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いちプレイヤーから家業の20人チームの責任者に飛び級した人間のマネジメント観

家業で組織マネジメントを担って4年くらいたつのですが、マネジメントに関する自己振り返りをしたことがなかったので、初心を忘れないようにnoteにしておきます。

前職のいちプレイヤーからある日を境に家業の部門長へ飛び級した私なりのマネジメント観をリアルな心情を交えてお伝えできればと思います。

マネジメントこわいわ!

私は28歳で家業に入社し、29歳でマーケティング本部長に着任しました。それ以前はコーセーで3年半ほど化粧品マーケのプレイヤーでしたが、ある日を境に20人程度の組織の部門長になるという恐らく稀有な経験をしました。

私の部門の担当領域は今では結構広くて、ざっくりブランド戦略、商品企画、パッケージ開発、クリエイティブ制作、オウンドメディア運用、PRって感じでしょうか。

4年前に本部長に着任した初日。チームメンバーの前で抱負を話しましたが、その時得た感情は漠然とした恐怖でした。

メンバーが真顔で私の顔をじっと見て話を聞いてメモを取っているではありませんか。たまに交える小ネタもほぼ反応なし。
※そもそもおもしろくない可能性は横に置いておき、、、
”オーナー家の息子ってのはどんなもんなんだ”っていうメンバーの少し挑戦的な感情もあったのかもしれません。

もちろん前職でも偉い方々もいる大勢の前でのプレゼンテーションの機会はたくさんありました。プレゼンテーションは得意では無いが苦手でも無いと自己理解しています。ただ前職のそれとは異なる雰囲気がありました。

今思うと”その時分かっとけよ!”って感じですが、後日その直感的に感じた恐怖の理由を理解しました。プレイヤーとしていちブランドの方向性を示す人から、部門の責任者として会社の方向性を示す人に変わったことで言葉一つ一つの重みに大きな変化が生じたのです。

自分だったらどんな組織で働きたいか?

組織として成果を上げるために、マネジメントは会社の方向性を示すだけではなく、その方向性にメンバーに腹落ちしてもらうことが重要です。そのためには"中野が言うならばやってやろう"と思われるくらいのメンバーと私の信頼関係、そして組織土壌を作らなければならないと思いました。

まず手始めに自分だったらどんな組織、どんなマネジメントのもとで仕事をしたいかなーって考えました。

①是非は別にして、自分のことを認めて意見を尊重してくれる
②組織のリーダーが常に知識をアップデートし行動している

(前職の上司が私のマネジメント観を形成していておもしろい笑)

次にメンバー全員と1on1を行い、メンバーの理解に努めると同時に当時の組織の現状を分析してみました。ぼやっと見えてきたのは、組織が統制型でメンバーが自分の意見を自由に言えないような空気感。メンバーのマネジメントへの信頼感も希薄だったようにも思えました。当時はそんな言葉知りませんでしたが、いわゆる組織の心理的安全性が低かったということでしょうか。

もちろんいい面もたくさんありました!特に仕事への責任感。研究部門も含めて商品づくりへの妥協の無さ、徹底して美容師様の声を聞く姿勢には非常に感服しました!

オープン型の組織を目指して

マネジメントとメンバーの信頼を構築しないと、組織として成長することはできない、、、
その危機感からチームづくりに関わる本をひたすら読み漁りました。そんな時に出会ってピタッときたのがこちらの本。

企業活動に正解がない今の時代には各メンバーそれぞれの個性や価値観を武器にしなければ乗り越えられない。マネジメントが持つ画一的な価値観だけでは視野が狭く取り残される。

チームメンバーがお客さまのために考えていることを自由に声をあげれるようなオープン型の組織に変わる必要がありました。

まずは組織をオープン型にしたいという私の想いとその理由を全員に伝えました。そして実現のためには今の組織に何が不足しているかを議論するワークショップをマネジメント側とメンバー側に分かれて実施し、その内容をお互いに共有しました。出てきた意見はこんな感じでした。

マネジメント側:
・メンバーの意見の傾聴ができてない(マネジメントのプレイイングウェイトが高く時間がとれない)
・メンバーにマネジメントの判断基準を開示できていないからメンバーがお伺いを立てざるを得ない(能動的に動くだけの情報量を与えていない)
・メンバーができない前提で接してしまうから、メンバーに最後まで任せきれていない
メンバー側:
・最後はマネジメントが巻き取ってくれるからと一歩引いていた
・マネジメントの期待値を抽象的にしかとらえていなかった
・新たなことの学びへの意識が希薄だった

やはりマネジメントとメンバーの間に崖が存在しているようでした。
(改めてまとめてみると組織改革の本に出てくるダメな例ばかりですね、、、笑)

その後ワークショップから出てきた声を基に、組織として大切にすべきことを言語化しました。

①他人の価値観を認め、意見を否定しない
②マネジメントとメンバーは成果を出す過程での役割が異なるだけで偉さという概念は存在しない(上司部下という言葉は廃止)
③社内外問わずメンバーを前に出して経験させる(マネジメントは裏でサポート)
④新たな知識と体験への貪欲さをもつ

辛い現実を目の前にした一方で、現状と本音、そして組織として大切にすべきことをチーム全体で共有できたという点で非常に有意義なワークショップでした。

その後は上記の4つを体現すべく、組織のシステムに様々な変化をもたらしました。
・役員決裁も含む全ての会議のプレゼンターを原則マネジメントからメンバーに変更
・新たな知識・体験をシェアできる機会を創出
・全員での勉強会やディスカッションをする機会を創出
etc…

4年間の成果

大きく組織は変わったと感じています。若手を中心としたメンバーからの”こうしたいです”という提案が明らかに増えました。また施策ベースでも新たな取り組みは増えてきていますし、マーケティングという観点で大きく視野が広がっています。

人は人だし変えるなんて無理だよなーと、実は半信半疑で始めた変革でした。しかし働きかけと対話次第で人は変わるということを学べた4年間だったように思います。

変わったとはいえ、私も含めまだまだ未熟な組織なので、これからもより一層チームビルディングにいそしみます!
チームビルディングについて壁打ちしていただける方も絶賛募集中です!笑

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