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「ロールモデルがいない」はピンチではなくチャンス

諦めるより、挑戦する最初の世代になりたい

自分らしいキャリアをデザインしたい、と考えたときに「ロールモデル」や「ベンチマーク」を探すことは効果的な第一歩です。

完全な手探りで進む道を探すより、先人の成功や失敗から学んだ方が、無駄が少ないはずです。

「こんな風になりたい」と思った人の仕事や経歴を調べたり、可能であれば会って話したりするうちに、真似したくなる具体的な一手が見つかりやすくなります。

一方で、「ロールモデルが少ない」という悩みを持つ人も多いですよね。

ロールモデルを探して、真似したり取り入れたりするのが効果的だとわかっているのに、誰も見つからないと不安になってしまいます。

でも、「ロールモデルがいない」って、そんなに悪いことでもないんじゃないか?とも思っています。

ロールモデルがいない、ということは、言い換えれば「自分が初めて、それに挑戦できる世代になった」ということの裏返しだと思うのです。

時代の潮目は急に変わります。自分が当然のように諦めていた障壁が、急速になくなって、下の世代は当たり前に手に入れられることだってよくある話です。

自分が前例がないことを理由に諦めたことを、下の世代が順当に享受しているのを見たときに、後悔しないか?とよく考えます。

「働く女性」の変化を振り返ると

たとえば、私も含む「働く女性」の状況は刻一刻と変わっています。

三十路前に退職する想定のアシスタント職しかなかった時代から、総合職採用が増え、管理職の女性も増えました。少ないですが女性の取締役を増やそうという流れもはじまっています。

「産むか辞めるか」だった時代から、少しずつ育休産休の制度や保育園が充実して、最近は産後パパ育休など男性への支援も充実してきました。

最近は総合職の女性が育休後に復帰するのも珍しくなくなりましたが、そんなこと想像もできなかった時代も長かったはずです。

一方、すべてが完全に男女平等かと言うとそうでもなく、女性側に家事・育児・介護の負担が偏ったり、女性の課長は増えても部長は少なかったりと、女性が不利なシーンもまだまだ多いと思います。

もしかしたら、育児休業の制度や運用、会社組織のダイバーシティ施策の充実、人々の意識の変化で、働く女性の悩みが大幅に軽減される日も来るのかもしれません。

そんな日が来たとして、その世代の若い女性たちにとっては、「育休明けに出世コースから外れる恐怖」「子どもを産んでも夫は休めないからワンオペ育児」のような苦悩って、歴史として知ることはできても、おそらくピンとこないと思うのです。

その時代の当事者は、過去がどうだったかなんてあまり話題になりません。

自分が時代の波に乗れなくても、時代が変わった後の世の中からはさして同情もされないし、手を差し伸べてもらえるとも限らないのが、現実だなあと思うのです。世知辛い話ではありますが。

「(今は)これが当たり前だから仕方ない」と諦めたとして、根拠にしていた時代の常識がいつの間にかいなくなって、「自己責任」なんて扱われたり。

だから、ロールモデルがいないと悩みそうなとき、私は自分に問いかけてみます。

「それを実現できなかった最後の世代になるか?実現する最初の世代になるか?」

たかが捉え方、されど捉え方。前例がない状況を恨むより、前例がなくてもやっちゃおうと自分を鼓舞できた方が、活力も湧いて実現可能性はぐんと上がるはずです。

そんな選択肢の交差点にいると考えたら、ロールモデルがいないことの困難よりも、わずかでも可能性を手にできた自分の幸運さに励まされます。

ロールモデルの欠片を探す

自分が時代の潮目にいるとき、身近にピッタリのロールモデルを探すのは難しいでしょう。

それでも何かを参考にしたいとき、まずは「外」に目を向けるのがよいかと思います。

自分と同じ属性のロールモデルがいないなら、他者、他業界、他地域まで目を向ける。検索する。会いに行く。日本にいないなら、海外の事例にも目を向ける。

次に、そのまま参考にできなくても、参考にしたい「要素」「側面」を拾い集めて、自分なりに活用していく。

それが、ロールモデルがいないときの、情報の集め方だと思います。

元より、自分の人生を生きられるのは自分だけ。

そのまま参考にできるロールモデルが多い状況でも、結局は自分の感性と自分の責任で、小さな決断を繰り返していかなければいけません。

ぴったりのロールモデルを探す努力より、情報を集めて、その中で「自分で選ぶぞ」という覚悟こそが大切なのではないでしょうか。

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パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名

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