見出し画像

トーンのお話

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日はトーンのお話。

色の話をする上で、トーンは切っても切り離せない要素です。
…ただ分量が多いためまとめにくく、書く機会を先延ばしにしちゃっていたのですが、書いてしまおうと思います。

トーンとは?

ざっくり言うと「明度」と「彩度」を掛け合わせたグループのことです。
全部で12種類あって、それぞれにキャラクター性があります。

これに残りの「色相」を組わせて、色を作ります。
色相とトーンを混ぜ合わせることで、様々なイメージを簡単に作り出すことができます。

12種類のトーン

トーンは
「低彩度・中彩度・高彩度」の3つのグループで、それぞれ4つずつあります。

低彩度のグループ

低彩度のグループには、以下の4つがあります。
明度が高い順に

  • ペールトーン(p)

  • ライトグレイッシュトーン(ltg)

  • グレイッシュトーン(g)

  • ダークグレイッシュトーン(dkg)

と呼びます。
色みがかなり薄く、グレースケールに少し色がついてるイメージです。

中彩度のグループ

中彩度のグループは、以下の4つ。
明度が高い順に

  • ライトトーン(lt)

  • ソフトトーン(sf)

  • ダルトーン(d)

  • ダークトーン(dk)

と呼びます。
色みが出てきましたが、まだ鈍い印象です。

高彩度のグループ

高彩度のグループは、以下の4つ。
これはちょっと特殊で、明度別の3つのトーンと、いわゆる「純色・原色」のビビッドトーン(v)で構成されています。
ビビッドトーン以外は、明度が高い順に

  • ブライトトーン(b)

  • ストロングトーン(s)

  • ディープトーン(dp)

となっています。
色相のキャラクターが強く出る色合いです。


それぞれの特徴

続いて、それぞれのイメージを見ていきます。

・・・

ペールトーン

ペールトーンは、高明度×低彩度のトーン。
pale(薄い / 青白い)の頭文字をとって「p」と省略されます。

ペールトーンのイメージは、
薄い、軽い、あっさりした、弱い、女性的、可愛い、若々しい、優しい

・・・

ライトグレイッシュトーン

ライトグレイッシュトーンは、やや高明度~中明度×低彩度のトーン。
light greyish(明るい灰みの)から「ltg(lt-g)」と省略されます。

ライトグレイッシュトーンのイメージは、
明るい灰味の、落ち着いた、渋い、おとなしい

・・・

グレイッシュトーン

グレイッシュトーンは、中明度~やや低明度×低彩度のトーン。
greyish(灰みの)の頭文字を取って「g」と省略されます。

グレイッシュトーンのイメージは、
濁った、地味な

・・・

ダークグレイッシュトーン

ダークグレイッシュトーンは、低明度×低彩度のトーン。
dark greyish(暗い灰みの)から「dkg(dk-g)」と省略されます。

ダークグレイッシュトーンのイメージは、
暗い灰味の、陰気な、重い、固い、男性的

・・・

ライトトーン

ライトトーンは、高明度×中彩度のトーン。
light(浅い)から「lt」と省略されます。

ライトトーンのイメージは、
浅い、澄んだ、子どもっぽい、爽やかな、楽しい

・・・

ソフトトーン

ソフトトーンは、やや高明度~中明度×中彩度のトーン。
soft(柔らかい)から「sf」と省略されます。

ソフトトーンのイメージは、
柔らかな、穏やかな、ぼんやりとした

・・・

ダルトーン

ダルトーンは、中明度~やや低明度×中彩度のトーン。
dull(鈍い)の頭文字を取って「d」と省略されます。

ダルトーンのイメージは、
鈍い、くすんだ、中間的

・・・

ダークトーン

ダークトーンは、低明度×中彩度のトーン。
dark(暗い)から「dk」と省略されます。

ダルトーンのイメージは、
鈍い、くすんだ、中間的

・・・

ブライトトーン

ブライドトーンは、高明度×高彩度のトーン。
bright(明るい)の頭文字を取って「b」と省略されます。

ブライドトーンのイメージは、
明るい、健康的な、陽気な、華やかな

・・・

ストロングトーン

ストロングトーンは、中明度×高彩度のトーン。
strong(強い)の頭文字を取って「s」と省略されます。

ストロングトーンのイメージは、
強い、くどい、動的な、情熱的な

・・・

ディープトーン

ディープトーンは、低明度×高彩度のトーン。
deep(深い、濃い)から「dp」と省略されます。

ディープトーンのイメージは、
深い、濃い、充実した、伝統的な、和風の

・・・

ビビッドトーン

ビビッドトーンは、純色・原色といわれるトーンで、ほぼ中明度×高彩度のトーン。
vivid(さえた)の文字から「v」と省略されます。

ディープトーンのイメージは、
さえた、鮮やかな、派手な、目立つ、いきいきとした
などがありますが、色相の特徴がかなり濃く現れます。)

という感じの特徴があります。

ざっくり簡単な使い方

トーンのイメージを用いれば、ざっくりですが簡単にカラーイメージをまとめられます。
「和風っぽい」感じにしたければ「ディープトーン」を中心に。
「女性的な」感じにしたければ「ペールやライト、ソフトトーン」を中心にすれば、イメージを作りやすくなるというわけです。

色彩学的には、
「明清色(p、lt、bの白×純色のトーン)」
「暗清色(dkg、dk、dの黒×純色のトーン)」
「中間色(ltg、g、sf、d、sのグレー×純色のトーン)」
というのもありますが、必要なら覚えてもらえれば…くらいの感じです。

文字ばかりになってしまって、ちょっと退屈なお話でしたが、
トーンを覚えておくと、作りたいイメージが表現しやすくなるので、
各トーンのイメージを知って活用してもらえたら嬉しいです。

実体験&勉強から得た色彩のお話を発信しています。 よろしければサポートいただけると嬉しいです。 心躍る色彩のご紹介に繋がる様々なアイテムの準備に活用させていただきます。