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自分が一番無知であると自覚する瞬間

2023年9月9日(土)雨時々晴れ

今日は栃木県の日光で仕事があった。昨日急遽高校からの友人に連絡をもらい、彼の代理を務めることに。内容はドキュメンタリー映画の撮影補助と、オーストリアから来た監督の英語での通訳だった。

内容は全く馴染みのないFDJ(フォーミュラ・ドリフト・ジャパン)の世界。どのような人たちがいて、どんな競技が行われているのか単純に興味があって見てみたかった。

監督と一緒に彼が注目していた選手に話を聞いた。もちろん走りも迫力満点でヒヤヒヤして目が離せないけれど、個人的にはピットの中での様子をもっと見ていたいと思った。「ご主人」「奥さん」という呼称に違和感があるので、敬意を込めて「夫」「妻」と書く。選手である妻のマネージャーを務める夫が、ドリフト走行する車を整備している様子が印象的だった。息子さんもドライバーになっていて、家族全体がチームという印象だった。こうして何か競技が中心となった家族のかたちがあること。あまり私の身近にはいないので新鮮だった。慣れない環境で排気ガスにやられ、頭が痛くなってしまった。

昼休憩中、監督とそばを食べながら話していて「こうして知らない世界に飛び込んで、自分が一番無知である状況になる瞬間が面白い。だからドキュメンタリー映画を作るのが好き。」と言っていたのが印象的だった。外から取材や撮影をさせてもらう立場として、その状況を楽しめることはたしかに大切だと思う。私も去年からこうしていくつかドキュメンタリー映画の現場にいくつか携わるなかで、自分にとって全く未知の領域で働く人々に出会ってきた。関わったことのない人々の見たこともない世界に触れて、また改めて私にも個人としての「世界」があるということを知る。そしてこのカッコ付きの「世界」をどう捉えるかは、私自身に委ねられている。

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