色彩と温度のあれこれ
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
以前、「暖かさと冷たさ」という記事を書きました。
この時は、暖色と寒色が持つ効果を中心に書いたのですが、
無彩色での温度の感じ方や、色の状態での変化については書いていなかったので、そこを深堀りしてみる内容です。
白と黒は温度を持たない
明度だけの白、黒、グレーには、温度を感じる要素はありません。
ですが、周囲の有彩色に影響されて、温度を持っているようなイメージになることはあります。
例えば、黒に周囲に赤があれば
「炭火」のような熱を感じます。
白の周りに青っぽい色が混ざれば、
摂氏零度の世界を思わせる印象になります。
もちろん逆もしかりで、
黒+寒色は冷えた鉄のようなイメージに、
白+暖色は太陽光・陽光のような暖かな陽射しを感じさせます。
明度や彩度でも変わる温度感
面白いもので、明度や彩度によっても、
感じる温度感は変わってきます。
明度が高い明るい色や、彩度が落ちた鈍い色は、
マイルドな印象になる傾向があります。
逆に高彩度で中・高明度のb、s、vトーンは、熱さも寒さも強烈な印象に。
温度のある錯覚
前の記事でも書きましたが、
実際に温度があるかどうかに関わらず、
暖色のものは熱い・温かい感覚を、
寒色のものは冷たい・寒い感覚を抱きます。
例えば、たき火の映像って、
実際には温かくないですが、温かい感覚になりますよね。
もしストーブに、真っ赤な火の映像が投影されていたら。
実際には熱くないけど、触るのは躊躇してしまいます。
これがモノクロの炎の映像だったとしたら。
おそらく平気で手をかざせるんじゃないでしょうか。
(実際に触れたらめちゃくちゃ熱いとしても)
色と温度の関係は、錯覚を起こすほど強烈なものでありながら、
ちょっとした変化で、強弱の振れ幅がすごく変わります。
色彩に惑わされず、五感を使って、確かめてくださいね。
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