見出し画像

「孫を生んでくれただけでお前は親孝行な娘だ」と言ってくれた父


父はもうすぐ88歳になる。
父の趣味は読書。

車の免許も数年前に返納した為、今日は父を実家へ
迎えに行き、一緒に図書館へ行ってきた。

あいにく祝日の為、図書館は閉まっていたので
借りていた本をポストに投函して帰って来た。

帰りの車の中で父に
「3月1日はばあちゃん(私の母)の誕生日
でしょ。1日は仕事だからダメなんだけど
2日は日帰り温泉に2人を連れて行くよ」
と言った。

すると父が
「あ~、お前は本当に親孝行な子だね。
うちの娘はみんな親孝行だ」と言った。

わたしは三姉妹の末っ子で
離婚した姉2人が実家に住んでおり、
父と母の面倒をみてくれている。

わたしが実家に行くのは月2・3回ぐらい。
いつも実家に行くと何かしらおみやげ渡され、
ご飯を食べに行けば、お金をだしてもらい、
はっきり言って
実家にお世話になりっぱなし。

そんなわたしが親孝行?

親が期待していた公務員保育士を勝手に辞めて
親を散々悩ませて

脱サラして看護師資格取得の為4年間学生になった
旦那を心配して金銭援助してくれたのは両親。
両親のおかげで旦那が働いていないのに
息子たちに何不自由な思いを
させることなく子育てをすることができた。

母から金銭援助を受けるたびに
「このお金で旅行に行ったらいいのに」と断ったが
「いいよ、いいよ、あげれるうちにあげるよ」って
言ってくれて。

一緒に旅行行けば、旅行代金もだしてくれた。

ほんといくつになっても
わたしだけ親にお世話になりっぱなしな娘。

時に、父と母のように
自分の息子に金銭援助できるのだろうかと
不安になる。

そんなダメダメな娘だからこそ、
年老いた父と母に少しでも恩返しをしたくて
(お金で返せないなら体で笑)
何かしてあげたいといつも思っている。

そんな親不孝な娘なのに
父が「親孝行な子だ」なんて言うから

「わたしなんて実家に住んでないから
おねえちゃんたちに全部お任せで
何もしてあげてないからさ。
いちばんわたしが親孝行していないよ」

と言ったら父が

「お前は孫を生んでくれたじゃないか。
お前は親孝行な子だよ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしは前職の子育て相談の仕事をしていた時
地元新聞社に子育ての専門家として
子育て悩み相談のインタビューに答えて
新聞に掲載されたことが2回ある。

その新聞を父に見せた時に
「お前がなんで子育ての専門家として
新聞に掲載されたかわかるか?
それはお前の子育てが成功したからだ」
と断言していた。

いや、子育て成功していなくても
仕事柄本当に子育ての専門家だから
新聞に掲載してもらっただけだし、
子育てにこれが成功とかないし、
なんなら息子よ、勝手に育ってくれてありがとう!
なんだけど

息子らは祖父母思いの優しい子なので

父は「こうきとたかやはいい子に育った」
といつもわたしの子育てを褒めてくれる。

父は孫の誕生を誰よりも喜んだ。

長男が9か月で2・3歩歩いたと知ったら
すぐに靴を買ってきてくれた。
(まだ2・3歩なんだから外で歩けないのに。。。)

父はいつも孫の成長を楽しみにしていた。

息子たちが小学生の時は毎年
映画に連れて行ってくれた。

小学校の運動会には必ず見に来ていた。

お祭りには必ずお小遣いをくれた。

息子たちの野球の試合を楽しみに
応援するために毎回球場に来てくれていた。

息子たちが高校野球で新聞に出た時は
誰よりもうれしそうで
親戚に自慢をしていた。

わたしも孫の成長を見てもらうことが
いつも父と母を裏切って心配をかけてきた
わたしのせめてもの恩返しだとも思っていた。

でも、父に

「お前の子育てが成功したからだ」

と言ってもらった時はなんだか誇らしかったし、

両親を裏切って公務員を辞めたけど
わたしが仕事より子育てを選んだこと、
子育てを楽しんできた道は間違いではなかった
ことが証明されたみたいでうれしかった。

わたしが楽しそうに生きていることが
いちばんの親孝行だったんだ。

わたしがいちばん気になっていたのはね、
実はお金のこと。

公務員を続けてたら
金銭的には余裕があって、
両親を旅行にご招待とかできたよね。

うん、きっとできたと思うんだ。

でもさ、わたしは思うんだ。

「旅行に行けてありがとう」よりも

「孫を生んでくれたことが親孝行だよ」と
言ってもらった方が
断然わたしの人生は豊かだなと思う。

子育てしているとお金かかるよね。
お金かかるけど
お金に代えられないものがある。

ひとってしあわせになるように
プログラミングされているって知ってる?

ほんらいしあわせにしか生ききれないのに

それをわざわざ不幸にしているって
凄いことなんだ。

でも、不幸を体験しないとしあわせな状態を
知ることができないからね。

だから自分が不幸だなって散々思ってきたひとは
そろそろしあわせを感じていい頃なんだよね。

そう、自分がどこに目を向けるかで
どこのチャンネルに意識をつなぐかで
自分の見ている世界はいくらでも変化
していくのだから。

わたしも不幸癖をそろそろやめて
どんどんしあわせになっていこうと思います。

「お前は親孝行だね」と言ってくれた父の
言葉はまるで

お前はお前のままで生きてきてよかったし、
これからもお前のままで生きていきなさいって
言われたような感じがしたんだ。

だから
わたしはわたしのまんまで
これからもしあわせな人生を歩んでいきます。















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?