見出し画像

不定詞vs動名詞を問う4択問題への考え方&実践問題

さくっと復習:積極的な意思&消極的な意思 VS 過去&現在&回避したい未来

実践的な4択問題へ挑む前に!不定詞と動名詞のイメージ、どんなだったか声に出して(もしくは心のなかで)言うことができるかチェックしてみてください!

覚えてましたか?😄

不定詞:積極的な意思&消極的な意思
動名詞:過去&現在&回避したい未来


不定詞のイメージ

不定詞は「未来志向」と呼ばれています。ただこれだけだと動名詞の「回避したい未来」と紛らわしいので、もう少し具体化したのが「積極的な意思・消極的な意思」です。一覧表を見ると分かる通り、不定詞を取る動詞のほとんどが「願望」を表しているんです。

願望には「すごくやりたい!という積極的な願望(強すぎるあまり計画したり、要求する)」(desireやintend、planやclaimなどですね)と「やりたいわけではないけど…という消極的な願望(もしかしたら断る)」(hesitateやrefuse)があります。

画像2


動名詞のイメージ

動名詞は、不定詞とは反対に過去を表します。また同じing形である現在分詞は「~している最中」という「進行形」を作ることができますね。だから過去だけでなく「過去から現在までに行われた動作」を表すと考えておくのがベストです。そして過去に固執しているあまり「未来を回避しようとする」性質もある、と考えてください。

たとえばstop Vingやfinish Vingは「すでに行っていた動作を止める」という意味です。practice Vingは「(過去からずっとやってきている趣味やスポーツの)練習をする」という意味です。appreciate Vingは「(主にすでにしてもらったことに対し)感謝する」という意味です。

回避したい未来のほうでは、escape Vingがあります。「Vすることから逃れる」という意味ですね。deny Vingは「Vするのを否定する」という意味です。

画像1

わたしが作った、動名詞だけを取る動詞で作ったアナグラムもあります。

MS. GEM FACED PAPA'S IQ.
ジェムさんは、パパのIQに立ち向かった。

シチュエーションとしてはIQのテスト中?クイズ中?というかんじです。


「消極的な意思」と「回避したい未来」の差って!?

to Vをとるrefuseと、Vingをとるdenyやavoidってなにが違うねーん!?と思っちゃいますよね。それはとても自然な気持ちです。混乱してしまいますね。

不定詞の「消極的な意思」と比べて、動名詞をとるほうがこころなしか「強い意思」が伝わるというのがポイントです。

例えば不定詞を取るrefuseは1語1訳にすると「拒絶する」としがちですが、「Vしようとしない」という訳し方もあるんです。動詞のジャンルを覚えるために、「Vしようとしない」という訳し方にアップデートしておいてください😄

Longman英英辞典で英語のニュアンスを確認してみましょう!

refuse to V
to say firmly that you will not do something that someone has asked you to do
誰かがするように頼んだことに対して、はっきりと(これから)やりたくないと言う。

頼まれたことに対し、「えぇ~(これから)そんなのやりたくないな…。だから断る!」という消極的な反応を見せる、というイメージだということが分かります。未来形のwillが使われていることにも着目してください。未来志向の不定詞を取ることに納得できますか!?

deny Ving
to say that something is not true, or that you do not believe something
あることが事実ではないと言う、もしくは、そのことを信じない
avoid Ving
to prevent something bad from happening
悪いことが起きるのを防ぐ

denyのほうは「すでに起きた(本当は起きてないかもしれない)事実を認めない」というイメージです。過去のイメージとリンクしています。Longmanにやや物騒な例文があったので、理解しやすいように引用しておきます。

Two men have denied murdering a woman at a remote picnic spot.
二人の男は、人里離れたピクニック場で、一人の女性を殺害したことを否認している

事実はどうであれ(殺害したかしてないかは捜査中!)、ある過去の出来事に対して否認している、ということが伝わりましたか?つまり、denyの場合は単純に「過去の出来事を否定」(動名詞の過去のイメージ)とも言えるし、「その出来事が起きたと認められるような未来は絶対受け入れない」(動名詞の回避したい未来のイメージ)というふうに考えられます。

avoidは「防ぐ」という動詞が使われていますね。これは「回避する」と同義です!


