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今年やったNoCodeツールの総括

この記事はRPACommunityアドベントカレンダー2022の12月22の記事になります。今回は今年たくさん試してみたノーコードツールについて書いてみたいと思います。

今年試してみたノーコードツール

今年試してみたノーコードツールは以下のとおりです。試してみた順に紹介します。

Notion

いろんなアプローチでアクリを作ってみる。現在日常的に使用中。
最近空港やバス停などで広告を見かける人気のツール

AppSheet

Notionほどではないが色々試してみる。けっこういろいろなコミュニティで紹介されている、こちらも人気のツール。出会いは2年前のアジャイルのコミュニティで永和システムマネジメントの岡島さんが紹介していたときでした。最初に触れた純粋なノーコードツールです。

AppGyver

ERP大手のSAP社が提供するノーコードツール。SAP社が提唱するSide by Side開発の一翼を担うツール。チュートリアルをやってみて、バーコードを読んで商品情報を検索するアプリを作ってみた。


bubble

ノーコードツール業界(?)では老舗に位置するツール。難解と言われながらもオンラインで提供されるレッスンは親切。レッスンを最期までやってみて、一通りのパターンについて体験してみました。

Glide

今チャレンジ中のノーコードアプリ開発ツール。IoTLTで紹介されていたのでチャレンジ中(中断中)Googleスプレッドシートをデータベースとして作られたノーコードツール。

まずはざっくり分類してみる

まずは、ここではどのツールが優れているのか?のような話はしません。どこかの陣営に加担する気もないですし、実際やってみて、それぞれのツールがそれぞれの強みや得意な領域、ターゲットを持っているので一概に「どれが良い」と言えるものではないからです。
「ノーコードツールどれが良い?」というのは「どのジャンルの音楽が最高か?」と聞くようなもので、全くの不毛だと思います。

・・・・ここから本題です

これら5つのツールをそれなりに触った結果として、少なくともこの5つの範囲においてはざっくり分けて2つのグループに分類されました。

ノーコードツールの分類

このチャートは縦軸に自由さ(機能の多さ)横軸に手数の多さ(難易度、学習コスト)を表しています。当然(笑)評価は自分の主観ですので正確ではありませんが、他の人が作成してもおおよそ同じ結果になると思います。

結果的にグループは2つのグループに2極化されます。それは「オラオラ系」と「きっちり系」という2つのグループです。この2つは「ノーコードツール」ではありますが全く違った目的とアプローチをしています。

次にその特性を解説したいと思います。

オラオラ系〜Notion、AppSheet、Glide

このグループにはNotion、AppSheet、Glideが属します。ここの特徴は機能について一定の「決めつけ」を行い、それによって開発を省略しているというアプローチをしているという点です。

具体的には「入力フォームがあるんだから登録ボタンは標準装備」「データを入力したんだから一覧表示は必須」「一覧には削除ボタンは当たり前にあるよね」みたいな感じで、ある意味一方的な決めつけを前提に作られているツールです。おかげで利用者はいちばん苦手なバックグラウンドの処理について考える必要がなくなります。明らかに草の根の「市民開発者」がターゲットです。もしかしたら「開発者」ですらないのかもしれません。

使いながら開発するNotionの画面

特徴としては以下のものが挙げられます
・データベース(スプレッドシートやCSV)からアプリを自動生成する
・「登録」「保存」ボタンが標準で生成する。
・一覧表表示や削除ボタンが標準で生成される

個別に見てみるとNotionはチーム内くらいの単位で利用するというのがターゲットで入力項目の必須チェックすら実装されていません。もし入力されていなかったら対面かチャットで「あの件、日付入ってないからいれといてね」くらいの人間関係がある集団で使われることを前提に余計な難しさを徹底排除している印象です。ちなみに開発画面すらありません。

AppSheetはそれよりも広い組織で利用できるイメージで、実際の編集画面もフィールドごとの詳細な設定が開発画面でできるようになっています。データの部分(ここをやると非ITのみんなが苦手な「変数」が出てきちゃう)はスプレッドシートにおまかせして、その分開発では楽をしようという感じです。画面側は凝っていたりして、グラフなんかも出すことができます。中小の企業全体とか、大企業であれば利用頻度がそれほど高くない業務がターゲットかな?とも感じます。

Glideはまだちょっとしか触っていないのですが、バックヤード部分はGoogleスプレッドシートに全面的にお願いしてしまって、その分モバイルでのエントリーや簡単な確認に機能を絞ったという印象です。プレビューのモバイル画面の表示も非常にかっこよく仕上がっています。もしかしたら委託開発でPOC代わりに見せるにはいい感じなのかもしれません。

きっちり系〜bubble、AppGyver

このグループにはbubbleとAppGyverが含まれます。このグループのツールはあくまでちゃんとした開発言語の代替を目指しているというのが特徴です。ターゲットはどちらかというと「省力化したいエンジニア」に近く「市民開発者」であっても草の根と言うよりも一定の統制の取れた人たちというイメージです。基本的に教育コストは高めになりますし、しっかりしたサポートやルールの制定も必要になります。

特徴としては「登録」などのボタンについて、そのアクションのワークフローをしっかりと設定する必要があるということです。bubbleもAppGyverもフローを作成するエディターをしっかり持っています。

AppGyverのフロー

ビジュアルなフローがあるとはいえ、このへんのデータの取り回しなどは、ある程度プロミングの勉強をしていないと厳しい感じです。あくまでNOは「コード」だけと言った感じです。

とうぜんその分「出来ないことは無い」というくらい複雑なことが出来るので、C#とかJavaとかJavaScriptやRubyに取って替わるという意気込みを感じるツールでもあります。

特徴としては以下のとおりです
・入力項目のデータベース項目への移送などの設定が必要
・アクションを構築するためのワークフローエディタがある

個別に見るとbubbleは老舗だけあって、オールインワンですべて揃っている感じです。動作の設定は少子まで指定しないといけないのでノーコードとはいえ、かなりややこしいです。その反面、コードを書くよりもいろんなヒントも得られるので、単なる省力化と言うよりも技術力の平準化のほうが目的な感じがします。

AppGyverはSAP社の製品であるのでSAP社の持つS4/HANAのデータをAPI経由で使用するのが前提なので独自のデータ機能は有償版でしか提供されていません(しかも最近実装されたとのこと)基本的にプロエンジニアと連携して、バックエンドはプロ、UIは「市民開発者」という役割分担を持って開発するためのものなんじゃないかなーって印象です。


まとめ

ここまでの経験でざっくり分けてみましたが、普通の人「市民開発者」が使うのは「オラオラ系」のいずれかを使ったほうが向いていると思います。他のツールでも「オラオラ系」の特徴を持っているかを確認していただけるといいとおもいます。

オラオラ系であれば、スプレッドシートくらいの知識でできちゃいますので是非トライしてみてください。







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