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嫌いじゃない夏の夜

2023年8月5日(土)晴れ

祖父母の家で飼っているセキセイインコのピピちゃんが、なかなか餌を食べない。夏バテなのか、何か他に原因があるのか。でも元気そうにしているので、人間が見ていない時間に食べているのか。ピピちゃんに話しかけるじじばばの様子が好きなので、とにかく皆んな元気でいてくれたらいいなあと思う。

昼ごはんを食べながら、テレビが好きなじじが大谷選手のいるエンゼルスの試合を観ていた。エンゼルス攻撃の最終回、大谷選手が三振した。空振りする彼の様子を見てじじが「あんなん振っちゃダメだ。今日はダメだな」と言った。こういうことは初めてではないのだが、私はこれを聞くたびにモヤモヤしている。こっちはテレビで、ピッチャーの背後からの映像を見ているだけだ。選手はバッターボックスに立って、ものすごく速い球を打たなくてはいけない。三振したことに対して残念とは思うけれど、それで誰々はダメだとかそういうことは言ってほしくない。私はじじのそういうところが好きじゃない。ちなみに私は野球のことを全然知らない。

午後は6月末に徳島の上勝町で撮影した映像の編集作業。なかなか時間が取れず、内容的にも苦戦している。取材を受けてくれた上勝町の方々の伝えたい思い、この仕事を私にくれている団体の方々が求める発信方法、私自身の思いの間でぐるぐる。こういう場合優先するべきは、やっぱり私に話を聞かせてくれた人たちのことだと思う。

17時半ごろ家を出て、江ノ島で開催されている「発酵盆祭」に向かう。めぐさんとゆうさんと合流し、3人で発酵食品のお店が並ぶ屋台を物色。それぞれ好きなものを買う。私は桃を丸ごとかじって、まぜそばを芝生に座って食べた。盆踊りは既に始まっていて、早く踊りたくてうずうずしていたので自然と急いで食べ、踊っている人たちの輪に加わった。今まで盆踊りに参加したことがなく、振りも曲も分からなかったけれど、真ん中で踊る浴衣の方たちの真似をした。どの曲も振りを覚える頃にちょうど終わってしまったが、笑いながら汗をかいて踊って楽しかった。踊りの途中で花火が上がり、赤と白の提灯と重なって、夏が苦手な私もお祭りの雰囲気と海沿いの夜風は悪くないなと思った。

前から思っていることだけど、私は他者の影響を受けやすい。多分文章の日記を公開しようと思い始めたのも、読んできた日記本の影響だったり、本の原稿を書いている友人の影響がある。でも思えば私は昔から歌詞や文章、映画の台詞に感動することが多く、そのことを映画を作り始めてから何故か忘れていたような気がする。今年に入ってから、やっぱり私はもう少し言語化にこだわろうという気持ちが強くなった。多分そういう自分の大事な部分を蔑ろにしたら何も作れない。

でも冷静になってみると、とんでもないことを始めようとしているのではないかという予感もしている。こうやって書くことで何かを失ったり、誰かを傷つけたりするときがくるのではないか。どうだろう。今はできるだけ肩の力を抜いて、とりあえず続けてみよう。まだnoteのフォントと滑らかな改行に快感を覚えている。

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