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森おじの大槌移住ライフ【2024年3月活動報告】

今年の3月は季節の移り変わりの激しい月になったように感じる。
雪が降ったり、突風が吹いたり、突然生暖かくなって花粉が大量に飛散したりと体調管理が難しいと感じた人も少なくないはず。
かくいう私も昔から花粉症がひどく、毎年この時期になると、またこの季節がやってきたかと憂鬱になっていたのだが、今年は処方してもらった薬があっていたのか、それとも体質が変わったのか、今のところ驚くほど花粉症の症状が出ていない。
できることならこのまま花粉症が治ってくれていればどんなに嬉しいことだろうと、淡い期待を抱いている。

それでは3月の報告をどうぞ。

1.伐採案件現場調査@釜石地区

3/1は釜石で林業家として活動されている石塚さん経由で、釜石地区の伐採案件の現場調査に行ってきた。
この日は前日からの大雪で20センチ以上雪が積もっており、現場に行くだけでも一苦労だった。
現場は柿農家さんの畑で、その横に生えているコナラの木を切って欲しいという依頼であった。
いざ現場の木を見てみると、思った以上に畑に近い上、なかなかの大木で枝が多数分かれており、かなり難しい案件であることが見てとれた。
そのまま伐倒すれば柿の木を傷つけてしまう危険性があるため、樹上特殊伐採技術によってある程度枝を先に落とす必要がある。
長野県から来てもらっている小林清さん(通称:コバキヨさん)に見積もりしてもらった結果、5人で作業しても4〜5日かかるだろうということだった。
コバキヨさんが後で笑い話のように「吉里吉里国さんに来る依頼はいつも皆んなが断った後の難しい案件が多いよね」と言っていた。
確かにそうだと思う。
ただそれをこなすだけの技術力があれば、今後も仕事に困ることはないだろう。
困ったら吉里吉里国あるいは大邉に相談すればなんとかなるかもしれないと言ってもらえるような存在になっていけるように、これからも日々技術力の向上に努めていこうと思う。

水分を多く含んだ雪
油断すると凍ったところで足を取られる
枝が無数に分かれている
なかなかの難敵である

2.細枝袋詰め@吉里吉里国

3月は月の半分ぐらいは作業場に納入された胡桃の木を切り刻んでいた気がする。
太いものは薪用に30センチに玉切りし、10センチ前後のものはキノコのほだ木用に100センチに玉切り、細い枝類は焚き付け用に刻み袋詰めした。
かなりの量だったので時間がかかったが、地道に作業し続けてなんとか片付きつつある。
単純作業は量が多くなるとやり続けることが辛くなる。
そんな時は仕事の中に遊びの要素を入れると気分転換になって良いと思う。
今回は薪にするには使いにくい木の股の部分を使ってチェーンソーワークの練習をするついでに子供用の椅子を作ってみた。
これに限らず、楽しみながら、時には遊びの要素を取り入れながら仕事に取り組むことは、回り道をすることになるかもしれないが、新たなアイデアや結果的に効率的なアプローチが見つかるかもしれないと思った。
前職では『仕事は無理、無駄、ムラを無くすことこそ至高だ』と教わってきたが、業種が変われば必ずしもそうとは限らないのではないだろうか。
人生無駄なことをしている時こそ楽しいのである。

一日中同じ作業をし続けていると飽きてくる
飽きるという思考回路は脳が疲れてきている証拠らしい
そんな時は違うことをしてリフレッシュすることも有効な手段かも
青少年の家で炊き出しに使う細枝の薪をひたすら作り続けること150袋
鬼胡桃の丸太から切り出した椅子
買ったら意外と高いかも
胡桃の木はナメコのほだ木に適しているらしい
木の種類とキノコにも相性があるのは興味深い
今年の薪まつりまでに出てきてくれればナメコ汁をお振舞いで出せるかも?

3.3.11震災追悼イベント@おしゃっち

3/11は大槌町NPOボランティア団体協議会主催の『3.11追悼イベント』に参加させていただいた。
今年の1月にメッセージ作成会で作った台紙もおしゃっちに掲示してもらい、お越しいただいた方々にもメッセージカードを付け加えてもらった。
建物の外の広場では去年に引き続き、3.11の文字をロウソクでカタチ作り夕方の点灯に向けて準備を行なった。
夕方からはお越しくださった方々にもご協力いただき、ロウソクに火を灯していただいた。
これからもこの日を忘れず未来に希望を繋ぎ、震災を知らない世代の子供達にも大切なことを伝えていければと思う。

鮭を形取ったメッセージカードが増えるたびに鮭の群れが作る渦のように力強い流れになっていくようだ
ひとつひとつの光は小さくても集まると大きな輝きを放つ
去年も同じことを書いたような気がするが気にしないことにしよう

