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SEPTIME (セプチム) | パリ11区

コロナ禍でなかなか行けなかったお気に入りのレストランやビストロに、やっと行けるようになり、街はすっかり以前の活気を取り戻しています。

ここ数年ずっと行きたいと思っていたレストランがあったのですが、なかなか行くことが出来ませんでした。なぜかというと、自分の休みとお店の休みが同じ曜日。それに加え超がつく人気店で、予約が取れない…。

今回は数年越しに、やっと行けたレストランの話をしたいと思います。


【 SEPTIME 】

ロブション、パサール、アガペなどで経験を積んだ若きシェフ:ベルタン・グレボーが率いるSEPTIMEは、トレンディでありながら美食の街・パリの新世代レストランを象徴する存在です。

11区のシャロンヌ通りの真ん中にあるこの店は、大きな工房のような窓、原木のテーブル、メタルの梁などモダンな造りになっています。
インダストリアルの雰囲気を出しながらも、シックに仕上がっており、フレンドリーなサービスも相まって、楽しい時間を過ごすことができます。

お察しの通り、このレストランを存分に楽しむためには3週間前までには予約しないとならないでしょう。

(2020年ミシュランガイドより抜粋)


とのこと。SEPTIMEは現在ミシュラン一つ星を持っているレストラン。

2011年 オープン
2014年 一つ星獲得
2017年 世界ベストレストランランキング35位。さらにサスティナブルレストラン賞も獲っています。
そして一番最新の2019年では、世界15位と言う快挙!

サスティナブルとは・・・?

「環境を壊さず、限りある資源を使い切らないよう、将来にわたって持続していける社会や環境づくり」といったようなこと。

なぜSEPTIMEがサスティナブル?と思うでしょう。SEPTIMEでは様々な発酵食品を作って食材を新たな形で消費したり、食品を無駄なく使い切ると言う試みがされており、それが評価されたようです。
コースでは様々な発酵食品が出てきます。アペリティフのシャンパンメゾンでさえ、この発酵のジュが少し入って特別な味になっています。

予約は3週間前から取れば良いのね!とお思いでしょうが、これがかなり難しい…実際に取ろうとすると苦戦します。

まず電話予約は営業時間内のみ。
当然世界のベストレストランですから、世界中の予約電話がそこに集中します。そして営業中忙しくなると電話に出ない(笑)
サイトの予約システムは一度満席になると、キャンセルになっても反映されずそのまま満席状態なので…どうすれば予約出来るのかもはや分からない。
ということで、一番良い方法は直接お店まで行っていつ空いてるか聞くことでした(私はこの方法で予約が取れました)。

もしダメだったとしても諦めないでほしいです。今では姉妹店があり、そこでも料理・エッセンスなどは感じることが出来ます!
魚タパス専門店(CLAMATO)は予約を受け付けていないようなので、直接並べば入れそうです。
他にもワインのお店(La Cave)は毎日16時~23時までやってるので、軽いおツマミを食べたかったら行ってみるのも良いでしょう。


さて前置きがだいぶ長くなりましたが、ここからが食べた料理です。

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香草のブイヨンと生ズッキーニ、キュウリ

すごくすっきりしたスターターで、ズッキーニとキュウリはフランスのものだけあって味がしっかりしていました。

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もちパン、コンテチーズのクリーム、カレー風味

もちもちしたパンに濃厚なコンテクリームをかけ、カレー粉でスパイシーに。誰もが好きな食感でずっと食べていられます。

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白マグロ、メキシコ産の生と発酵キュウリ、フレッシュクリーム添え

ここで発酵ものが初めて出てきましたね。
やはりフランス人の感覚なのか、マグロは冷えたものでなく常温でしっかりマグロの味を感じられるものでした。たまに口に当たるフランス産の塩は素材の味を完全に引き立て、周りにかかってる香草ソースもアクセントがあって美味しかったです。

