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動画広告のクリエイティブは30秒を超えても獲得効果は良くなるし、沢山作ればいいというものではないという話

1歳の娘が発熱・下痢・嘔吐で週末を棒に振っています。皆様ごきげんよう泣

さて今回は、動画広告のクリエイティブの話を書こうと思います。

【実際にあったケース】

動画広告においては、6秒程度の短尺から、オーソドックスな15秒尺、獲得目的としては長すぎると言われることが多い30秒尺からそれ以上など、色々な長さの尺が存在します。

一般論としては、獲得目的の広告であれば15秒以内にすることがセオリーと言われており、それ以上の長さは向かないと思われていることが多いようです。
(各代理店へのヒアリングなどから、かなり一般的にそう考えられているように思います)

しかしながら今回紹介するケースでは、Googleのアプリキャンペーン(AC)において、35秒の尺の動画が、他の15秒動画などを圧倒的に超えるCTRおよびCPAを出しました。

この検証を通じて、動画広告のクリエイティブに関する確信はかなり深くなりました。

【実際のクリエイティブ内容とKPI】

この検証ではスマホゲームの動画広告のクリエイティブを、大きく分けて3パターン用意しました。

■用意した動画広告のクリエイティブパターン3つ
①ゲーム内のプレイ動画を編集して15秒尺で作ったもの
②キャストを用いた撮影を行い、15秒尺に編集したもの(情緒的)
③キャストを用いた撮影を行い、35秒尺に編集したもの(具体的)

この3つの効果を比較することになりました。

キャストを用いた動画には2種類ありますが、15秒のほうは「めっちゃ面白い!」「グラフィックすごいくて驚いた!」といった、いわば情緒的な内容を訴求し、
35秒のほうは「グラフィックすごいだけじゃなくてストーリーもいいし、かといってバトルは戦略性があって~…」といった、より具体的な話をしたものでした。

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上記の動画を比較した結果のKPIは以下のような結果になりました。
(実際の数字を若干調整しています)

①ゲーム内動画編集したもの
・CTR:0.1%
・CVR:25%
・CPA:6千円
 ※課金最適配信のため、課金1回あたりの獲得単価

②キャストを用いた撮影を行い、15秒尺に編集したもの(情緒的)
・CTR:0.07%
・CVR:20%
・CPA:7千円

③キャストを用いた撮影を行い、35秒尺に編集したもの(具体的)
・CTR:0.35%
・CVR:15%
・CPA:5千円

上記のように、なんと35秒の動画がもっともCPAが良いという結果になり、
特に配信金額では他のクリエイティブよりも数倍以上伸び、ぶっちぎりの効果を記録することになりました。

【なぜ、尺が長いほうが効果が良かったのか】

各動画のKPIを比較したときに際立っているのは、③の動画のCTRの高さです。
他の動画に比べて、3倍以上のCTRがあり、特に情緒的なものと比較すると5倍近いCTRでした。

ACの動画というのは多くがYouTubeに配信されるのですが、興味のない動画であれば当然すぐにスキップされてしまいます。
35秒という長さであれば、スキップされる機会が長くなる分、よりスキップされてCTRが下がりそうという印象を受けるかもしれません。

しかし、今回は長尺のほうが圧倒的にCTRが高いという結果でした。

ブランディングではない直接の獲得が目的のデジタル広告の場合、興味関心がすでに一定以上ある層(顕在層)をターゲットにした『刈り取り』が目的になることが多いです。
そのため、いかに視聴者のアテンションをとるかというところに意識がいくことが多いと感じています。

しかしながら、世の中には基本的に潜在的なターゲットのほうが多く、そもそもの興味関心をリフトアップすることが必要なケースは多いと思います。

そんなときはアテンションばかりを狙っていてもあまり意味はなく、
視聴者にとって興味がわくような情報を適切に届ける必要があります。

今回出稿したスマホゲームは、世の中的な認知度としてはまだそこまで広くとれていないため、
表層的ではない、具体的なゲーム内容の情報が理解できる動画内容だったことで、「より深い情報を知りたい」という人が増え、遷移先へのタップを誘導できたのだと考えています。

なおCVRが比較的低いのは、それだけ遷移先にいくユーザーにおいて潜在層の比率が高くなったからと考えています。

【クリエイティブは結局、視聴者の視点に立てるかどうかが最重要】

今回のケースはACの例であり、配信先の多くがYouTubeでした。

これがTwitterであったり、FacebookやInstagram、Tik tokなどであれば全然違うクリエイティブによるコミュニケーションが必要になります。
(実際、上記の動画はTwitter等には絶対に有効ではないため、入稿すらしていません)

つまるところ、媒体ごとに想定される視聴者にとり、いかに最適な情報を届けるように逆算して設計するか、という話に尽きるということです。

今回はかなり具体的な例を紹介しましたが、その背景には、

「いかに視聴態度を考えずに、媒体ごとに横展開しているだけの動画の多いことか…!」

という想いがあります。

たとえばTVCMであったとしても、東京で効果が出るクリエイティブと、地方都市で効果が出るクリエイティブは全然違ったりします。
それがタクシー広告であれ屋外ビジョンであれ、視聴態度とターゲットに合わせたクリエイティブが必要です。

であるのに、ことデジタルの獲得広告においては、どの媒体においてもリサイズしただけの同じクリエイティブを入稿しているというケースが多々あります。

工数の課題があるというのはもちろん理解しているのですが、際立った成果を出したいと思うのであれば、ここで手を抜くことなく、
常に視聴者の目線に立ってコミュニケーションを考え抜くことが重要だと思う次第です。

今回は以上です。

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一橋大学法学部卒。建設DXの株式会社レゴリスのマーケティング部長。 マーケティングからプロダクト開発まで何でも屋。 ■連載など 〇日経電子版 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57761470X00C20A4000000/
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