映画「アルプススタンドのはしの方」感想、レビュー

結局あの熱血教師が最恐。

エンディングのthe peggiesの曲も素晴らしく、劇場が明るくなるまで立ち上がれませんでした。

とりあえずヤバいのは矢野のスイング。

大人になるにつれて「しょうがない」がしみついていくし、これが最良の道なんだと妥協が増えていくけれど、そうじゃない、はじめの一歩を踏み出そうとこの映画をみて思いました。

これは高校生の話だけれど大人も学生も関係ない。勇気をもらいました。
スクリーンには自分が映っていなくて辛かったけれど。

この映画には必ず自分と重なるキャラクターがいるはずなのに、
そこには自分の姿がありませんでした。

野球部をやめてしまった彼でもなく、一生懸命になるなんてかっこ悪いと俯瞰して自分を納得させる吹奏楽部の彼女たちでもない。

どの登場人物に自分を重ね合わせたらいいかを考えながら見ていてもどのキャラクターにも重ね合わせることができず、とてもつらかったです。

私はしょうがない、これが正しいと自分をだまし、応援にすらいけてなかったように思います。

「応援」に行っておけばよかったなと見ながら後悔をしてしまいました。


本当はあの熱血教師に憧れています。
自分の価値観を人に押し付けるような人間はどうかと思うし、危険な思想なのでそうは絶対なりたくないけれど、物事に全力で向き合っていることは確かです。
きっと人生を一番楽しく生きているのは彼なのでうらやましく思います。

始めは彼に嫌悪感を抱いていたけれど、だんだん心を動かされていくのがとても嫌でした。

何かに一生懸命になることは恥ずかしいことではなくて、しょうがないと自分を騙して後悔するぐらいなら、恥をかいてみるのも悪くないんじゃないですかね。

年を重ねて「しょうがない」がこびりついてしまっているけど、少しずつこそぎ落としていけるといいですね。

そしてthe peggiesの「青すぎる空」がイントロからよすぎて席から立ち上がれなくなりました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?