4.令和6年度釜石地区森林保護ボランティア委嘱交付式@釜石地区合同庁舎

3/13は昨年に引き続き、森林保護ボランティアの委嘱交付式に参加させていただいた。
森林保護ボランティアの主な活動としては、山火事の未然防止のための呼びかけや、松くい虫やナラ枯れの疑いがある木を発見した際の通報などである。
例年3月から5月ごろは乾燥と強風の影響により、一年で一番山火事の多い季節となっている。そのため、林野庁の取り決めでは令和6年度の山火事集中防止月間の期間は全国統一で3/1から7までとなっており、隊員には山火事注意という文字が記載された赤色のジャンパーとキャップ、磁石タイプのステッカーが貸与される。
特に山火事が地球環境に及ぼす影響は非常に大きく、世界的にも地球温暖化や生物多様性の撹乱に悪影響を及ぼす要因として問題視されている。
これからの時期、山菜やキノコをとったりキャンプをするには絶好の季節になってくるが、決して火の元を山に捨てたり、風の強い日に不用意に焚き火をしたりしないでほしい。
森林資源、広義では地球環境は個人の持ち物ではないことをよく理解し、共通の資産であり人類全体で守り後世に伝えていくべきものだとご理解いただきたい。

3月が山火事防止月間だが、めんどくさがりな私は年がら年中山火事注意のステッカーを車に貼って走っている

5.植林現場事前打合せ及び調査@吉里吉里地区

3/5は植林作業の事前打ち合わせのために、釜石森林組合の方と打合せを行なった。
実際作業するにあたって、どのような決まりで植え付けを行っていくのか、時期的なことから離隔距離、その他留意すべき点などを主に教えていただいた。
その後日、3/14は吉里吉里地区の植林予定地にて、釜石森林組合の方に同行していただき先日の予備知識を踏まえて現場調査を行なった。
現場調査では敷地境界を確認し、目印となる木杭を地面にさしていく。
次回植林作業に来る時もこの境界線がわかっていれば、どこまで苗を植えれば良いかがよくわかるのでこの準備作業は欠かせない。
今回の植林作業では、2000本/haの杉苗を正方形植えで植える予定となっており、その場合2.2m間隔で等高線に沿って植えていくことになる。
ヘクタールあたり何本の木を植えるかは、その土地の特性や植え方、目標林形の計画のしかたにより増減する。
とは言え知識的なことはわかっていても、実際に作業的なことを経験しているわけではないので、今回は今後の活動のためにも吉里吉里国で植林作業を受けることとなった。
植林という工程は正直なところすぐに成果の出るものではない。
それでもこの作業をするというのは、林業という業種が長期的なスパンで計画をして、後世のためにこの地球という環境を引き継ぐ意味も含んだ夢のある仕事だからである。
自分の利益だけではなく、生きている内に自分のいなくなった後の世界にも関わることができるというのは、実にロマンのある仕事ではないかと思っている。

100年後この場所がどんな森林になっているのか想像しながら仕事ができるのはとても誇り高い
預かった苗を乾燥やシカの食害から守るために藁を被せて保管する

6. 個人的活動『生き物図鑑』

最後は毎月お馴染み、生き物たちの紹介をして今月の報告を終えようと思う。
今回紹介する生き物たちはどれも可愛らしいものばかりなのでご安心を。
それでは、また来月の報告をお楽しみに。
good bye🤚

ダイサギ レア度C
ダイサギはペリカン目サギ科に分類される鳥類。体長は 90cm ほどで、日本ではアオサギと並ぶ最大級のサギ。全身の羽毛が白色。白鷺の一種。水田や川、湖沼などで、魚、両生類、爬虫類、昆虫、更には哺乳類や鳥類までも捕食する。首をS字型に縮めて立っている姿がよく観察される。
ハシボソガラス レア度E
ハシボソガラスは、鳥綱スズメ目カラス科カラス属に分類される鳥類。日本では、ほぼ全域の平地から低山に分布する。全長50cmほどで、全身が光沢のある黒色をしており、雌雄同色。外から見える羽は黒いが、皮膚に近いところの短い羽毛はダウンジャケットのように白く柔らかな羽毛で、寒さに非常に強く冬も平気で水浴びをする。知能は高く、信号停車中の車のタイヤの前にクルミや貝などを置いて割るのも本種である。
フキ レア度E
フキは、キク科フキ属の多年草、雌雄異株。早春の花茎をフキノトウ(蕗の薹)という。山野に生える春の山菜としてよく知られ、地下茎から多くの葉柄を立てて、一部が切れた円い大型の葉をつける。東北地方の方言では「ばっけ」や「ばんけ」などと呼ばれている。地下茎が地表に剥き出しになると光合成のため緑色に変色する。このため、ワサビと間違われて誤食される例があるが、地下茎は有毒のため注意が必要である。
ウメ レア度E
ウメは、バラ科サクラ属の中国中部原産の落葉高木、またはその果実のこと。果実を利用する品種は「実梅」として扱われ、未熟なもの(アオウメ)は有毒であるものの、梅干などに加工して食用とされる。枝や樹皮は染色にも使われる。中国では紀元前から酸味料として用いられており、塩とともに最古の調味料だとされている。日本語でも使われるよい味加減や調整を意味する単語「塩梅(あんばい)」とは、元々はウメと塩による味付けがうまくいったことを示した言葉である。

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