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外出禁止令のある生活ーカリフォルニア州の事例

今回は新型コロナの感染拡大を受けた外出禁止令の一例として、現在僕が住んでいるカリフォルニア州のサンフランシスコ周辺(ベイエリア)で出されている外出禁止令の具体的な内容をご紹介したいと思います。

Q. 外出はできるの?

A. はい、「生活に必要最低限」の外出はできます。ただし、あくまで「生活に必要最低限」の範囲に限られます。例えば、食料品や生活必需品の買い物などがこれに当たります。このため、「生活に必要最低限」のサービスを提供しているお店(スーパーや薬局など)以外は原則閉まっています。また、「生活に必要最低限」のサービスを提供するお店であっても、営業範囲を最低限とすることが求められています。このため、スーパーに行くと、入店するための長い列ができています(先日、平日の昼間にコストコに行った際は4時間かかりました…)。これは、スーパーの中で買い物客が2メートル以内の距離に近づかざるを得ない状況を極力減らそうとしているもので、結果としてスーパーの店舗内はかなり空いていて、比較的安心して買い物ができます。ちなみに、列に並んでいる時も前後の人と2メートル以上の距離を空けるよう、スタッフがチェックしている店がほとんどです。

Q. ずっと家にいると運動不足になります。身体を動かすために外出してもいいですか?

A. はい、短時間の運動を目的とした外出は許可されています。ですが、公園の遊具で遊ぶことや、身体接触をと伴う集団競技などは禁止です。なので、公園の遊具やスポーツ施設などはテープや立て札などで閉鎖されています。また、外出した際は、いかなる場合においても他人と2メートル以上の距離を保つこと、極力頻繁に20秒以上かけて手を洗うこと、握手などの身体的接触を避けること、などが求められています。

Q. 外出先で偶然友人に会いました。話をしてもいい?

A. 相手と2メートル以上の距離を保っている限りはOKです。しかし、近距離で立ち話をしているところが見つかると罰金(400ドル=約4万円)となります。実際に罰金を取られたケースの話も聞こえてきます。このため、友人と妙な距離を空けて会話している不思議な光景がちらほら見られます。待ち合わせをして、一緒に散歩をすることなどはできません。一方で、同居している家族とは一緒に散歩することが許可されています。

Q. 外出禁止なので友人を自宅に呼ぶのはいいよね?

A. いえ、いけません。不要不急の集まりは、その規模に関わらず、また、屋内外を問わず、禁止されています。自分が感染しないことはもちろん、相手に感染をさせないために、良識のある行動が求められています。

Q. 仕事はどうするの? 

A. 人々の生活に必要不可欠と認められる職種以外の仕事についている人は物理的に出勤してはいけません。もちろん在宅勤務は可能です。生活に必要不可欠と認められる職種とは例えば以下のような業界に関わるものを指します:

医療(医師、看護師、検査技師、医療器具・機械の製造関係者、病院の一般職員、等)

公共サービス(警察、消防、電気・水道・ガス、石油、等)

(農家、酪農家、漁師、食品の加工メーカー、流通業者、スーパー、レストラン(ただし宅配・テイクアウトのみ)等)

交通・物流(電車、バス、高速・一般道路、飛行機、船舶、ガソリンスタンド、これらの修理・メンテナンス業者、等)

情報・通信(インターネット、電話、データセンター、郵便、等)

・その他(司法・行政サービスの担当者、銀行、クリーニング業者、等)※

※抜け漏れなどあると思いますが、ご容赦ください。

Q. 子供たちの学校は?

A. 学校には行きませんが、ビデオ通話などを活用して授業などは行われています現在は、5月上旬までこの対応を続けることが決まっている学区が多いです(アメリカでは学区ごとに決定される)。が、最近届く連絡には、夏休みまで物理的に学校が再開しない可能性について度々言及されていて、多くの親は夏休み明けまでは物理的に学校が再開しないことを覚悟しはじめているようです。

Q. 在宅勤務をする際、自宅に子どもがいると仕事に支障が出ます。保育所やベビーシッターなどは利用できますか?

A. 保育所やベビーシッターの営業を全面的に停止していませんが、これは生活に必要不可欠と認められる職種の方々に限って利用可能です。それ以外の職種の人は利用を控えてください。

Q. 持病があり、定期的に通院しているのですが、予定通り診察を受けられますか?

A. いえ、できません。原則として、不要不急の診察・検査などは延期またはキャンセルされています。事実、僕の家族の診察・検査は(現時点で分かっている限り)一か月以上延期されています

後で追記・修正するかもしれませんが、ざっとこんな感じです。

どうですか?

幸いなことに、これが僕にとって人生で初めての外出禁止生活なので、正直うまく評価できないのですが、僕の頭で考えられる限りでは、新型コロナの感染を抑えるという目的のために、できることをすべてやっている「全力の態勢」だと感じています。

もちろんこれを社会として理解するのに一定の時間を要した面はあると思いますし、これが浸透するのにもさらに時間がかかった部分もあると思いますが、僕の見聞きできる範囲では、この措置が可能な限り迅速かつ着実に履行に移されていると感じています。

このレベルの措置を、カリフォルニアでは3月中旬(ベイエリアでは3月17日、カリフォルニア州では3月19日)から一生懸命取っていることで、この二週間ちょっとの間に感染者数を”たったの10倍程度の増加”にとどめることができているのです。

「こういうときはどうしてるの?」「こういうことはどうなっているの?」などという質問などあればお気軽にご連絡ください!

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