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渋沢栄一、現代の有給制度を学ぶ。

人物紹介

人事のスズキ:HR-tech企業で働く新人。日本のHR-techを改善する為に、わざわざ渋沢栄一さんを降臨させたツワモノ。

渋沢栄一:人事のスズキに呼び出されたすごい人。好物は、オートミール。

江戸時代末期(幕末)から大正初期にかけての日本の武士(幕臣)、官僚、実業家。第一国立銀行や東京証券取引所などといった多種多様な企業の設立・経営に関わり、「日本資本主義の父」ともいわれる。
引用:Wikipedia


スズキ(以下、ス)「栄一さん、こんにちは。最近、インフルエンザ流行っていますが、体調はいかがですか?」

渋沢栄一(以下、渋)「インフルエンザではないと思うが、ちょっと風邪気味じゃの・・・。年末年始休んでたから、久しぶりに仕事すると疲れたからかの。」

ス「確かに久しぶりに仕事すると疲れますよね。うちの会社は、年末年始は16連休でしたもんね。(※実際にスズキが務める会社は、16連休でした。)」

渋「日本の中でもだいぶ長いじゃろう」

ス「下手すると、日本の会社の中でベスト10くらいに長いんじゃないですか?
ちなみに、風邪気味という話でしたが、熱は大丈夫ですか?」

渋「熱は37.2度くらいだから、大丈夫じゃ」

ス「微熱ですね!今のインフルエンザは高熱でなくても発症しているケースも多いんですから、もし体調悪くなったらすぐに病院行ってくださいね。」

渋「そうなのか。ひとまず今は様子見てみるぞ。で、今日の講義テーマはなんじゃ。」

ス「今日の講義テーマは、有給休暇です。」

渋「有給休暇か。人事の本を読んだが、わしが生きていた頃にはそんなものはなかったの・・・(1931年に死去)」

ス「そう言われてみれば、そうですね。たしか有給休暇が制度化されたのは、1947年ですね。」

渋「戦後じゃな。」

ス「戦後間もない頃に労働基準法が制定され、有給休暇が生まれました。ちなみに、制定当時の有給休暇は6日分でした。」

渋「今は半年働いたら、10日分の有給休暇がもらえるのか?」

ス「そうですね。もっと詳しくいうと、雇用された日から計算して、6ヶ月在籍して、全労働日のうち8割以上出勤した“労働者”に対して10日分付与されます。普通に働いていれば、付与されますね。」

渋「そうじゃの。今回の講義テーマにしたのは、2019年4月から有給休暇の制度が変わるからか?」

ス「お、さすが! お察しがいいです。その通りで来年から有給休暇の制度が変わります。どのように変わるかご存知ですか?」

渋「もちろん知っておるぞ! 有給休暇の取得が義務化されるのじゃろう。義務化されるのは何日だったけの?」

ス「そうですね。取得しなければいけないのは、5日です。つまり、10日分もらったら、半分以上消化しないといけなくなりました。」

渋「ちなみに、5日以上消化できない場合はどうなるんじゃ?」

ス「その場合は、労働基準法に引っかかるので、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられますよ。」

渋「普通に犯罪ってことじゃな。」

ス「そうです。そのくらいしないとまずいですからね。日本は世界的に見ても、有休消化率が悪いですから。」

渋「どのくらい悪いんじゃ?」

ス「たしか、最近の調査では有給休暇を消化し切る人の割合がは33%でした。フランスでは有給を取得し切る人が89%もいることを考えてすると、日本の有給取得率の低さは目立ちますね。」

渋「フランスは、フランス革命で資本家と労働者が闘争した結果、労働者が勝ち取った権利でもあるからのー。その文化的な差もあるじゃろうが…。」

ス「そうなんですよね。フランスなどでは有給取得が当たり前ですからね。イタリアでは、ハネムーン休暇と称して2週間の有給休暇がもらえるそうですよ。」

渋「そうなのか・・・。日本とは大違いじゃの。」

ス「ここらへんの詳しい話は、映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」を見ればよく分かりますよ。イタリアの有給休暇は最大年間80日だったり、フランスの給食はコース料理。という世界が分かる映画です。」

渋「80日は長いの…。」

ス「ただ、有給休暇は日本と違って、有給休暇のタイミングを指定できなかったりするそうですが、うらやましいですよね。」

渋「そんなに多い休みをとっても仕事は大丈夫なのか?」

ス「2017年の公益財団法人日本生産性本部のシートによると、フランスの労働生産性は日本の1.4倍もありますからね。労働時間は生産性で補っているんでしょうね。
https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2017_press.pdf」

渋「なるほどなー。日本も頑張らないといけんの。ってか、今日は有給休暇というか労働生産性の話じゃの!笑」

ス「そうですね!笑」

渋「ちなみに、これからインフルの検査してくるんじゃが、もしインフルになったら有給休暇じゃなく休めるんじゃろ?学校では出席停止だから、会社に行くわけにいかんしの・・・」

ス「いや、有給休暇使わずに休めますけど、ただの無給休暇になりますよ。会社によっては、お給料が出る会社もあります。どういう会社かというと、出勤停止命令を出す会社で、その命令を出された場合は、休業手当がもらえます。他にも、連続3日休むと 傷病手当金が支払われるケースもありますが、基本的には有給休暇でお休みするケースがほとんどですね。」

渋「あぁ、そうなのか。インフルにかかったら大変じゃの。あ、なんか腹痛がしてきたの・・・。」

ス「大変なので、手洗い予防を徹底しましょう。ひとまず、今日の講義も終了です。このタイミングでの腹痛はインフルかも・・・。早く病院行ってください。」

渋「うむ、また来週もよろしく、じゃあ!」

栄一さんが、お腹をさすりながら去っていく。

ス「そもそも、霊体なのに、インフルエンザって概念があることに驚きだ・・・。」

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