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子どもも他人も変えられない(3)

お口チャック

不登校の子どもが模試の結果が悪くて、凹んでしまい、ご家族が「またか」と思うことが子どもの心に負担になるとをお伝えしています。

そのとき、子どもの心の中に、何があったのかを考えています。

少し、遡って考えてみます。

子どもが学校に行けず、不登校になったときに、ご家族が心配して、いろいろ子どもに話しかけていくことは、良くあることだ思います。

お母様が学校に行けなくなった子どもに、

「学校行ってみる?」
「将来どうしたい?」
「学校の先生が一度会いたいと言ってる」

などお母様ご自身が気になっていることを聞きたくなって言ってしまうことがよくあります。

ほとんどの場合と言ってもいいかもしれません。

その時に、子どもがきつい言葉や、暴言で返してくることがあります。

これは、その子どもによっても違いますが、子どもがイライラしていたり、お母様の言葉にショックを受けて思わず言ってしまったりと、子どもには、子どもなりの理由があり、良いことではないのですが、キツイ言葉を投げつけてしまうことがあるのです。

そのことがきっかけで、しばらく子どもがイラつきがおさまらなかったり、しゃべらなくなったりすることがあります。

結果的に家の中の空気が悪くなって、家族みんなが家にいるのが辛い感じになってしまうことも出てきます。

子どものイライラが酷くなると、暴れて壁に穴をあけたり、物を投げつけたり、そのことが元で、お父様と取っ組み合いのケンカになってしまったりすることがあります。

子どもにきつい言葉を投げつけられたり、暴れられたりして、お母様が気持ちが沈んでしまい、その後、子どもとしばらく会話できなることもあります。

家の空気が悪くなったことで、つい、お母様が自分の気になることを言ってしまったことを後悔して、言わないように、言わないようにと、腫れ物に触るように気をつけて生活されるようになってしまうことが有ります。

『お口チャック』と言って、できるだけ余計なことを言わないようにして、穏やかに過ごせることだけを、お母様が考えることになってしまうのです。

しかし、どれだけ『お口チャック』と言わないようにしても、思っていることは、間違いなく心の中で思っているのです。

お願いだから学校に行って!と思っているとしたら、子どもの側からしたら、言わないだけで何も変わってないし、何もわかろうとしてくれないと、感じてしまうのです。

このことが、子どもが動き出し、コミュニケーションも取れるようになり、周りの人達とも笑顔で接することができ、いよいよ次の進路に向けて動き出した時に出てきます。

それが、ちょうど模擬試験だったりするのです。

ここまで、お母様は言わないように、言わないようにしてきています。

子ども自身も元気になってきて、自分のことをわかってもらえていると思っているところに、模擬試験の結果が悪かったりしたときに、つい親の本音が出ます。

子どもが自分自身が、こんな成績ではダメだ、やっぱり自分はダメだ、周りと比べている、自分は自分だと思いながら、ご家族の顔色を気にしている、そう感じて凹んでしまいます。

まさにその時に、もうここまで来たのだからと、ご家族も安心感と結果が悪かったことへの焦り、不安感から、「こんなことでは合格できないぞ」「泣いたって仕方がない」とご家族自身の心にあった言わずに我慢してきたものが、出してしまうのです。

結果的に、これが、子どもを、さらに露骨に凹ませてしまいます。

わかってくれていたのではないのか・・・

このショック、失望感はかなり大きいのです。

この時に家族以外に、子どものことを理解し、信じて、心から応援してくれる大人や友達ができていれば、立ち直ることができますが、そこまでの関係性が家族以外の人とできていなければ、再び動けなくなることもあり得ます。

『お口チャック』がダメだと言っているのではありません。

直接言って傷つけるよりは当然ましなのです。

しかし、それでは、子どもは再び動き出せないこともわかって欲しいのです。

『お口チャック』は、言わない間に、子どもが、何をどのように感じているかを、お母様が考える時間を作るためのものだと思って欲しいのです。

子どものことを理解するために、言いたいことを我慢していただき、ご自分の考えを言葉にして発する前に、考えて欲しいと思います。

子どもが何を感じているのか
0か100かなのはなぜなのか
学校に行くと言っていたのに、なぜ、当日の朝になったら行けないのか

などに落胆するのではなく、何が子どもの心に起こっているのかを考えるための時間を作るために、『お口チャック』をしていると思って、子どもの側に立って考えてみて欲しいのです。

それと、『お口チャック』と言っているご家族は、どうしても、子ども達からきつい言葉を投げつけられたり、暴れられたりした経験があることから、そうならないように、自分が余計なことを言わないように『お口チャック』をしていると思います。

このことが、下手をすると、腫れ物にさわるように、子どもを扱っていると、悩んでいる子ども側が感じてしまうことがあります。

そのとき、子どもは自分が暴言を吐いたから、ご家族が自分には余計なことを言わないようにして、何か腫れ物に触るように接してくるようになったと感じています。

余計にイラついたり、家族と話さなくなったり、部屋で暴れたり、ついには、自分なんか生まれて来なければよかったんだと思ったりすることさえもあるのです。

ご家族が余計なことを言わないようにすることは、子どもにはとても安心できるものですが、子どもがきつい言葉をお母様に投げつけたときは、しばらく『お口チャック』しながら、ご自身の何が問題なんだろう、何がイラつくもとだったんだろうと、子どもの側に立って考えるようにしてみてください。

それだけで、腫れ物に触るようにすることもなくなり、お子さんにもお母様が本気で考えてくれていることが伝わると思います。

お母様にお願いがあるとすると、お母様自身が楽しく幸せになることを考えてみてください。

お子さんが不登校になって、お母様もご心配なことはわかります。

だけど、社会や大人の常識の側に立つのではなく、子どもの側にしっかり立って考えてみるだけで良いのです。

あとは、子どもが必ず自分の力で立ち上がると信じてください。

子どもが言葉にできないかもしれないけれど、助けを求めてきたら、助けてを求めていると感じたら、全力でサポートしてあげてください。

それまでは、子どもが凹んでいても、お母様がお子さんを信じて、笑顔で幸せに暮らしていれば、子どもは必ず元気になります。

お母様が暗い顔をしていて、悩む子どもが、そのお母様に頼れますか?

自分が暗い顔をさせたお母様に、これ以上の負担をかけられると思いますか?

子どもが元気になるためにも、お母様が自分を幸せにすることを最優先に考えてみて欲しいと思います。

何度もしつこく、しつこくお伝えをしているのですが、お母様には笑顔でいていただきたいのです。

それが、子どもにとって、一番の安心で元気の素なのです。

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