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ふりかえりのはずが地獄の反省会

今日は「ふりかえりアンチパターン」ということで、過去に起きたふりかえりに関わる良くなかった出来事を書いてみようと思います。
あまり詳細に書くと関係者の目に触れかねないので、けっこうオブラートに包んでみますが基本的にはノンフィクションです。
当時、発生させてしまった悲惨な「ふりかえりとは呼べないもの」についての話を簡単にではありますが書き留めてみます。

#シンアジャイル#シンアジャマガジン#ふりかえり#アジャイル#アンチパターン#レトロスペクティブ

その背景

対象となる開発
・請求に関する社内システムの改定でとある税制変更に伴う税額などの変更
開発期間・納期
・要求の確認を含めて9ヶ月、納期は絶対(新しい税額の施行日)
開発メンバー
・開発は常駐の開発パートナーが実施
・ウォーターフォール、3〜4人規模
自分の立ち位置
・事業会社の情シスで別の担当領域
・要求の確認に時間がかかり過ぎていたため一時的に応援

開発経緯
税制変更に伴うシステム変更でしたが、プロジェクトのスタートが遅く施行日まで9ヶ月にまで迫ってから体制がスタート。そのあと要求を定めるための検討の開始が再三の督促にも関わらず非常に遅れ、残り6ヶ月になったところで応援に入り、やっと仕様が決まり始めました。このままでは間に合わない開発チームはその間仮想の要件で設計を始めるなどの対策を行い、遅れに対する対策を行っていました。
応援に入り1ヶ月、残り5ヶ月くらいに達したところから、要件が決まり始めて開発が開始、開発規模的には間に合わないボリュームでしたが、先行の設計などの対策とチームの努力でスタートの遅れをカバーして施行日には、小さな障害はあったものの無事対応プログラムはリリースされました。

ふりかえりを行う事になる

今回の開発に関しては、後続の開発も予定されている事や、いろいろ改善すべき点(最初の要求定義の遅れなど)もあったので、開発の担当(情シスの社員)がスクラムの勉強をしていたこともあって「ふりかえりをやったら?」と助言しました。

そのあとその担当がその上司に提案した結果、その上司や要求側の業務部門も参加してのふりかえりを行う事になったと連絡がありました。
残念ながら私は別のプロジェクトの関係で参加できなかったので後日結果を聞くことになりました。

何故か地獄絵図な反省会に

後日結果を聞いて真っ青になりました。
結果を限りKPTでやったのですが内容は記憶する限りこんな内容

Keep
・納期通りリリースできた
・コスト超過がなかった

Probrem
・バグが出た
・バグが出た

Try
・バグが出た原因を徹底的に分析する
・2度とバグが出ないように対策する

当然、開発メンバーの顔色を見に行くとチーム全員どよーんというかゲンナリといった表情でした。当日はバグが出たことを延々と責められたようです。逆境に負けずあんなに頑張ったのにそんな評価をされちゃったらあたりまえですよね。

なにがまずかった?

何がまずかったのかと言うと、考えられるのは2つ

ちゃんとしたファシリテーター不在
スクラムを知っている担当者はいたのですが、主導権は上司とその上司に奪われたため主旨が「ふりかえり」ではなく「反省会」になってしまったのが最大の原因です。
上司たちに割ってはいるだけの力を持つか、ちゃんとした知識のある第三者によるファシリテートが必要ですね。

・・・・欠席したのが痛かっった

タイムライン
人間の記憶は現在に近ければ近いほど鮮明で、逆に何ヶ月も前の出来事には関心も記憶もありません。
ちゃんとタイムラインを引いて、そのフェーズ別にふりかえりを行うと開発全体に目がまわり、もうちょっとマシになった気がします。



まだ組織としてアジャイルの認識がなかった頃の話ではあるのですが、ふりかえりを行うはずが地獄の反省会になってしまった・・・という苦い記憶です。




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