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【講演メモ】OpsSummit2021より「DXはCXとEXのために」 株式会社クレディセゾン 専務執行役員 CTO(兼)CIO 小野 和俊氏

2021年6月16日から18日までの3日間で開催された株式会社フィックスポイントさん主催のイベント「OpsSummit2021」に参加しました。システム運用に携わるすべての企業・ユーザーを対象にしたイベントですが、やはり今の話題はDX、そういったネタ、スピーカー勢が山盛りのイベントでした。そのイベントDay2のクレディセゾンの小野さんの基調講演をメモしたいと思います。

このイベントはKompiraチャンネルで多くの動画公開されていますが、この基調講演の動画はすでに見えなくなっていますので、ちょっと配慮して資料等は控えたいと思います。

基調講演のテーマ

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DXは先端技術を取り入れることと錯覚
 →誰かのためになっていないと、DXではない


小野さんの自己紹介

1999--2000 サン・マイクロシステムズ(現オラクル)
新卒で入社、希望してシリコンバレー本社での仕事
2000-2013 アプレッソ
エンジェル投資家の支援を受けベンチャー立上、DataSpiderを企画
2013-2019 セゾン情報システムズ 常務CTO
SIer:バイモーダルインテグレーター、HLUFT事業
2019-   クレディセゾン 専務執行役員CTO兼CIO

クレディセゾンでの軌跡
・内製開発チーム8名をブログでの募集だけで立上
・ベンチャーのスピード感で「セゾンのお月玉」サービス
・その後既存の新規プロダクト開発チームを担当、さらにお客様とのデジタル接点を統括、全セクションのデジタル推進・・・・と領域を拡大

「クイックちゃん」~働く人の喜び

スマートスピーカーの活用
・セゾン情報時代の話
・米国でスマートスピーカーを実体験・・・研究、準備を進める
・「無理やり使う」のはやめよう ハンマーと釘の話

AmazonAlexaスキルコンテスト

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<アイデア>
・社内福利厚生でマッサージ・・・目の不自由なマッサージ師を雇用
・マッサージ師の方に直接ヒアリング・・・・他人にサポートしてもらう事の心苦しさ
・目が見えないので予約台帳の確認と呼び出しは他の社員のサポートが必要
<Alexaの活用>
・スマートスピーカーを使って声をかけるだけ
・予約台帳の確認と次の人を呼び出し
<成果>
・1日にマッサージができる人数 22%増
・サポート社員の工数 192時間/年
・マッサージ師にひとりで自立して仕事ができている喜び

セゾンのお月玉 ~アナログを使ってよりCX

内製開発チームの最初の成果 ~ベンチャーのスピードを実現

<サービス概要>
・2019年9月から実施
・カード利用金額に応じてデジタル抽選権をプレゼント
・抽選で1万人に現金1万円をプレゼント

わざわざ現金書留によって現金1万円を送る
~当選者の驚き、実感、インスタ映え
 カスタマーエクスペリエンスを上げる

デジタル化が大事な事ではない~より高いCXのためのアナログ利用


セゾンカードデジタル

・5分で発行
・完全ナンバーレス、スマホで決済
・カードの薄さにもこだわった

CX、DX、EX

・DXは先端技術の利活用やデータの収集・分析が目的となりがち
・常に最優先で考えるのは「誰のどんな喜びに寄与するのか
・誰がどんな風に嬉しいのか説明できないDXは単なる技術・データの濫用


破壊的創造から協調的創造 
~ベンチャーの文化と大企業の文化の融合
 新旧文化の融合

セゾン情報に入った時に「いつ辞めるか」予想される
~ずっとベンチャーでアジャイルでやってきた小野さんがウォーターフォールのセゾン情報とどう折り合いをつけるのか

バイモーダル  カートナーの造語

いままでのものと新しいものをどう融合、破壊的創造よりも協調的創造

バイモーダル=二つの流儀
・モード1 (HULFT)
 事後、安定重視、ウォーターフォール、ERP/SCM、予測可能、武士、運用者
・モード2 (DataSpider)
 事前、速度重視、アジャイル、CRM/MA、探索型、忍者、革新者
ユニモーダル=一つの流儀

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モード1とモード2の対立・喧嘩
・お互いを「とんでもない」と言い合う

自転車(Bicycle)とバイモーダル(Bimodal)の類似性

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・両方が存在することで安定する
・モード2が方向を変えながら進むべき方向を模索
・モード1が方向が決まったら少し遅れてまっすぐに力強く進める

HLUFTはバイモーダルで世界へ
<従来のイメージ>
・メインフレーム、Unix用の連携ソフトで将来は先細り
<クラウド時代のHLUFTへ>
・自らを食い殺す領域を、逆に採りに行く
・マイクロソフトやJTの事例
・痛みのある場所=ペインポイントを探す

AWS re:Invent2015で「Think Big」賞

HRTの原則
優れた開発チームでは、次の3つの価値観が大切になれている
1.謙虚さ(Humility)
2.尊敬(Respect)
3.信頼(Trust)
・あらゆる人間関係の衝突は、謙虚、尊敬の決所による
・プログラマは常にチームで仕事をする。チームは個人の生産性や降伏に直接影響する。

「Team Geak ~Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか」


・・・日本の和の文化  守りつつ攻める

破壊的創造から協調的創造へ

・既存のモノをむやみにバカにしない、新しいものをむやみに信奉しない。逆に新しいものをバカにしない、既存のものにしがみつくこともしない。

・異なる文化に敬意を払い、異種混在を是として「HRTの原則を徹底」

・過大な期待や巨大なイノベーションのようなものを天高く想像し、そのためには破壊が必須である。と考えず、協調的創造の形を模索する


テクノロジーセンターの行動指針 ~HRTの実践
1.「さん」付けの徹底
2.「HRTの原則」を100%守り切る。絶対に怒らない。言うべきことはマイルドに言う・・・・「ひよコ―ド」
3.短所ではなく長所を見る。短所を辛くても苦しくても受け止める
4.成果を出すチームであることを最重視する


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