見出し画像

似た者同士で揃えたら、配色はまとまる!

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日はすぐに使える配色技法をピックアップ。

何かを揃えると簡単に整う

色は面白いもので、あれだけ数があり扱いが難しく感じるのに、
ちょっと共通するポイントを持たせるだけで、
一気にまとまり整います。

分かりやすく食べ物で例えると、
「野菜」「肉」というジャンルを与えたり、
「赤い食べ物」「緑の食べ物」と色別にしたり、
とグループを作ってあげるイメージ。

そうした共通項を持たせた配色技法は、
すでに確立されていますので、見ていきましょう!
(ちなみに色彩検定を勉強していれば必ず出てきます)

・・・

ドミナント・カラー配色

「赤同士」「黄同士」のような、1つの色相で統一する配色

これは、同じ色相を自由なトーンで組み合わせる配色。
色相を同一(~近いもの)でまとめて、明度差は少なめにして使います。
色相ごとの色彩心理も出せるので、気分によって使い分けもできます。

トーン・オン・トーン配色

「青と水色」など、1つの色相を濃淡で合わせる配色

ドミナント・カラーに似た配色で、
こちら逆に明度差を大きく付けた2~3色での「濃淡配色」です。
同じ色の「濃い色と薄い色」を選ぶだけなので、簡単です。
振り切るとキレイな配色に。

・・・

ドミナント・トーン配色

「ソフト」や「ディープ」など、トーンを統一した配色

こちらは、色相ではなくトーンを統一する配色。
同じトーンの中で、好きに色相を選んでいけます。
トーンの持つイメージをそのまま出せるので、
「やさしい」「強い」などの印象を簡単に作れます。

トーン・イン・トーン配色

トーンも色相も近い配色

一応、元々の定義は上記した通り「色相もトーンも近い配色」。
でも最近は広義に捉えて使うことが多く、
以下2つの理由から、この子が一番厄介に感じます…。
1. ドミナント・トーン配色との違いが明確じゃない!
2. トーン・オン・トーンと響きが似てて、間違いやすい!
「オンは色相」と覚えておくと間違いにくいですね。

・・・

トーナルカラー配色

穏やかで落ち着いた配色

ドミナント・トーン系の一種で、
中彩度・中明度のトーンでまとめた「穏やか、落ち着いた」イメージの配色。オータムカラーや、先日の「くすみ色」などで合わせると簡単に作れます。

・・・

カマイユ配色 / フォ・カマイユ配色

淡い似た色同士のぼんやり配色

カマイユ配色は、色相もトーンも、ものすごく近い配色。
遠くから見たら見分けがつかないくらい、似た色を使います。
あと濃い色はご法度!
淡くぼんやりとした感じが持ち味です。

フォ・カマイユ配色も同じ考えですが、少し差を持たせた配色にします。
フォは「偽の」という意味で、「カマイユ"っぽい"配色」ということになります。
淡い色には変わりありませんが、見分けは付きやすいのが特徴。

共通点を見つけて、繋げる

共通の話題があれば、あまり知らない人でも会話が盛り上がるように、
共通の何かがあれば、色は団結してまとまってくれます。

大事なのは、その共通を形作る「キーワード」。
・明るく振舞いたい
・優しい感じになりたい
・ちょっと派手めに強い印象で
という、「どうしたいか・どうなりたいか」を言葉に起こすと、それに合う色を、色相やトーンが答えてくれます。

「明るく振舞いたい」なら、
(色相)赤やオレンジ・黄色 / (トーン)ブライトトーン

「優しい感じになりたい」なら、
(色相)緑やターコイズ、ピンク / (トーン)ライト・ソフトトーン

「ちょっと派手めに強い印象」なら、
(色相)赤や紫 / (トーン)ビビッド・ストロングトーン
と言った具合に。

色相かトーンか、あるいはその両方かを揃えてあげれば、
あとはその中にある色を選んでいくだけです。
それに白・黒・グレーを足せばもう完成。

「めちゃくちゃ簡単!」とまではいきませんが、
色を選ぶ抵抗が、少し減ったように感じてもらえたら嬉しいです。

色相のイメージや、トーンの事は、
以前まとめて書いているので、あわせて読んでもらえるとお役に立てるかと。
ちょっとずつ「色を選ぶ楽しみ」を感じていただけると幸せです。
それでは「色彩の沼」の向こうでお待ちしております。


実体験&勉強から得た色彩のお話を発信しています。 よろしければサポートいただけると嬉しいです。 心躍る色彩のご紹介に繋がる様々なアイテムの準備に活用させていただきます。