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Made in Japanへの過信_Vol.2_グローバル人材とは何なのか

日本人は隣国中国のことについて知らないことが多すぎます。(事実私もそうだったように)皆さんは中国と聞いてどのようなイメージを持っているでしょうか?

中華料理、大気汚染、不衛生、日常会話が怒っていそう、などなどプラスの側面を述べる人よりマイナスの側面について思いつく人の方が多いのではないでしょうか。私も赴任前まではそうだったし、家族や同僚からは心配の声もありました。

しかし、日本から出張者や友人が来て一緒に観光をするたびにみんな口を揃えて「中国ってすごい」と言って帰っていくのです。
彼らにすごいといわせているものは何なのでしょうか?

・キャッシュレスの浸透
会計時には財布から現金を出す人はまずいません。
この国では現金は偽札もあるため、電子マネーのほうが信頼度が高く便利です。

・タクシー配車
時間、場所に関わらず都市部であれば10分以内にタクシーを配車可能です。
日本でも首都圏を中心に浸透し始めましたね。

・デリバリー
自宅から5キロ圏内に点在する飲食店から直接デリバリーができます。
UberEatsが日本で浸透するよりも、遥か昔から浸透しています。

・APPを使った注文
外食時、もはや中国が話せなくても問題がありません。
決済アプリ(AlipayやWeChat Pay)のQRコードスキャナーを使用し、テーブル脇に貼られたQRコードを読みとれば電子メニューが携帯画面に表示され、そこから注文と会計ができる仕組みになっています。

・グローバルメーカーの基幹店の規模の大きさ
上海を代表するショッピングストリートのひとつに南京東路があります。
ここに所在するナイキやアディダスの基幹店は本当に大きく、大規模なデジタルサイネージで店内を演出しています。その規模には圧倒されるばかりです。人口×土地が大きいとここまで大規模店舗が作れるのかと考えさせられますし、グローバルブランドが投資しようと思える経済力がある国だという証だと思います。

・街並み

ゴミは渋谷のほうが圧倒的に多いといえるでしょう。
常時、清掃員がゴミ箱と箒を持って清掃しているので、ゴミは本当に少ないです。上海の場合、プラタナスの木が市内どこに行っても植えられており、日が差すと木漏れ日がとても気持ち良いです。

これらはすべて中国に1日でも滞在すれば誰でも気づく「観察事象」です。

この観察された事象から、物事の本質とは何かを想像し、なぜそのようになったのか、日本にとって足りない要素は何なのか。日本に取り入れると物事はよくなるのか。どんなことが導入時のバリアとして横たわっているのかを考えることにこそグローバルマーケターとしての役割の本質があると思います。

そもそもグローバル人材とは何なのか?

グローバルという言葉はよく聞くがその実体はどこにあるのか?
グローバル人材に求められる素質について私の考えを述べたいと思います。

個人的にはグローバルなんてものはどこにもないと思っています。
単純に観察対象やビジネスの対象が政治的な理由で決められた“国境”を超えて行われており、そのことをグローバルというんだろうと思っている程度です。

しかし、考えてみてほしいんです。

飛行機で数時間も飛べば異文化と出合えて、グーグルアースを使えば街の雰囲気は何となくわかる世の中です。それに、自分たちから国境の外に出向かなくても、向こうからそれはやってくる世の中です。

つまり、国境を自分が超えても越えなくても、そこにグローバルは存在しているということです。

このことは何を表しているのでしょうか。
国境なんてものは、国益や安全保障上の観点から必要なものであり、ビジネスや人と人の繋がりにおいてはそもそも存在しないということではないでしょうか。

いわゆる僕らは「地球人」なんではないのでしょうか。私は自分のことを日本のアイデンティティを持った、地球人だと思っています。日本人だから日本にいなくてはいけないなんて鼻から思っていません。地球人なので、自分が活躍できる場所は世界どこにでもあると思っています。


文化において境界は確かに存在していますし、これは国境が生んだ賜物です。

国境なんて考え方があるから、ややこしくなると思っています。

文化理解はグローバル人材の第一歩

なぜなら、僕らが生きるこの地球(=グローバル世界)は各地域の文化の寄せ集めであり、その集大成だからです。

「デザインのデザイン」原研哉著では、ユーラシア大陸を90度回転させた地図を提示し、日本は大陸文化の多様性を受け止める最後の砦と語っています。

日本人はこの多様な文化を吸収し、独自にその文化を作り上げてきたと説いているのです。

グローバル人材を目指したいのであれば、2か国以上の文化のことを知り、比較をして、新しい仕組みや文化を形成できるような取り組みをしていかないといけないと思っています。

外国人と話したことがなく、英語が話せなくても、グローバル人材にはなれます。むしろ、英語が話せなくても、上述したことをしっかりと行えば、グローバル人材として十分その力を発揮することは可能だと思います。

もちろん、英語やその他言語ができたほうが、コミュニケーション上楽なことや文化理解の上で楽になる部分はあります。しかし、この時代において第二外国語の言語の能力はたいして重要ではないとおもいます。
むしろ、自国のことを知っていて、他国のことも知り、その2国間ないしは多国間における特徴を理解したうえで、新たな価値を提供できる人間にこグローバル人材としての称号が与えられるべきだと思っているのです。


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