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トマトのマリネ、スライスパンのクルトン・ニンニク風味、乾燥ケッパーとバジルのオイル

これは味のバランスが最高でした。極薄のパンのクルトンは薄いのにすごくニンニクが効いていて良かったし、塩漬けケッパーを乾燥させてさらに味を凝縮させたものは、所々の味を調和させてくれる最高のスパイスでした。

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牛のブイヨンと薄切りの牛タン、赤パプリカとタイのバジル

アジアチックな一皿。ブイヨンのベースは牛なので味は濃厚ですが、タイのバジルで爽やかさを加えていました。パプリカを入れるところがタイにインスピレーションを受けた印象でした。

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ポレンタと白インゲン豆のムース、トウモロコシのグリエと辛いオイルがけ

この写真ではちょっと分かりづらいですが、下にバラバラになった焼きトウモロコシが潜んでいます。周りにかかってる辛いオイルがとても良いアクセントになってて、トウモロコシとムースの甘さを引き立てます。そして食べ応えもあります。

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豚のローストと自家製粒マスタード、タコのグリエ、ソースエスパニョル、自家製キュウリ添え

メインのお皿です。
豚肉とタコを合わせるという…さすが世界のレストラン。ソースはどちらかと言うとお好み焼きのソースみたいな…食べ続けたらお米が欲しくなります。でも横に添えてある自家製キュウリが完全に中和役になっています。
火入れ具合も抜群、ちょこっと横に添えた豚の脂身が甘く、美味しさを全開に引き出して素材のうまみを強調していました。

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オゼイユのソルベ、ブルーベリー添え

一つ目のデザート。
なかなか青臭さのあるオゼイユ(香草)をシャーベット状にしてブルーベリーを添えるもの…一気に異世界へ。苦みと酸味が、さっきまでの脂っぽさを完全に取り除いてくれましたね。

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赤スグリのソルベ、バラ風味のスープと赤いフルーツ

二つ目のデザートは続けて冷たいものでした。熱い夏にはやっぱり冷たく〆るのがいいですね。赤いフルーツ達も食べやすくなっていて、なんと言ってもこのバラ風味のスープがグラスでいただきたいぐらい美味しい。

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ヴェルヴェンヌ風味のスイカの冷たいグリエ

流石と言うべきか…
最後のプティフールがこのスイカ。ビジュアル、インパクト、味…これが世界基準のレストランなのか、と最後に少し考えさせられました。しっかりとヴェルヴェンヌの味はしてます。

中は芯の芯まで凍っていて、日本人からしたらスイカバーにしか見えない(笑)皮のところは食べれませんでした。


これで夜のコースメニュー:95ユーロです(昼は60ユーロ)。
アレルギーや食べれない物だけ確認をされ、何が出てくるかはお楽しみという、Carte Blanche(シェフのおまかせコース)一本のみです。
これに60ユーロをプラスすれば、各料理に合ったワインなどをペアリングしてくれます。

話題性という意味でも、値段的にも行って損はない料理内容。話のネタで行ってみるのも良いかもしれません。
「フレンチ」という枠にとらわれておらず、また、料理内容を見てもベジタリアンやグルテンフリー、ヴィーガンの方にもかなり良いクオリティで対応してくれると思います。

サービスもとてもフレンドリーで、かしこまらずに気軽に行ける雰囲気でした。レストランの作り的にお客さんの声が響いてうるさかったり、ビストロの延長線上のような要素はありますが、世界的に有名な「NOMA」がこんな感じなのかなと想像したり…。世界のベストレストランを感じられたと思えば、雰囲気や細かいことなんて気にしなくていいのかなと思います。
予約の苦労を乗り越えれば、きっと良い景色が広がっていると思います。


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【SEPTIME】
Adresse:80 rue de charonne 75011 Paris
Tel:+33 (0)1 43 67 38 29
Fermeture:samedi, dimanche


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