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マラサダ魂を見よ

こんばんは、白米が美味しい季節。白米はいつも僕たちの味方だった。
はずだった。

秋になり、食欲の秋になると、なぜかここ数日白米に合う料理をずーっと探しているのだから、怖い。
白米の季節だ。


今日の食日記

マラサダとはなんだ。
どうみたって揚げドーナツじゃないか。

僕はこれまで24年間そう思って生きていた。

日本でも時々見ることがあるマラサダ。時にはマラサダドーナツとも言うマラサダ。まあるい、なんてことのない揚げドーナツのどこにそんな魅力があるのだろうか。

ハワイ仕込みのドーナツそんなイメージか。
南国に行きたい南国に生まれたい女子たち(今はそんなにいないか、、)がこぞってワンハンドで手軽に食べる菓子パンのような存在なのだろうと思っていた。
そのマラサダにどんな価値を見出して食べる決心をすれば良いのだろうか。

24年間ここまで考え、一度も食べることがなかった。

頑なだな、と自分自身に対しても思ってしまうのだが、食に対する異常なこだわりと躊躇・優柔不断までも持っている僕は、なんの違和感もなく食べる食べないを永遠と悩んでいるのは日常そのものなのだ。

それがマラサダを未だ食べたことがなかった理由なのだ。

鎌倉には寺の側面と海の側面がある。
いわゆる湘南の側面。

海があればマラサダがある、と誰かが言ったわけではないが、湘南に行ったときマラサダの香りがしたのだから不思議だ。海とマラサダはセットだ。


今日のお店

PACIFIC Bakeryという鎌倉に腰を据える人気ベーカリーに朝一で行った。
旅行のモーニングが大好きな僕は、ちょっと奥まった目的地まで、「お腹減った〜」と駄々をこねる友人を従えて向かったのだ。

POPなスタイルのお店からは確かに、ハワイの街角を思わせる南国空気がそよいでいた。ぐるっと見渡すパンのラインナップは、パン屋さんというよりペイストリーショップ。

クッキーやマフィン、スコーンなどのアメリカンなペイストリーが並び、大ぶりな一つ一つに見る食べ応えを想像すると選びきれない好奇心が溢れ始めた。これぞパン屋さんだ。

そんなふうにお菓子やパンを見渡すと既視感に襲われ、なぬとペイストリーを見渡すと、京都で懐かしいNAKAMURA GENERAL STOREではないか、、、、
あらあら。ここのコーンブレッドが大好きなんだ僕は。
この既視感に裏付けられた信頼によって、持ち手のトングが止まらなくなってしまう。

と、そこに現れたのが、そう、マラサダだったのだ。
しかも一押し、名物というのだから困ってしまった。

いくのか。ついにマラサダに手を出すのか。どうするんだ自分は。

24年間守ってきたマラサダ食べない期を乗り越え、マラサダ歴史を作っていくのか。自分どうするんだ。自問自答をお店を2週するうちに考え、食べることにした。信頼のNAKAMURAブランドがその背中を押してくれた。

コーヒーを買って早速マラサダをワンハンドに持ちかえる。
「え、ぷよぷよで軽いぞ」
たゆんたゆんな触り心地にキュンとしてしまった。


Theマラサダが気分

もぎゅっと潰さぬようにもぎり食べると、それは感動のマラサダ体験だった。
全く密度を感じさせないこの食感は、揚げドーナツの重さはなく、重力を感じさせない。一口目の唇にぺったりとまとわりつくシナモンシュガーが甘くて幸せをよぶ。
ぷよんぷよん食べ心地を逃さぬように優しく柔らかく食べ進めると、マラサダならではの味わいに沼っていくのだ。

気づけばあっという間にマラサダに恋をしていたではないか。
これはマラサダじゃなきゃ食めだ。
とんでもない食べ心地とその余韻にもう虜。

24年間揚げパンレッテルを貼ってごめんなさい。あなたを食べていきます。

朝10時からそう誓って海に歩いて行った。

海があるところにマラサダありだ。

美味しひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。



今日のお店:PACIFIC BAKERY(神奈川県鎌倉市七里ガ浜東3丁目1−6)



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暮らしのヒントになれば、と。

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