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あなたはすでにジブリのステークホルダーに?

いきなり、ステークホルダーという少し背伸びしてビジネスっぽい言葉をあえて選びましたが、簡単に言うと関係者のことです。

先日、日本テレビがスタジオジブリを子会社化したとの速報をニュースアプリのポップアップで見ましたが、ジブリ作品にはそれほど思い入れはなかったので、「ふーん」っていう感じで流していました。でも、ポッドキャスト等の海外のニュースで結構取り上げられてるのを聞いたり、よくよく思い返すと割と興味深いネタかなと思い直し、ちょっと遅れて話題に乗っかってみました。実はジブリ自体の話は少ないです。すいません。


日本テレビも子会社

スタジオジブリを子会社化した、いわゆる日本テレビ(日本テレビ放送網株式会社)自体も最重視されている特定子会社として、上場している日本テレビホールディングスの関連会社一覧のトップに名を連ねています(直近の有価証券報告書8ページ目)。
本体(日本テレビホールディングス)の従業員の平均年間給与が1300万を超えていところはさすがですね。テレビ局は本当に落ち目なんでしょうかね?といぶかりたくもなります。

従業員の平均年間給与

ちなみに、取締役筆頭に渡邉恒雄(ナベツネ)さんがいらっしゃいますね。

役員一覧

さて、ジブリ子会社化報道翌日(9月22日)の株価は案の定急騰していました。

右側の長い棒状の部分が当日の急騰箇所

日本テレビホールディングスは日本テレビでの広告関連の収益がメインですが、それ以外にも様々な事業を手掛けていて、アニメ系の有名どころでは、大ヒットしたというコナンの映画や海外でのハンターハンターやアンパンマン等が同社の収益に貢献しているようです(決算関連PDF資料、直近の決算説明資料12ページ参照)。

日テレに関する広告以外の収支状況

スタジオジブリの業績も今後はこの辺りの項目にカウントされていくものと思われます。ちなみにスタジオジブリの資産は312億円程度、前期の純利益は34億円程度と官報で開示されているようです(90日間の期間限定無料公開らしく10月下旬にはリンク切れになる模様)。子会社と言えど注目度は相当高いので、今後はもう少しジブリ単独での具体的な財務状況も公開してもらえないかなと個人的には期待しています。

スタジオジブリ決算公告

また、アニメ制作会社の「タツノコプロ」も日本テレビホールディングスの子会社(議決権所有割合55.2%、同有価証券報告書8ページ目中央やや下)として掲載されていました。議決権所有割合が42.3%のスタジオジブリとは微妙に割合が違っていますね。

ジブリ子会社化合意後の外部に向けた声明では、
日本テレビはスタジオジブリの自主性を尊重し、スタジオジブリは今後ともアニメーション映画の制作、ならびにジブリ美術館、ジブリパークの運営に専念していく所存です。
とありましたが、長い時間を経ると状況に合わせて当初の方針が変更される可能性はあります。

日本テレビホールディングスの株主になれば間接的にジブリの株主になれるんじゃ?

議決権が半分近くもあるので、かつてのバファリンの謳い文句のように、
ジブリの約半分は日本テレビホールディングスでできている
と、ある意味言えなくもないですが、ジブリ側も日テレ側もファンにとってもジブリのイメージに余計な色を付けることは不本意なはずなので、当面は程よい距離感を保っていくものと思われます。

ところで、日本テレビホールディングスは公式には株主優待はないものの、隠れ優待というものがあるらしく、株主は1ヶ月分無料体験Huluチケットや、株主総会で議決権を行使すればオリジナルクオカード500円分等がゲットできるらしいのですが、非売品のジブリ関連グッズなどが出てくるような事があれば、ファンや関係者の間で盛り上がると思うのですが、そんな事は万が一にもなさそうでしょうね?

日本テレビホールディングスは既に規模が大きく、今後もドンドン成長していくというような企業ではなさそうですが、しっかりと利益を出し続けているので投資対象としては悪くはなさそうです。現状は15万円ちょっとで議決権行使可能な株主になれるので相対的には高くはないです。また、スタジオジブリとの関係性も良好のようなので、思い込みだとしてもジブリと繋がっているような気分になりたい方は推し活(?)の一環として、当然下落リスクはありますが、株式の購入を一度検討してみてはいかがでしょうか。
え?僕ですか?えーっと、冒頭二段落目を見返してみてください(笑)。
☆了☆


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