた。
途中で農業学校内にある販売所の尋常じゃないほど旨いソフトクリームを食べ、どこかの小さな子供に貰った水風船で遊びながら、坂を登って下って登って下ってようやく墓参り。

さあ本番はここからだ(笑)

俺が墓参りだけして帰るわけがなかろう。
1つ目は「水曜どうでしょう」のオープニングで使われている例のあの公園へ行き水曜どうでしょうごっこをした(笑)

その後に遊具がたくさんある大きな公園へ。
それはもうクッタクタになるくらい、ぶっ倒れるくらい遊んだ。
日も暮れたその帰り道。

「お前ら二人共おばあちゃんちにお泊まりな」

「は?」「へ?!」
俺の母は面倒なことは嫌だといつも断るので、今まで泊まりに行きたいとは言えなかったのだ。
もう母親に有無も言わせぬくらいの勢いで無理やり頼んだ。これがお前らの今年の夏休みだ。

今日これからどんな顔をして帰ってくるのか楽しみだ。
夏の思い出出来ただろうか?


しかし!俺の夏休みはまだ終わっていなかった。
嫁さんが残っている。
昨日の夜、嫁の職場に無理やり乗り込み、いきなりこう言った。

「仕事終わったら飲みに行くぞ」

「は??え???わ、わかったから・・・とりあえず出ていって」
午後10時半頃嫁帰宅。完全にパニック。

「子供らも預けたし長男にも出かけること言ってある。行くぞ」と家を飛び出した。
飛び出したはいいものの、コロナの影響なのか閉店も早くすっかりあぶれてしまいただのドライブに。

でも子供らがいない自由な時間でのデートは久々で。
閉店間際のスーパーに駆け込んで俺の酒を買ったり、24時間営業の西友で缶詰とおにぎりを買ったり。
右へ左へと適当に車を走らせおしゃべり。

夜景を見ようと車で山を登ったけれど、雨が落ちてきてフロントガラスに映った夜景は滲んでいた。
それでも「ちょっとだけ見えたよ」と嫁はニッコリ。
午前二時、すすきのを通って帰宅。嫁の小さな夏休み。


なんとか夏出来たな。強行日程だったけれども。
そして今、キーボードを叩きまくりながら身体中に湿布を貼り付けのたうち回っている。
これもまた夏の思い出。

来年はどこに行こうか?



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