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印象に残った知らない人のこと

2023年8月22日(火)曇り時々雨

8時ごろさくらが仕事に行くので起床。正午頃に家を出て、新宿武蔵野館へ。「エドワード・ヤンの恋愛時代」を観る。人間関係の敷き詰められ方が綺麗すぎて、若干作者の手を感じてしまったが、それでも会話や演技はやっぱり見事でかなり好きな作品だった。エドワード・ヤン監督の作品を観たのは久しぶりで、映画館で観たのは多分初めてだった。まだ観ていない作品があるので、これからまた注目しようと思う。

劇場を出た後、映画の半券を見せると割引が受けられるとの案内を見たので、同じ建物の地下にあるカフェに行ってみた。お店にメニューはほぼなく、コーヒー豆の説明を聞いて、香りをかいでみて飲み方を選ぶ形式だった。同世代くらいの女性の店員さんがコーヒーの説明をしてくれた。おそらく日本語が母語ではなく、何度か聞き直さないといけなかったが、何故かこの方の声で説明を聞いているのがとても心地よかった。その後中国語で接客していたのでおそらく中国語が母語のようだったが、どこ出身かなどは聞かなかったので分からない。説明を受けたコーヒーは一番安いものでも一杯900円する。高いなと思ったけれど、せっかく映画の半券で割引を受けられるし、豆がとても良い香りで何より美味しそうだったので入ることにした。私が入った時点ではまだ他にお客さんは一組しかいなかったが、本を読んでいるうちにどんどん増えていき、気づいたら満席近くなっていた。

出してもらったコーヒーを飲みながら、少し残っていた本を読み、その後は岡山に滞在していた10日分の日記を仕上げた。席も混んできて、カウンター前に列もできていたので、そろそろお店を出ようと思った。このお店はコーヒー豆の説明をしないといけないので、単純に客ひとり対応するのにかかる時間が長い。

先ほどの店員さん、忙しくなってきて注文のミスをしてしまった様子。ただでさえ日本語で接客をするのは大変だろうに、先輩らしき男性から怒られていた。私の座っていた場所からどうしてもそのやりとりが見え、声が聞こえてしまうので、なんだかやるせない気持ちになってしまった。店を出る時、せめて自分が使ったお盆をカウンターまで持って行こうとしたが、この店員さんに「そのままで良いですよ」と言われた。その時も彼女は笑顔で対応してくれた。飲食店で働いているとこういう辛くても笑顔を見せないといけない状況ってあったなあと、自分がレストランでアルバイトをしていた頃を思い出していた。

家に帰って久しぶりにじじばばに会った。しばらく会っていない間、特に大きな変化はなかったように見えたけれど、ばばが冗談で私が誰か忘れてしまったと言った。いつかこれが冗談ではなくなる日が来るのだろうか。

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