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染料インクと顔料インク

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は顔料インクと染料インクのお話。

染料?顔料?

美術をやってると自然と出てくる単語なのですが、
普通は「染料、顔料ってなんやねん!」となると思います。

◆染料インクとは

日頃ご紹介しているカラーインクは、大半がこの染料インク。
液体そのものが、その色になっているイメージですね。
鮮やかで美しい発色が得られるので、色彩好きが惹かれるのは染料インクであることが多いと思います。
混色も容易(ただし成分が変質する可能性はありますが)で、絵などにも使い易いですね。
安価で、色数が多いのもポイントです。

デメリットは、
染料なので水で滲みやすく、紙によっては裏抜けしやすい点。
乾いた後も、水を加えれば結構滲みます。
乾くのにも時間がかかるので、矢継ぎ早に色を重ねると、思わぬ混ざり方をしてしまうことも。
あとは服に着いちゃうと繊維に染みつくので、取れなくなっちゃう点。
たくさんインクを使う時は汚れてもいい服で臨むのをおすすめします。

インクコーナー、充実してきました!

◆顔料インクとは

ざっくり言うと「色の成分が水に溶け切らず、漂ってる状態」のインクです。
目には見えませんが粒状なので、紙の表面に定着し、ハッキリとした線を書けます。紙に染み込まないので、裏抜けしにくいのも特徴。
耐光性に優れ、水で滲みにくいので、文章の長期保存に適したインクです。
文字を書くことが多い方は、こちらがおすすめ。
乾くのが早いのも良いですね。

ただ、染料に比べると鮮やかな発色は得られにくい面も。
あとは粒子が残っているので詰まりやすいのもちょっと厄介ですね。

そのため、筆記用の顔料インクは黒や紺が大半を占めます。
色で遊ぶタイプのインクは、SAILORさんのSTORiAシリーズくらいかも。
STORiA Mixというラインは、顔料インクなのに混色もできて楽しいです。

正しくインク沼に溺れるために

表現があれですが、用途によって使うインクを変えると、たくさんの表現が楽しめます。
道具をダメにしないように、書いた(描いた)ものが失われないように、個性を見極めて使ってくださいね。
使い方が分かると愛着が湧いて、さらなる深みにハマるきっかけになると思います。楽しいですよ、インク沼。

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