海外営業としての通訳経験とその準備記録 4

中国での通訳も思い出深い。

中国出張には品質監査の通訳として同行した。
品質管理関係の事象については全く馴染みがなく、同行が決まると、関連資料を入手し、読み込んだ。

それだけではわからない点が多々あり、品質関係で交信をされていた業務担当の方にもアドバイスをもらいながら、取り上げられるであろうトピックについての関連単語を覚えていく。これがまた業界特有の単語が多く、実例(使われている場面や内容etc...) と共に覚えていく。

一例を挙げるなら、porosityという単語。"穴がたくさんある"等が意味としてあるが、これが鋳物に対して使われる場合は、"鋳巣"という意味になる。これはクレームにもつながり得る品質不良の一つだ。辞書で引いてもなかなか良い訳がない場合もあり、そんな時には業務担当の方の経験則には助けられた。おそらく使わないだろう…と思われる単語も保険としてピックアップして頭に入れた。

また並行し、現場の方にも話をうかがう等し、(難しい内容だが)できるだけ日本語で背景的知識を頭に入れた。

日常生活では日本語も含めなかなかお目にかからない話であり、材料、機械用語などなど、表面的知識レベルではあったが、勉強する良い機会になった。

出張中、正直な所、全てを綺麗な形で訳せた訳ではなかったと思うが、会議は滞りなく進んだ。 

想定外の事が起こらず良かった…としか言えないくらい、難解な通訳だった。

この後、別案件の通訳兼製品の品質確認補助員して、中国を再度訪問する事になる。

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