森おじの大槌移住ライフ【2023年6月活動報告】
皆さんいかがお過ごしだろうか。
大槌でも30℃を超える日が増え、本格的に熱中症に気をつけなければならない季節となってきた。
昨今では、ニュースなどでも熱中症についての危険性や予防法などが伝えられるようになり、少しずつ認知されるようになってきたと思う。
しかし、まだ熱中症に対して『元気があればなんでもできる』とか『できるできるもっとできる』などと暑すぎる根性論で何とかなると思っている人がいるようなら、本当に危険なので今すぐその考えは捨てて欲しい。
主に乳幼児や高齢者がなりやすいと言われている熱中症だが、他にも以下のような人がなりやすいため覚えておいていただきたい。
【熱中症になりやすい人の特徴】
①肥満体質の人
②寝不足や疲労で体調不良の人
③二日酔いや下痢などで体内水分量が少なくなっている人
それでは、どのように予防すれば良いかというと以下のような方法を日頃から実施すると良いと言われている。
【熱中症予防法】
①こまめな水分、塩分、糖分の補給をする
②可能な限り暑さを避ける
③適度な運動を習慣づける
④朝食をきちんと食べる
⑤寝不足にならないようにする
⑥風邪や二日酔いの予防をする
当たり前のことをを当たり前のようにやることは意外と難しい。
意識的にやらなければ怠けるのが人間というものであるが、そんな時こそ家族や親しい人達の顔を思い出し、是非とも健康的な生活を送って欲しいものである。
前書きが長くなってしまった。
それでは、6月の活動報告をどうぞ。
1.第51回全国林業後継者大会いわて2023@アイーナ・いわて県民情報交流センター
6月3日は主催が岩手県林業研究グループ連絡協議会、全国林業研究グループ連絡協議会、盛岡市、岩手県の第51回全国林業後継者大会に参加させていただいた。
盛岡市民文化ホールにおいて、「つなげよう 豊かな森林(もり)を 次世代へ」を大会テーマに開催された。
この大会は、全国の林業関係者が一堂に会し、活動発表やパネルディスカッションを通じて、森林・林業の重要性や林業の魅力を全国に発信する事を目標としている。
かなり専門的な内容が多く、題名も堅い感じだったので、参加者も林業に精通している層に限定されているかと思っていたが、意外なことに一般の来訪者や子どもの参加者などもいて驚いた。
活動発表の内容も先進的な取り組みから緻密な手法まで多岐に渡り、終始飽きることなく聴くことができ、非常に参考になる内容が多くあった。
2.地域清掃活動@吉里吉里海岸
6月7日は商工会青年部の一員として吉里吉里海岸の清掃活動を行った。
何となくみているとこれと言って大きなゴミはなく綺麗なように見えてしまうが、目を凝らしてみると、ビニール紐が埋まっていたり、煙草のフィルターが落ちていたりと、意外と小さなゴミが多いことがわかった。
これらがマイクロプラスチックとなって最終的には私達の体、或いは未来ある子どもたちの体にも入る可能性があるという事実を、今の大人達は真剣に考えていかなければならない。
流れ着いたものも少なからずあるだろうが、ゴミの放置や投棄は絶対にやめてほしいと願ってやまない。
3.MRS2ツリークライマー講習@旧考古園
6月10.11日は前回取得したツリークライミング資格の上位資格となるMRS2ツリークライマー講習を受講した。
講師は毎度お馴染み、長野から来ていただいている小林清さん(通称:コバキヨさん)と補助スタッフとして吉里吉里国理事の木村さんに教えていただいた。
残念ながら天気はあまり良いとは言えなかったが雨も滴る何とやらということで良しとしよう。
https://treeclimbingjapan.org/20230612-5/
4.電気柵周り刈払い作業@新山高原
