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「資金繰りの見える化」で何が起きるか?

資金繰りを把握する必要性

「赤字が続くと会社が倒産する」と言うと、当たり前のことのように聞こえます。
ですが、実はそうではありません。
会社が倒産するのは「資金がなくなるから」です。黒字倒産という言葉があるように黒字でも会社は倒産するんです。

では、資金がなくならないように経営するにはどうしたらよいのでしょうか?

売上を増やす、経費を削減する、正しく遅れず経理をする……
確かに効果的な解決方法ですが、それでは、売上はいくら必要なのでしょうか?何の経費をいくら減らせばよいのでしょうか?それは経理をちゃんとすれば改善しますか?

本当に必要なのは「資金繰りを把握する」ことです。
資金繰り表を作成して「資金繰りの見える化」をすることで解決します。

「資金繰りの見える化」の前

このままで資金が足りるのかわからない
銀行からいくら借りればいいのかわからない
売上がいくら必要なのかわからない
いま設備投資をしていいのかわからない

「資金繰りの見える化」の後

「いつ」「いくら」必要なのかがわかる
余裕を持って計画的に資金調達ができる
必要な売上が具体的になる→今やるべきことが明確になる
問題点が明らかになる
支払方法の変更や削減すべき経費などの対策が立てられる
設備投資が適切なタイミングでできる

資金繰り表の作成とポイント

では、資金繰り表はどうやって作ったらいいのでしょうか?

資金繰り表の形式には以下の4通りがあります。

・日次資金繰り表 / 月次資金繰り表
・資金繰り実績表 / 資金繰り予定表

資金繰りが特に厳しい企業(明らかに資金ショートの心配がある場合)や細かく資金繰りを分析したい場合には、日次資金繰り表を作成します。
一般的には、1ヶ月ごとの月次資金繰り表を作成すればいいでしょう。

資金繰り表を作成する場合には、まず資金繰り実績表を作成します。
月次試算表を元に作成することができます。これにより、

・定期的な収入
・季節ごとの変動
・固定的な支出
・損益(会計上の利益)と収支(お金の出入り)のズレ

が見えてきます。
それから、上の情報を元にして、売上や費用・設備投資など見込みの情報を加えて、同じフォーマットで資金繰り予定表を作成します。
6ヶ月先もしくは1年先まで予定表を作ることで、

・どのタイミングで資金ショートするのか
・いつ銀行に借入の打診をすればいいのか
・設備投資しても大丈夫なのか

が明らかになります。

(↓が月次資金繰り表の例)

月次資金繰り表

この資金繰り予定表は1ヶ月ごとに更新して、予定と実績の差を確かめながら修正を加えていきます。

資金繰りグラフ

↑のようなグラフにしてみると見た目にもわかりやすいかもしれませんね。

また、資金繰り予定表は銀行に会社の状況を知ってもらうためにも役立ちます。資金繰りの管理がきちんとされていることは担当者から好印象を持たれるので融資にもプラスの材料になります。

現在のような状況下では、資金繰りの管理が特に重要で1年先の見通しを立てながら経営することは必須といえます。
また、創業して早い段階で資金ショートの不安を抱える経営者も多いので、早いうちから「資金繰りの見える化」に取り組む必要を感じます。

税理士に試算表を作ってもらう、会計ソフトに入力する、だけでは資金繰りを把握することはできません。
計画的に経営を行うための第一歩として資金繰り表を作成して「資金繰りの見える化」に取り組んでみましょう。




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