4択問題への取り組み方:①動詞のイメージを考える

ただただ数をこなす!と言ってもみなさんの参考書の数には限りがありますね…。だから、1つ1つ、ある意味では丁寧に行う必要があるんです。全文しっかり読めよ!ということでは決してありません。むしろ、不定詞VS動名詞の問題では、全文読む必要がないんです。コツを掴めば3秒以内に解答できるラッキー時短チャンスなんです。

じゃあどこをどう見ていけばいいのか?動詞変化の仲間には、原形(変化なし)・現在分詞(Ving)・過去分詞(Vedや不規則変化)というのもあります。なので通常4択は以下のようになるんです。左から、原形、動名詞or現在分詞、過去分詞、不定詞の変化です。

(1) do (2) doing (3) done (4) to do

この4つが並んだらどう見ても動詞変化の問題!なので、この語群を使って作りたいのが「名詞句」なのか「形容詞句」なのか「副詞句」なのかを判断します。

不定詞VS動名詞という単元の場合、絶対に「動詞の後ろに問題の( )」があります。たとえば以下のような感じです。

Do you mind (   ) the window?
(1) open (2) opening (3) opened (4) to open

ほとんどの動詞の後ろには、名詞句を取ります。動詞の原形は「動詞の直後に置けない」というルールがありますので論外です。だから(1) openは最初に除外できますね。(openは形容詞にもなりますが、名詞句を基本は選びたいのでやっぱり捨てます。)(3) openedは動詞の過去形か過去分詞形です。過去形だったら論外だし、過去分詞形だったら形容詞/分詞の扱いになりますので、無し!と考えていいでしょう。名詞句を作れるのは(2) openingか(4) to openです。動名詞か不定詞ということですね。

慣れれば、ここまでの判断はすぐに終わります。動詞の後ろに空欄か~…なら基本は名詞句かな!?と考えればいいだけです。そうしたら、先程復習した、動詞のイメージを考えます。

不定詞:積極的な意思&消極的な意思
動名詞:過去&現在&回避したい未来

mindはどちらのイメージだったか、思い出すだけです。覚えていますか?😄

mindは「~するのはイヤだと思う」というネガティブな意味を持つ動詞です。「イヤだ」という気持ちは、「回避したい」気持ちと同義ですね。(「消極的な意思」の例には、「ためらう」などがあります。)だから動名詞を選ぶのが正解です。


4択問題への取り組み方:②時間を表す副詞を見る

不定詞、動名詞どちらも取ることができる動詞というのもありましたよね。rememberとか、forgetとか、全部で7つほど紹介しました。

画像3

regretもこの仲間ですね。

regret Ving 過去にVしたことを後悔する
regret to V 残念なことに、これからVする

この種類の動詞の場合、動詞のイメージを考えることはまったく意味がありません。どちらも取れるからです。じゃあなにをすればいいかというと、過去のことなのか、未来のことなのかを判定するんです。過去のことであれば動名詞、未来のことであれば不定詞を取りますね。その「時間」を判定するには、文末にある「時間の情報を表す副詞句」をチェックします。だいたい書いてありますよ!

過去を表す副詞句=動名詞
yesterday / ~ days(years,months,weeks) ago / before / last year(month,week) / then / at that moment 
未来を表す副詞句=不定詞
tomorrow / next year(month,week) / in the future / soon 

まとめると、①どちらも取れる動詞だと気づく②副詞を見る③過去なら動名詞形、未来なら不定詞形を取る、という3つのステップだけで良いということになります。数は少ないので、覚えるのはかんたんです!


