会社が嫌になった人向けの「辞めたつもり」ワーク2選
会社員をやっていると、いろんなことがありますよね。
理不尽なこと、思い通りにならないこと、たくさんあります。
会社員とフリーランスの二足の草鞋を履いてみたら、「働いている限りどこにいっても理不尽なことってあるよなあ」とも思いますが、フリーランスなら「無理!」と思った仕事をお断りすることはできます。
会社員は、「逃げ出せない」ストレスが強いと思います。
状況が変わるまで「耐える」の一手しかない場面は、フリーランスよりはるかに多い気がします。
もっとやりたいことがある場合、キャリアアップをしたい場合は、転職という手もあります。心身に不調をきたしかねない場合は、すぐにでも逃げ出した方がいいでしょう。
ただ、転職・退職が最良の選択肢でないことも多々あるのではないでしょうか。
自分の捉え方を変えたり、社外での過ごし方を変えることで、会社人生も好転するなら、転職というリスクとコストをかけずに在職した方がいいケースも多いと思います。
「在職した方がいい」という結論に達したとしても、会社へのネガティブな気持ちを放置するのはよくありません。
起きている時間の大半を過ごす場所で、常にイライラモヤモヤしていることの影響をバカにしてはいけません。
「嫌だけど仕方なく続けている」と、一日8時間思い続けていると、イライラした気持ちで一日がはじまり、退職後も沈んだ気持ちになります。
ストレスと常に同居していると、活力、クリエイティビティ、寛容さが奪われます。
ブラックな職場で働く知人が「家に魂を置いて出社している」なんて言っていましたが、実際には体と精神を切り離すことはできません。
自分では「割り切っている」と思っていても、割り切れるものではないのです。
だから、「会社が嫌だ」という気持ちは、なるべく整理した方がいいと思います。
そんな方にぜひやってみてほしいワークがあります。
会社を「辞めたつもり」になって、自分の気持ちを整理する手法です。
手法、というと体系的に整理されたものみたいに聞こえますが、私が一人で勝手に考案したものです。エビデンスは特にないですが、おすすめした友人や講演の参加者からは好評です。
手順は2つ。
まず最初にやるのは、「退職時のご挨拶」。
いざ、会社を辞めたら、色々な人にご挨拶をすると思います。
・部署の会議での挨拶
・公式の送別会でのスピーチ
・仲良しの同僚のみの私的な送別会での本音
それぞれで、言うことって変わると思うんですよ。
その微妙な違いに、自分の本音が隠されていると思います。
部署のオフィシャルな会議での退職報告では、まあ本音なんて言いませんよね。ほかの挨拶に比べて、「何を隠したいのか/現状隠しているのか」が見えてくると思います。
公式の送別会では、愚痴っぽいと嫌われるので感謝の気持ちの分量が多くなると思います。会社にモヤモヤしていても、得たものや感謝はなにがしかある人の方が多いと思います。「モヤモヤしているけど、こういういいこともあったよな」と気づけるかもしれません。感謝を述べつつだったら、チクリと嫌味を言っても許されるかも?!感謝を伝えたい人、一矢報いたい人の顔を思い浮かべて、具体的ないい回しまで考えてみましょう。
私的な送別会には、脳内で仲のいい人だけ誘って、お気に入りの騒げる居酒屋に行きましょう。一次会だとまだ本音が出ないかもしれないので、二次会か三次会まで行ってください。そこまで残ってくれたのは、本当にあなたと飲みたい人だけ。もう何を言っても大丈夫です!ため込んできた不満、愚痴、消化不良な思いを、ぶちまけてください。普段は言えなかったあんなことこんなこと、最後の最後くらい叫んじゃいましょう。
思う存分、吐き出せましたか?
そうやって言語化してみると、自分が何にイライラモヤモヤしているのか、立体的に把握しやすくなっているのではないでしょうか。
仲良しにぶちまけた愚痴も等身大で把握できます。言語化する前は、輪郭が掴めていなかった不満も、くっきりと見えてきたと思います。
会社への感謝やメリットも、改めて思い出せるかもしれません。
ただただ漫然と「会社が嫌だ」と思うだけだと、実体のない不満が増幅してしまいがちです。
言語化をすることで、ネガティブな気持ちが無駄に増幅せず、自分の気持ちを正確につかむことができます。
また、自分が「退職後もできれば会社との縁を捨てたくないのか/完全に縁を切りたいのか」も、自分の話す内容やテンションで見えてくると思います。
それができたら、「エア退職届」を書きましょう。
「一身上の都合により、退職いたします」の前半を、自分の退職理由をあてはめて書き換えてみてください。
「一身上の都合」がテンプレと化していますが、私の友人で「社長になるので退職いたします」と書いて出した人もいます。そんな感じで、なぜ辞めるのかを短く言い表しましょう。
「給料が安いから」
「上司のパワハラに耐えられないので」
「女性が全然出世できないから」
「在宅勤務ができる職場で働きたいため」
「5年連続で異動の希望が通らないので」
「〇〇の職業を目指したくなったため」
「同族経営で社長になれないのが確定しているから」
などなど。
辞めたい理由はいろいろあるかもしれませんが、退職届に長々と書くスペースはありません。
最初のワークでいろいろと本音が出たかもしれませんが、一文で収まる長さにする必要があります。
ここに何と書こうかと真剣に考えると、会社に対するネガティブな感情の中で、自分にとって何が一番重要度が高いのか、見えてくると思います。
逆に言えば、「譲れないもの」が見えることによって、「不満だけどまあ許せるもの」も相対的に浮かび上がってきます。
「人間関係が嫌だと思っていたけど、本当に辞めたい理由は憧れの職種を目指したいからだったな」とか「現在の年収の低さよりも、女性の昇進スピードが遅くて希望が持てない閉塞感に耐えられなかったんだ」とか、何か気付けることがあるはずです。
心に「エア退職届」を持ってると、ストレス耐性も少し高まる気もしています。
選択肢がない状況だと、人はかなりのストレスを感じます。
実際に辞める準備は完全にはできていなくても、「辞めるならこの理由だから、次はこの不満を持たないステージに行こう」という道筋が見えているだけで、心は落ち着くと思います。
漫然と自分の中にネガティブな気持ちを積み上げて、それに活力を奪われるのはもったいないことです。
手前味噌ですが、なかなか効果のあるワークだと思うので、ぜひやってみてください。
あなたのモヤモヤが解消されて、「この会社に残るべき理由」もしくは「この会社を辞めるべき理由」がはっきりして、前向きなアクションに繋がりますように!
あ、実際に退職の挨拶をすることになったら、内容は再考してくださいね。自分のためのワークなら何を言っても大丈夫ですが、勢いで要らんことを言って敵を増やすとろくなことがないので(笑)
パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名(けいのえりな)
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