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日本人の脳


日本人の脳


【左脳と右脳の働きの違い】


[左脳(言語脳)]

  • 知的

  • 言語的な情報処理

  • 情動に関与


[右脳(音楽脳)]

  • 非言語活動

  • 言葉を使わない知覚、理解、記憶に優れている。



【日本人と外国人の脳の分担比較】


[日本人では]

  • 左脳(言語脳)が主役。

  • 母音や自然音に含まれるわずかなFM音に対して鋭敏に左脳で応じる。

  • 左脳(言語脳)の知的な動きに加えて、感性的な音、動物の鳴き声、波・風・雨・小川のせせらぎの音などが優位に処理される。

  • 日本語は、子音は必ず母音を伴う。


[外国人(日本人以外)では]

  • 右脳(音楽脳)が主役。

  • 左脳(言語脳)優位の音は、言語音に限られる。

  • 子音の音形に対した形にのみ左脳で応じる。

  • 左脳では、計算とともに知的な働きを分担。

  • 右脳では、自然界の音、人間の感情音、機械音を分担。


これらの特徴は下の図で表される。

日本人の脳機能のユニークさと文化より



【言語での脳の優位性パターン比較】


[日本人では]

  • 「あー」と長く延ばした持続母音であっても、子音と同様に左脳(言語脳)が優位。


[外国人では]

  • 子音を含む音節単位の音やこれに似た音は左脳(言語脳)優位。

  • 持続母音だけでは右脳(音楽脳)が優位。


音楽脳優位では、虫の音が虫の鳴き声として認識されず、虫の音が聞こえなかったり、雑音として聞こえてしまう。
こちらについては下で説明。



【文化の特徴で脳の優位性パターンが変わる】


[10才までの言語環境]

左脳と右脳のどちらが主役になるかは、10才までの言語環境によって左右される。
北米と南米生まれの日系2,3世について調査して分かっている。
日本人以外のアジア人についてもテストを行なっているが、日本人のような型を見出すことができていない。


[ポリネシア語]

ポリネシア語で生育した人は、日本語の優位性パターンを持つ。
ポリネシア語は、母音の音韻構造が日本語に酷似している。
東サモア、トンガ、ニュージーランド、ラロトンガの原地人について調査。
ニュージーランド北東の都市周辺で、英語を母国語として育った人は、西洋語型を示す。



〔参考文献〕
角田 忠信(つのだ ただのぶ)
『日本人の脳機能のユニークさと文化』
(テレビジョン学会誌、1978年、486〜491)



【角田 忠信】

1926年10月8日生まれ。
医学者。
東京医科歯科大学(耳鼻咽喉科)卒。
東京医科歯科大学名誉教授。
1978年に東京医科歯科大学難治疾患研究所教授、「日本人の脳」を出版。
「日本人の脳」は30万部を超えるベストセラーとなった。



【虫の音が聞こえるのは日本人だけ?】

1987年、角田忠信博士がキューバで開かれた国際学会に参加した時のこと。
蝉しぐれのような虫の音に驚いた角田博士は、周囲の人に「何という虫が鳴いているのか?」と尋ねた。
すると、誰も「何も聞こえない」と答えた。
その日のパーティーが終わった深夜に、若い男女2人のキューバ人と帰途についた博士。
静かな夜道に、先ほどよりもさらに激しい虫の音が聞こえた。
博士が何度も虫の鳴く草むらを指し示しても、2人は何も聞こえず、不思議そうに顔を見合わせていた。
その後、博士は、毎日この2人と行動を共にした。
男性の方は、3日目にようやく虫の音に気づくようになった。
女性の方は、1週間経っても分からないままだった。
「日本人と外国人の耳には違いがあるのかもしれない」と思った博士、この発見が博士の研究の始まりだった。


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