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津島の毛織物を知る!「工場を見てきました」

私が主宰している「津島ツムギマチ・プロジェクト」で津島の地場産業、毛織物の工場を見学してきましたので、そのレポートです。
毛織物工場の見学に行くのは2017年、Greenzの企画依頼4年ぶり。

わざわざ知らない町に行かなくてもいい。愛知県津島市をgreenz peopleのみんなで、歩いて感じて、見えてきたこと。
https://greenz.jp/2017/01/28/tsushima_offkai/

今回の企画の背景です。
津島ツムギマチ・プロジェクトは津島小商い創出支援機構(通称 小商い機構)さんと共同で、津島の地場産業、毛織物にスポットを当てた取り組みをしています。
私たちはそれぞれ、空き家の活用を通じた活性化や、地域資源を活かした体験企画などをやってきました。
その中で、産業観光を軸とした活性化やまちづくりに共同で取り組むようになりました。
年に数回のイベントに頼らない、地域の魅力を活かした広がりのある楽しさを創ること。

これから、地場産業である「津島の毛織物」とどんなコラボレーションがあるのか、人を惹きつける魅力をどう組み立てるか、シビックプライドにどうつなげるか
を考えるにも、まず知ることが必要。

そこで私たちは「毛織物勉強会」を小さくも、地道にはじめました。
参加者は関心を持って下さるなら、地域の人も、地域外の人も大歓迎。

今回は、勉強会の第3回。
実際に工場に見学に行くことにしました。

訪れたのは、織りのサンプルを製作するSKデザインさん。
SKデザインの社長、佐藤さんにご案内いただきました。

SKデザインの佐藤社長が丁寧にご案内、ご説明くださいました

プライベートや公的な場で身に纏う服、生活の中にあるクッションにカーテン。
みなさんの身の回りには何かしらの「織物」で溢れていませんか?

これらを生産する際に、色合いや風合い、機能性など、企画者と製造者で綿密なすり合わせが行われています。
その工程が、SKデザインさんが担当するサンプル、見本品の製作です。
糸の強度から、色、縦糸・横糸の幾多の組み合わせ。
デザイナーやアパレル企業、例えば制服なら学校などから、こんなものを作りたい!と
いうリクエストを、織りで表現していきます。

パッと見てわかる生地のパターンには無数の糸の色や、組み合わせで表現されている

リクエストの生地ができるまでに、相当に緻密で繊細な思慮と手仕事の工程がありました。

織物は、縦糸と横糸の組み合わせで色も、肌触りも、風合いも表現されています。
ということは、私たちが来ている服も、ものすごく細い、一本の糸が、無数に織られてできているということ。

織っている最中に、糸が一本切れれば機械が止まり、切れた糸を結んでまた織る。
織った後には、結び目を処理して見えなくする仕事を担う企業もあるくらいです。

SKデザインさんには、若手からベテランまで職人が多数みえ、丁寧に、かつ冗談抜きに目で追えない速さでしごとをしていました。

織りにパターンが出るように糸一本一本を機会にセットしていく
糸を手で調整しながら機械を操っていく


機械自体の設計に携わるなど、こだわりと自動化にも取り組む佐藤社長
繊細な糸でも織ることができる昔ながらのションヘル機

近代毛織の発祥となった津島。
この生地のサンプルをつくり、新しい素材での織にも挑戦し、時には、オーダーに対し、
織りで実現できない場合には、試した上で、できない理由をきちんとクライアントに伝えるこの仕事は
非常にクリエイティブだと感じました。

生地ができるまでの、緻密で高度な技術。
これは無くしてはいけないものだと思いました。

そして、こういった企業と、新しい織りに挑戦したり、新しい活用に広げていくことの必要性とわくわくが心に残っています。
きっと、大人も子供も、観光やデザイン、IT、家具やインテリアなど、様々な界隈の人がこの現場を見たら、イマジネーションが掻き立てられるでしょう。

ぜひまた、こういった機会をつくりたいと思います。

津島ツムギマチ・プロジェクト 代表 小林慶介

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