山あり谷あり木の根あり
コロナ前と合算しても、ここのところ10年は旅行に行ってない。
そんな中で、一番思い出深い話を。
私と母はよく京都に旅行をしていた。
初めはまだ小さい頃の夏休み。
少し大きくなると秋の紅葉狩り。
さらに行き尽くした感が出てきたので桜の時期。
冬も途中で行った。
四季折々の京都を見てきた。
それこそ、「そうだ、京都行こう」より先に行ったマイナーなお寺もある。
「今頃CMになっているよ」と言った具合だった。
なぜか。
それは、恐らく定年後ではなかろうかと思われる方のサイトがあったから。
朝は開門から時間をおって紹介してくれていた。
それこそ、知らないお寺までくまなく。
今その方のサイトは「not found」。
と、前置きが長くなったが、その京都の中でも一番印象に残っているのは貴船から鞍馬まで行った時だ。
ここは山越えをして行く有名なルート。
時期は秋。
どちらを出発点とするかは自由だが、私たちは貴船からとした。
山だから当然階段もある。
先日ちょうどこの話を母とした。
「今じゃもう登れないわ」
確かにあの当時でも母は一生懸命だった。
しかも母はタイトのロングスカートが好きだ。
旅行でも当然その格好をしていたから、山登りも当然そうなるわけで。
という私も、普通にロングスカートだったが。
私は普段から自宅にエアロバイクを置いてßźをガンガンにかけながら歌いながらこいでいたからか、健診でも心肺機能はよかった。
それもあり、ここ以外、会社のメンバーと行った高尾山でも女性陣の中で一人だけ息も上がらずサクサク登った。
この貴船へのコースも当然サクサクだったが、いかんせん、母はタイトスカートを膝下まで手繰り寄せ、階段を一段ずつゆっくり登っている。
私は振り返り振り返り登った。
この道で一番好きな場所がある。
それは「木の根道」という場所だ。
読んで字の如し木の根があちらこちらに張り巡らされている道。
血脈が浮き出ているような世界。
母もここのことはよく覚えていて、先日の会話にも出てきた。
木の根が出ていることで、歩きやすいやら歩きにくいやら、ではあったが、とても楽しかった。
普段木の根を目にすることは滅多にない。
しかもこんなに大きく、広範囲で張り巡らさているのは、今現在でも見たことはない。
だからこその「木の根道」と名付けられているのだが。
やはり旅はいい。
こうして昔のことでも思い出として語り合える。
そして、この場で紹介までもできる。
また旅にでたくなった。
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