お独り読書会vol4「戦略的交渉入門」
こんにちは!SportsmanBookClubの坂野です。
SportsmanBookClubは「アスリート」と「社会」を「本」で繋ぐをテーマにした読書会です。
アスリートや社会人、学生なんかがごちゃ混ぜになって読書会をやって、色んな価値観が交わる場になれば良いと思っています。
今回もコロナウイルスの影響で中止とさせていただきましたが、ZoomとかLINEとかのオンラインで読書会が出来るのではないかということに気付いてまったので、その可能性も模索していこうと思います。
さて、早くも4回目となったお独り読書会です。
今回、僕が読んだ本は「戦略的交渉入門」です。Kindleでセールになってて安かったので買いました。
これがとんでもない拾いもんで、スポーツからビジネスまで様々なことに役立つ本でした。
今回も、本の内容について上手くスポーツと絡めて紹介していきたいと思います!はじまりはしまり〜
交渉とは
「交渉学では、交渉を「対話」として捉えています。
対話は、お互いの立場の違い、価値観や文化の相違、そして利害の違いを前提にした上で、何らかの解決策を作り出す議論の技法です。」(本著より引用)
最初から相手に迎合したり、説き伏せたりすることは対話ではありません。
交渉の定義を明確にしてみると、スポーツの中でも「交渉力」が求められる場面が多いことがわかります。
・ポジションを獲得するための、監督やコーチへの交渉
・ゲームを有利に進めるための審判への交渉
・年俸を上げるためのチームへの交渉
ビジネスにおける交渉は「対話」がメインですが、スポーツにおける交渉は対話に加え「プレーで表現する」という選択肢があります。
「戦略的交渉入門」には本のタイトル通り、交渉学の基礎知識が詰まっています。
・交渉の準備の仕方
・交渉のテクニック
・交渉の際に留意すべき点
など、そのどれもがスポーツでも応用できるものだと感じました。
今日は、その中からアスリートが気をつけなくてはいけない「パワープレー」という概念を紹介します。
アスリートは要注意!!
パワープレーとは
パワープレーを端的にいうと
「常に交渉に関する人間関係を上下関係で捉えようとする発想」(本著より引用)
のことです。
常に相手との上下関係を見定めていて、
自分が強い立場にある時は強硬な姿勢
自分が弱い立場にある時は低姿勢もしくは従属する姿勢を取ります。
パワープレーを交渉戦術として用いる人もいれば、その人元来の気質として備わっている人もいると思います。
パワープレーの源泉は4つあると言われていて
①社会的役割
②所有物
③専門知識・技術
④個人的魅力(カリスマ)
と言われています。
僕はこのパワープレー4つの源泉を見たときに「スポーツってパワプレーの温床やんけ!!」と思いました。
スポーツ強豪校の部活の監督を例にすると
①社会的地位
→監督というチームを率いる立場/教師
③専門知識・技術
→競技に関する専門知識が豊富
④個人的魅力(カリスマ)
→なんか妙にカリスマ性ある人多いよね
このような条件を満たしている監督が選手に対してパワープレーをしてしまうのも無理がない、、とさえ思えてきました。
パワープレーの問題点
しかし、パワープレーは百害あって一利なし。その問題点を見ていきましょう。
問題点①選択肢が少なくなる
パワープレー型の交渉に、お互いの利益を最大化するという選択の余地はありません。
パワープレー型の交渉者の要求に乗るか、反るか。この2択になってしまいます。
特に上下関係の厳しい部活などにおいては、要求に従うという選択肢しかないでしょう。
問題点②紛争を悪化させる
パワープレーの交渉者は上記の通り、相手に譲歩を迫るという手法しか持ちません。
新しいアイデアの採用や、自分が譲歩するという選択肢を持たなければ、複雑な交渉の際に紛争が起きることは必至です。
問題点③心理的対立が持続する
パワープレーで交渉に「勝利」しても交渉相手の心情を悪くすることは避けられません。
これは僕がある強豪校の合宿に参加した際の実体験なのですが、めちゃくちゃ怖い監督が目を離した一瞬の隙に、選手が監督の悪口をものすごい言っていて、どれだけ上から押さえつけても不満は溜まっていくのだなと感じたことを覚えています。
パワープレーへの対応策
では、そんなパワープレーに対して、僕たちはどんな対応をすれば良いのでしょう。
本著には下記の3つの対応策が書いてあります。
①パワープレーには譲歩しない
②パワープレーヤーの話をしっかりと聞く
③パワープレーヤーに考えさせる質問をする
まず、パワープレーに屈しない態度を取り、話をプレーヤーから引き出す。
そして、プレーヤーの内省を促すような質問をする。
この対応は読んでいてもかなり難易度が高いなと感じました。
特に高校生や中学生が教師に向かってこれが出来たら末恐ろしいです。
なので、上記の対応が出来なくても良いので
「指導者や教師など立場的に上の人間からの要求が論理的か。上下関係に依存した要求ではないか。」という点に気をつけて話を聞くだけでも「先生の指導は絶対だ!何でも言う通りにしないといけない!」という思考から脱することが出来て良いのかなと思います。
また、何よりも気をつけなければいけないのは、僕たち自身がスポーツを指導する時にパワープレーをしないよう気をつけることだと感じました。
まとめ
本著にはパワープレー以外にも様々な交渉に関する基礎知識が書かれています。
その知識を交渉で発揮するのはすぐには難しいと思いますが、知識が頭の中に入っているだけでもだいぶ違うと思います。
ぜひ、本著を読んでみてスポーツにおいて交渉をする時に活用してみてください!
それではまた来週〜!!
ps
Zoom飲み会って結構楽しいですね。終わったらすぐ寝れるのが最高。
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