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色彩と音楽は似ている

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は、色彩と音楽って似てるなと思う話について。
以前「言葉を色に」というタイトルで、色と言葉について書きましたが、その音楽バージョンみたいなお話です。

論理的な部分が近い

「色彩と音楽」というと、聴いている音楽に合わせて色や風景がふわっと広がっていく。
そんな展開のお話になりやすいですが、そうではなくて。
どちらかというと論理的な部分が近いなって感じています。

似てる点をまとめてみる

1. 論理的かつ数学的

色彩も音楽も、ジャンルとしては「芸術」の中にいるので、
感覚的な分野だと思われがちですが、案外と数学的な部分が結構あります。
(もちろん、感覚的な面も大いに影響するのは間違いないです)

例えば、色も音もいろんな数値が絡み合ってできてますよね。

色なら

  • 色相、明度、彩度

  • RGBやCMYKの値、16進数のカラーコード(C 100 / M 50 / Y0 / K 10とか、#ffcc33とか)

など、すべて数字で扱われますよね。

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Photoshopのカラーピッカー。右側に、選択した色を表す数値がずらっと並んでますね。

音楽も

  • 拍子(4/4とか6/8とか)

  • テンポ(bpm 120とか)

  • 音の強弱(mpやffなど、MIDIならベロシティ値)

  • 音の高低

など、その曲を表現・再現するのに必要な要素が、数値で楽譜に刻まれています。


2. 進行・展開にルールがある

「色彩における配色」と「音楽におけるコード進行」は、ある一定のルールがあります。

具体的に語ると難しくなるので、簡潔に言うと

・・・

ある色や音をメインにした時に、
そこから「気持ちよく」展開できる色や音は絞られる

・・・

ということ。

色も音も、移り変わる時に何かしらのステップというか、とっかかりがないと、キレイに展開できません。
そこを無視すると、違和感のある配色や不協和音が生まれます。


3. 隠し味が感覚的

ルールに則ってできた配色や曲は、目や耳になじみますが、
忠実に守り過ぎるとパターンが分かって飽きてしまいます。
繋げるために使えるものが限られている分、先が予測できてしまうんですよね。

なので、ちょっとだけ味の違うものを入れて、新鮮さや意外性を出します。
アクセントですね。
柔らかい印象の配色に、強い色を加えたり。
ちょっと特殊なコードを入れて、おしゃれにしてみたり。
経験や感覚で分かる何かしらのもの。

そういう隠し味は非常に感覚的だなと思います。


置換するなら

もし色と音を相互に置換するとしたならば、

◆明度 = 音の高低や強弱

色の明るさと、音の高低や強弱は対比できそう。
明るい色は音が高く、暗い色は低い音な印象。

◆彩度 = #や♭などの変化やテンポ

彩度は音のタイプやテンポでしょうか。
低彩度は♭、中彩度はナチュラル、高彩度は#。
鈍い色はゆるやかなスピード、鮮やかな色はハイテンポな感じ。

◆色相 = 音階

これは正直、人によって「どう対応するか」が変わる領域ですね。
つまり「ドの音が何色か」は、人によって異なるということです。
ただ面白いのが、ピアノでいう白鍵が7音、黒鍵が5音の12音が、以前紹介したPCCSの12色相と対応できそうというところ。

こういう風に捉えれば、相互に入れ替えしていけるのではないかなと思います。
色彩を音楽化すること、音楽を色彩化すること。
そこに重要性はないかもしれませんが、自分なりの関連付けが出来れば、知覚している世界が変わってくるんじゃないかなとも思います。


ちなみに

音から受ける色の感覚、という話をすると。
自分はE(ミ)の音が好きです。
特にE♭。
曲を作る時やさらっと適当に弾く時は、自然とこの音を使ってしまいます。
フォッグブルーのような、霧がうっすらかかった優しい寒色のイメージ。

あとはA(ラ)もいいですね。
久しぶりに曲作りたい。時間ないけど……。


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