浮気した話。12
「先輩が好き。」
その言葉に決意が固まった。
ミクちゃんを呼び出し、話し合うことにした。
よくデートをしたきれいな海岸。夜の11時は私たち2人だけを取り残した。
「友達に戻ろう。」
「わかった。」
あっさりだった。
想像していた別れ話とはかけ離れていた。
思い出話も感謝の言葉も無く、別れた。
そしてカノンちゃんとも話し合うことにした。
カノンちゃんは県外の大学のため、すでに地元にはいなかった。
電話をかける。
「久しぶり。」
やっぱりカノンちゃんの声は安心する。
しかし私は決めていた。カノンちゃんとは付き合わないと。
「A君、実は私、彼氏がいるの。」
私は驚きが隠せなかった。
今からカノンちゃんの告白を断ろうとしていたところだったのに。
「また会えたら良いね。」
一方的に電話を切られてしまった。
私は呆然としたまま、心に穴が空いたような、秒針の音だけ聞こえるような気がした。
後日、全ての真相が明らかになった。
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