Exercise

今回のエクササイズでは、全ての問題に取り組む際に、今回紹介した判別方法を考えてもらうことが目的です。ですので、ふつうの4択問題ではありません!全部の問題に以下の選択肢を使います。

①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(5)と(6)は、不定詞・動名詞両方ともを取ることができる動詞にのみ使ってくださいね。この考え方が定着すれば、不定詞VS動名詞はクリアしたも同然です!

( )の中の動詞を変化させるとき、どの選択肢が適切か考えてください。
※( )の前にある動詞の意味が分からないときは、必ず文脈から推測しましょう。

では、全部で10問です!

(1) The doctor told me that I should quit ( smoke ) right now.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(2) Allan hopes (travel) all the countries.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(3) As soon as he finished ( do ) homework, he started to play video games.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(4) When the earthquake hit, a lot of people demanded ( know ) where they would find safety.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(5) He has prepared enough to build a spacecraft. He can afford ( explore ) the universe.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(6) I try to avoid ( meet ) him because he caused a big trouble.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(7) I decided ( cook ) more often because the current diet is unhealthy.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(8) You have to remember (send) a email to our customers before you go on a business trip.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(9) He asked several questions, but the committee refuse (answer).
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

(10) Oops, I forgot ( give ) it back to her at the meeting yesterday.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving


Answers

ここから下は解答です。

(1) The doctor told me that I should quit ( smoking ) right now.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

「タバコを吸う」という動作は、過去から現在まで続いている習慣ですね。quitは「(そんな過去から現在まで続いているなにかを)止める」という動詞です。

(2) Allan hopes (to travel) all the countries.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

hopeは「(これからなにかする・起きることを)望む」という動詞なので、積極的な意思と言えます。

(3) As soon as he finished ( doing ) homework, he started to play video games.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

quitと同じで「(これまでやってきた何かを)終わらせる」という意味ですね。

(4) When the earthquake hit, a lot of people demanded ( to know ) where they would find safety.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

demandは「要求する」という意味です。誰かに自分の要望を伝える人って、積極性があると言えますね。

(5) He has prepared enough to build a spacecraft. He can afford ( to explore ) the universe.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

affordは「(これからなにかするための)金銭的な余裕がある」という意味です。

(6) I try to avoid ( meeting ) him because he caused a big trouble.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

avoidはpreventと同じで「(何かが起こることを)避ける」という意味でしたね。

(7) I decided ( to cook ) more often because the current diet is unhealthy.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

decideは「(これからなにをするか)決意する」という意味です。

(8) You have to remember (to send) a email to our customers before you go on a business trip.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

rememberは不定詞も動名詞も取れます。その場合、時間を表す副詞を見るんでしたね!今回は副詞が「before you go on a trip」(出張へ行く前)なので、これから起きることだと分かります。そのため、未来にする不定詞を取ります。

(9) He asked several questions, but the committee refuse (to answer).
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

refuseは「(これからやりたくないことに対して)断る」という意味でしたね。

(10) Oops, I forgot ( giving ) it back to her at the meeting yesterday.
①積極的意思の to V ②消極的意思の to V 
③過去~現在の Ving ④回避したい未来の Ving
⑤未来にする to V ⑥過去にした Ving

forgetは不定詞・動名詞どちらも取れますので、副詞の情報をチェックです。「yesterday」(昨日)と書かれているので、過去の情報だから動名詞が正解、ということになります!

どれくらい正解できていましたか?😄他の動詞は英作文をするときに積極的に使ってみてくださいね!

ここから先は

0字
4択問題の考え方から、各単元に対する論理的なアプローチをご紹介いたします。また学習した文法は、英作文という形でアウトプットしましょう。アウトプットや質問はコメント欄で常時受け付けております(*^^*)

中学受験、高校受験、大学受験、TOEICなど各種英語試験の文法問題に役立つ、英文法のの考え方を解説するマガジンです。同時に4技能すべてを向…

ご興味を持っていただき、どうもありがとうございます。いただいたご支援はすべて、子どもたちのための学童・教育事業にあてさせていただきます。