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アスリートは結果で"語るな"

最近、アスリートの「言語化能力」に注目しています。
一般的にアスリートの言語化能力は高くないというのが世間の認識です。

しかし、言語化能力は、競技パフォーマンスの向上はもちろん、ファンやサポーターに競技の魅力を伝えていくことや、引退後に自身の価値を発信していく際にも欠かせません。

では、アスリートはなぜ「言語化能力」が低い(と言われてしまう)のでしょうか。
その大きな理由の一つは「結果」という言語に頼り過ぎているからだと私は思います。

結果で語ることの弊害

スポーツでは「結果」が何よりも重視されます。
そして、「結果」は自身の実力・価値・経験・才能を証明するものとして、頻繁に用いられます。

この結果という言語は非常に便利で
「100mを10秒台で走れる」と言われれば
陸上競技を少しでもかじった人なら
「わーすごい!」
と言ってくれるし
他のスポーツをしている人でも
「うおっはええ」
と言ってくれるでしょう。

また、レベルの高いアスリートはスポーツ推薦で大学まで受験を経験せず進学することも少なくなく
多くのスポーツ推薦が「スポーツの結果」を判断基準とし、パーソナリティーや学力などは軽視される傾向にあります。

このように、「結果」という言語はスポーツにおいては最も重要視される言語です。
ともすれば「結果で語れ」と言われ、結果を出してない人の言葉は軽んじられるケースが多くあります。

結果はそれ自体がスポーツにおいて万能な言語であるのと同時に、結果を出した人の言葉の効果を強めるという側面もあり、二重の意味で結果を残したアスリートの発言に説得力を持たせます。

但し、それはスポーツのなかだけ。

一度、「スポーツ村」の外に出ると「結果」というスポーツ村の万能言語は瞬く間に効果を失います。

100mを10秒台で走れます!
全国大会出場しました!
○○選抜に選ばれていました!

いままでは、このような結果を言うだけでスポーツ村の住人である周囲の人たちに自身の努力・経験・能力・才能を伝えることができました。
でも、スポーツ村の外の人は、「結果」を伝えるだけでは、何もわかってくれません。

全身全霊を捧げ、やっとの思いで出した「結果」が色褪せたわけではありません。
しかし、スポーツ村の外の人にその素晴らしい努力・経験・能力・才能を伝えるには「言語」を変える必要がありそうです。

アスリートの言語化能力を高めるため3つの提言

私は、アスリートがスポーツ村の外の言語を身につけるために3つの提言をします。

①アスリートは「結果」という便利なスポーツ村の言語に頼るのをやめる
→スポーツ村では「結果」を語るだけで評価してもらえたり、特権が与えられるケースもありますが、村の外では勝手が違います。
結果という便利な言葉を使わず自分の努力・経験・能力・才能等をどのように伝えるべきか。
日頃からこの課題に向き合う必要がありそうです。
②アスリートは現役時代からスポーツ村の外の人たちに対して発信をする
→①の課題に向き合う方法は単純明快。
スポーツ村の外の人に話しかけることです。
スポーツ村で通じていた言葉がいかに通じないか。
日本語が海外では通じないことも、日本を出なければわかりません。
③結果だけを重視しすぎる評価体制をスポーツ村が改める
→アスリートが「結果」を自己紹介代わりに使い続けるのも無理はありません。スポーツ村が「結果」を万能言語認定しているからです。
スポーツ推薦やスカウトは結果だけではなく、アスリートのパーソナリティーや結果を出すまでの過程にもっと注目すべきです。

ここまで偉そうに話してきましたが、かくいう私も、学生時代はもちろん、就職してから現在に至るまでスポーツ村の住人です。
「結果」を誇りに思う気持ちは痛いほどわかります。

一方で、その「結果」に至るまでの過程や、アスリートのパーソナリティーが上手く世間に伝わっていない現状をもどかしく思っています。

この記事を読んだアスリートの方は、一度でも良いので「結果」を手放して自分を表現してみてください。
これまで「結果」にくるまれて見えてなかった「あなた自身」が見えてくるはずです。

おわり


★最後に広告
「読書」は
言語化能力に欠かせない知識・語彙力を養うことが出来るのはもちろん、
学んだ知識をアウトプットすることで言語化の練習をすることができます!

Sports Man Bookclub は

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「読書」で「スポーツ」に活かせる知識を得る
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