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無添加の雄叫びを感じる

おはようございます。
今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。

最近のオーガニックや生産者の顔が見える食材などで特に生鮮食材を買うことが多くなった。
新鮮でみずみずしい食材はやっぱり美味しいし、味がしっかりしている。

無添加を知ると、もう止まらない。




今日の食日記

街中で少しずつ溢れるようになってきた“オーガニック(organic)や無添加の文字。

だからなんだ、高いじゃないか、という意見は重々承知で、僕だってそう思っていたし、今だって簡単に揃えられないいわば“高貴な食の選択”であるということは認めざるを得ない(願わくばドイツのコンビニ感覚であるオーガニックスーパーが駅前にでもできてくれれば、一般民衆の日常に、オーガニックの芽が芽生えると思うのだが、、)。

ただ、食品メーカーに勤務したり、アルバイトで働いてみたりすると、世の中に出回る食べ物が添加物で練り上げられた創造物であることをこの目で痛いほどみてしまう。

すると、なんだこの摩訶不思議な食べ物(液体や聞きなれない調整剤の数々)にたくさん出会い、終いにはそんなことも知らず「美味しい」と食べることへの恐怖さえ抱いてしまったのだ(あまりにも無知な自分が悔しい。きっと酸化防止剤に安心できるのは、あまりにも食品の姿形じゃなく、一緒に包装されている“見える化”が要因だろう)。

スーパーだけではない、確かめることの難しさは容易に想像できるだろうが、そこらじゅうにあるお店ほとんどが添加物を許容している事実だけは覚えておいてほしい。


とまあ、このくらいにしておいて、こう考えるようになったのは、京都で“無添加たこ焼き”なる邪道を極めた唯一無二のたこ焼きと出会ってしまったからである。




今日のお店

たこ焼きといえば、屋台や商店街のような人が行き交う渦の中、「へい、いらっしゃい!」とその匂いと音の武器を背負い一晩闘い続けているイメージなのだが、無添加らしく(らしく?)それはスマートで、静けさが形作られていた(「へい、いらっしゃい」はどうしても似合わない)。


商店街でもなければ、人が多く通るわけでもない(もはや国道沿い、車ばかりだ)。でもこんな街中を歩き通れば、香りはくるし、ジュージューしずる感にご満悦になれること間違いなし。
一見、カフェの色味にも見えて、たこ焼き屋かと疑う。

テイクアウトが基本なのはたこ焼きやとしては申し分なし(これで、ティータイム並みの席が準備されていたらどうするべきか、とあまりの洗練された空気にヒリヒリしていた)。

一つ一つ、惜しみなく素材を選び作られているのだそう。


なぜ無添加に?
と聞いてみた。
「妻の無添加や身体を思った食生活に感銘を受けました。そこから身近なたこ焼きで無添加を実現していけられれば」と。


一見ラグジュアリーたこ焼きにも見えた自分が、小さく感じた。
たしかに無添加の分値段の少し上がってしまう。
でも、今の時代いつでもどこでもなんでも食べられるからこそ、そうやって自分の身体を思って、周りの人のことを思って選択していくべきだと思う。

カジュアルにたこ焼きから。か。


スタンディングスタイルで、頂くことにした。
何種類もあって、僕が京都に住んでいたのなら、何個もテイクアウトして家でわんさか食べられるのだが、、

あいにくの一人旅、塩と胡麻油はやっぱりマイベストフレーバーだった。

箱を勢いよく開ければ、つられて鰹節の小さな熱風が舞い上がった。


踊る鰹節が光るたこ焼き

生きている鰹節は、いつまでもほわほわと陽気で力強くて。
出来立てのたこ焼きは、きらきらと威勢よく生きているようだ。

鰹節のいい香り!って涙目になってたら、ごま油香りが負けじと香ってきた(湯気の仕業よ)。


やっぱりいつまでも熱々ほくほくはたこ焼きの代名詞。
とろりととろけるその中に、ちゃんと胡麻油の風味が閉じ込められている。噛めば聞こえるお塩の粒。塩味というより、塩を感じた。粒があった。

なんだか、カジュアルなたこ焼きも、一粒一粒の熱々の大口が、ものすごく身体の活力となるような気がして、生きる楽しみがみなぎってきたように思える。

立ち上がる香りを逃すまいと何度も何度も嗅ぎ直し、飲み干すような食べ切った。

たこ焼きだがらこそ、無添加なのかもしれない。
せっせと食べてしまうそんな時、一度立ち止まって耳をすませば、たこ焼きの“無添加”の雄叫びが聞こえてくる。


なんだか良いことをした気にさえなってしまう自分は、まだまだ無添加意識は低いようだが、この導入を糧にまた少しずつ身体を思った消費を目指していきたい。



美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。




今日のお店:無添加たこ焼き こはく(京都市左京区高野東開町11-1)



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