6月12日から約1週間ほど新山高原牧場の電気柵周りの草刈り作業を行った。
今回の依頼内容は電気柵に接触する草が電圧低下を引き起こすため柵の下部にある草を幅400mm程度刈ってほしいというものであった。
総長約17キロ程を前述のコバキヨさんにも手伝っていただきながら作業を進めた。
現地は携帯の電波も届かず、万が一何かあっても連絡手段がないため、必ず複数人での作業とした。
効率よく作業できたので予定よりもだいぶ早く作業は完了したが、現場を確認していただいて施工状況にも良い評価をいただけた。
これからも丁寧かつ迅速な施工を心がけていこうと思う。
5.サーモン祭り@海づくり記念公園
6月18日は大槌町主催の第3回岩手大槌サーモン祭りに参加させていただいた。
今回は商工会青年部の焼き鳥店スタッフとしてドリンクを担当した。
昨年度よりも来客者数が多かったそうだが、出店数も多かったため、残念ながら用意した焼き鳥を売り切ることはできなかった。
今回の反省を活かして来年度はより工夫した商品展開が必要だと感じた。
映え(ばえ)を狙ってレインボー焼き鳥とか?🌈
6.火おこし体験視察@岩手県立陸中海岸青少年の家
6月22日は隣町の山田町に位置する岩手県立陸中海岸青少年の家に伺った。
今回は先日納品した、杉の細割が実際どのように使用されているのかを視察させていただいた。
と言うのも、杉の細割は用意するのにかなりの時間と手間を要し、人件費等を考慮すると単価が高額になってしまうため何か良い方法がないか以前から考えていたからである。
余談になるが、昔話によく出てくるフレーズで『おじいさんは山へ柴刈りに...』というのがあるが、日本人であれば誰でも一度は聞いたことがあるのではないだろうか。
しかし、この『柴刈り』について正しく認識している人は意外に少ない。
つい最近まで、私もその意味について勘違いしていた。
ではおじいさんは毎日山へ何しに行っていたのだろうか。
何も暇を持て余して仕方なく草刈りをしに行っていたわけではない。
実はこの『柴』とは乾燥した小さな雑木や小枝の総称であり、おじいさんはその燃料をせっせと毎日山へ採取しに出かけていたのである。
かまどなどを使用していた昔の家庭ではこの『柴』を普通に燃料として使用していたらしい。
話は戻るが、現代では滅多に使われなくなったこの『柴』を杉の細割りの代わりとして再度提案できないだろうかと考えた。
採取するのに多少の手間はあるが、伐木のついでに毎回少しずつ採取してこれば良いし、実際に拾ってきた『柴』で実験してみたが、火付きも火持も意外と良いことがわかった。
そして何より今まで捨てるしかなかった杉の枝葉を有効活用できると言うのは願ってもないことで、これこそSDGsの典型的な例と言えるのではないだろうか。
今後の展開に期待。
7.農林業研修@釜石
6月23日は釜石DMC主催の『林業起業家による生業としての林業体験』をテーマとした研修に参加させていただいた。
今回は釜石市を拠点に森と人を結ぶ活動をされている、『森結』-morimusubi-の石塚さんに林業を生業とするための基本的な知識や苦労、魅力などについてご講義いただいた。
石塚さん曰く、林業は一次産業の中でも生業としていくには難易度の高い業種であると言うことであった。
なぜなら、国産材の木材価格は1980年頃をピークに下がり続けており、現状で代表的な例をあげると杉の丸太であれば14,000円/m3前後が相場である。
燃料革命や安価な輸入材の増加など、理由は様々だが、純粋に木を切りそれを売ることによって生計を立てていくには小規模林業家にとっては到底不可能な世界というのが実情である。
それでは林業には暗い未来しかないのか?
というと必ずしもそうではないと石塚さんはおっしゃっていた。
なぜか?
