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日系企業の大転換期_Vol.1

導入

中国の日系企業進出支援に携わり始めて、丸4年が経ち5年目に差し掛かろうとしている現在、これまでに感じてきた日系企業の課題や可能性について、
余すことなく伝えようと思う。

私は株式会社マクロミルに2014年に新卒で入社し、FMCG(消費財)業界を専門とする営業組織にて、日本に向けたマーケティングリサーチのコンサルティング営業を行ってきた。
転機が訪れたのは、2018年5月。当時、キャリアについて悩んでいた私に中国駐在の話があり、グローバル志向もあったため、中国のことは全く分からない状態だったが、単身中国に向かうことになった。

中国に駐在後は実に多くの日系企業の悩み毎に出会い、私はマーケティングリサーチを通じて、企業の課題解決支援を行ってきた。そして、多くのケースに出会う中で、日系企業の課題気づくようになり、今回はその知見を棚卸しようと思い筆を執っている。

さて、先ほど日系企業と申しあげたが、「日系企業」といった言葉一つで定義できる程、その内実は単純ではない。
海外への進出段階や組織体制、会社風土や文化、過去の海外事業失敗経験の有無、日本本社と現地拠点の連携の密接度合など、企業が持つ事情は当たりまえに違う。更に、日本本社(以下日本HQと記載)と中国拠点の間で大きな事業課題に対する認識GAPが存在しているのだが、それらを、そもそも認識していないことや、認識していても放置してしまっていることに大きな問題があるように感じる。

日本経済の縮小や弱体化に伴い、日系企業の海外進出はひときわ目立つようになっており、その中でも中国はカントリーリスクが高い国とされながらも、再注力国として定める企業が多いのも事実だ。にもかかわらず、中国のことについては、売上を求める一方で日本HQ側が正しくその実情を把握していないようにも受け止められる。

100年に一度とも言える、未曾有の疫病災害により、我々の生活環境や就労環境は様変わりしたが、中国でも自国製品をあえて選択し、購入するという「国潮」というトレンドまで生まれている。

現在は日本に帰国している筆者だが、日本帰国後も多数の日本本社で中国事業に向き合われているお客様と取組をさせていただいた。
その過程で私は、日系企業が変わらないといけない、転換期にいると考えるようになり、本気で、これまでの体制や拠点と本社間の認識GAPを解消していかないと、日系企業は益々、苦しい戦いを余儀なくされてしまうことになると思うようになった。

消費力も高く、人口も多い中国市場で少しでも多くの日系企業の成功を目にすべく、「日系企業の大転換期」と題して今後数回にわたって、以下に挙げる項目に沿ってより詳しく伝えていこうと思う。

  1. お客様の悩みごとの実例

  2. 中国市場変化の過程における日系企業の転換期

  3. 中国拠点と日本本社との連携図式と課題

  4. 日系企業が直面するマーケティング課題&調査活用例

  5. 日系企業と現地企業のそもそもの考え方の違い

  6. 中国企業の開発&マーケティングサイクル例

  7. 欧米企業の中国での調査活用事例

  8. 現地化と標準化すべき要素とは

  9. 商品パッケージが果たす役割の変化

  10. 製品設計時には既にSNS映えを意識すべき?

  11. 既成概念の構成要素理解が消費者理解の第一段階

  12. 成功確率を高めるために、日系企業が出来ること


ご質問や気になる点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

Macromill China
長谷川 恵介  k_hasegawa@macromill.com





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