そのわけは、確かに昔ながらの林業のように素材生産がメインの稼ぎ方だけであれば難しいが、今では林業はただの素材生産業だけの時代ではなくなっている。
今こうして体験に来ていること自体も解釈を拡げればある意味林業であると言えるだろうし、きのこやその他森から得られる副産物で生計を立てていくことも立派な林業と言える。
言ってしまえば、何でもあり。
考え方次第では無限の可能性がまだまだ開拓できる分野で夢のある職業と言える。
石塚さんの林業家としての最終目標は、体験や木工など色々な木に関わる仕事を100種類以上作ることだとおっしゃっていた。
その目標達成には並々ならぬ努力と苦労はあるだろうが、確かにそう考えるととてつもなく魅力的で夢のある職業に思えてくる。
無いものに嘆いていたっていつまで経っても始まらないし次は見えてこない。
無ければ作れば良いのだ。
この考え方があればどんな環境でも豊かに暮らしていくことができそうだと感じた。
6月26日は、まな板を作る体験会に参加させていただいた。
引き続き講師は石塚さん。
実際に先日山で伐採してきた木を使って作る、わけではなく、事前に製材していただいた良く乾燥した杉板を使って製作した。
と言うのも、木材というのは切ってしばらくは水分を多く含んでいるため、実際に木工の材として使用するには十分な乾燥期間が必要となるからである。厚みなどにもよるが、自然乾燥であれば杉でも最低1年、広葉樹など目の細かい材ともなればその倍以上の乾燥期間が必要となる。
それでも木は生き物であるので、呼吸し歪みはどうしても出てきてしまうらしい。
しかしそれもまた木の魅力の一つと言えるだろう。
今回は完全手作業。
手鋸と紙やすりを使い、仕上げに蜜蝋を塗って世界に一つだけのマイまな板を製作した。
自分で時間をかけて作ったものには愛着も湧くし、大切に使おうという気もおきる。
道具にも魂が宿るというのは何となくわかる気がした。
8.新渡戸文化小学校体験学習受け入れ@吉里吉里国
6月28.29日の二日間は新渡戸文化小学校の生徒の皆さんの体験学習受け入れを行なった。
当初、雨が心配されたが、日頃の行いが良い生徒が多かったのか二日とも天気に恵まれた。
一日目は薪割り体験の後、芳賀正彦理事長の講話を拝聴していただいた。
薪割りは初めての体験という生徒も多く、夢中になって割っていた。
体力を消耗したのか、講話の時は少し眠そうだったが、皆さん真剣にお話を聞いていた。
講話の後は皆んなで海の浅瀬で蟹を捕まえて遊んだ。
後になって言われたが、森おじは生徒よりもはしゃいで遊んでいたらしい。
許してカニ🦀
二日目は昨日割った薪を使って自炊をしてもらった。
この時注意したのは、なるべく大人は手を出さず、生徒たちが自分で考えて行動することを優先した。
当然危険性が高いことやすぐ対処しなければならないことには目を光らせていたが、それでも極力自分達の力でなんとかしてもらうようにした。
と言うのも、今回の体験学習には『本当に一人で生きることはできるのか』というテーマがあり、そのことについて自ら考え、体験してもらうためにもそのような体制を取ることとした。
様子を見守っていると、チームの皆んなで協力して上手くいくところもあれば、なかなか思うようにいかずイライラしているチームと実に様々あったが、それも含めて学ぶことが多い機会になったはずである。
また驚くことに、苦労して沸かしたお湯でレトルトカレーを温めてお昼ご飯を食べてもらったのだが、今まで食べたカレーの中で一番美味しいと言う生徒が多くいた。
いつも家で食べているカレーよりも確実に味は平凡だと思うが、やはり自分達で苦労した分のスパイスが加わっていたのかもしれない。
皆んなでお昼を食べた後は、この二日間で体験したこと、感じたことを皆んなで話し合う時間を設けた。
その中でテーマとしたことは、今回の体験学習の趣旨でもある『本当に一人で生きることはできるのか』ということと『豊かさとは何か』という2つについて話し合った。
このテーマに正解はないので、生徒たちが感じたことを素直に発言してもらった。
本当に色々な意見が出て、私たちの方が教えられることも多くあった。
その中でも共通していた意見は、『人は完全に一人で生きていくことは不可能に近い』ということだった。
人と人との関わりに限らず、木の命をいただいて薪を燃やしたからこそお湯を沸かすことができるし、食べ物は全て動物や植物の命をいただいているということを感じてもらえたようだ。
『豊かさ』に関しては問いかけが難しかったこともあり、『お金』だとか『品質』だという意見が出たが、もちろんこれも間違いではないし大切な見方であると思う。
しかし、今回私が一番学んで欲しかった『豊かさ』とは『経験』あるいは『体験』だと考えている。
いくらお金や物に恵まれていても、『経験』や『体験』は縁がないと巡り会えないものもある。
だから、今回の体験学習によって新渡戸文化小学校の皆さんと会えたことも私にとってはこの上ない『豊かさ』であることを伝えた。
と同時に、今回の学びが少しでも彼らの将来にとって『豊かさ』になってくれていることを願う。
9.個人的活動『生き物図鑑』
最後は恒例となった生き物たちの紹介をして今月の報告を終えようと思う。
最初の方は植物系だが後ろにいくにつれて虫などが増えてくるので、苦手な方は三枚目の写真ぐらいでご退出願う。
それでは、また来月の報告をお楽しみに。
グッドバイ👋
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