エッセイを簡単に仕上げるための、使い回しの効く動詞の語法
英作文の見た目レベルが上がらない原因
英検、TOEFL、IELTSなどでエッセイ形式の英作文にチャレンジしている方々が、少しでも楽な気持ちで英作文に取り組めるよう、使い勝手の良い動詞をご紹介いたします。
エッセイでは、論理構成がとても大事です。主張、理由、結論ですね。段落単位でなら成立させることができている方が多いんです。英検準1級であれば、トピックに対して主張の段落、理由の段落を2つ、そして結論の段落、となります。
次に大事なのは、それぞれのレベルに合った語彙表現です。英検で言えば級が高くなればなるほど、語彙のレベルが上がっていくことが求められます。
ですが上位の級の添削をしているときでも、以下のような表現方法が結構多く見られるんですね。
・主語が「people」「they」であることが多い。
・助動詞「can」「will」「should」が多い。
・接続詞「so」と「because」が多い。
・代名詞「this」や「it」が多い。
これらの語彙が超!頻出してもいい級は、個人的に英検準2級までです。英検2級以上、もしくはそれ相当の資格を取ろうとしている、エッセイを書こうとしている場合は、上記で挙げた語彙が頻繁に出現すると、どうしても「易しい文章」になりがちです。
英作文の見た目レベルを上げる方法
文章のレベルを挙げるには、語彙のレパートリーを増やす必要がありますね。でも、
「レベルごとに語彙を増やせと言われても、長文用に覚えたものが必ずしも書けるようになっているとは限らないし…。単語帳をめくって、筆記の練習すらしなきゃいけないなんて半端なく苦痛でやる気が削がれる…。」
と思うでしょう。
単語帳に出てくる語彙をライティング用に書けるようにする必要はありません!なんでもかんでも、的を絞っていくことが大事なのです。
そこで問題です。どの品詞のレパートリーを増やせば、エッセイ作文において最も効率がいいと言えるでしょうか!?
①名詞 ②形容詞 ③動詞 ④副詞(前置詞と接続詞を除く)
※前置詞と接続詞のレパートリーを増やすことも超!大事ですが、これは数がかなり限られてくるので、今回は省略しました。
効率が良い、というのは
①どんな分野のトピックにでも使えることができるため、
②使用頻度が高く、
③自動的に意味とスペルを覚えるのも早くなる
という意味です。
さらに上で挙げた、
・主語が「people」「they」であることが多い
・助動詞「can」「will」「should」が多い
・接続詞「so」と「because」が多い
この3つの問題も一緒に解決してくれる存在です!
うーむ、と悩んだ方は、この記事のタイトルを確認すれば答えが分かります。
答えは、③動詞です。
英作文が苦手な人こそ最初に覚えるべきライティング用単語は、動詞の語法なんです!動詞の語法のレパートリーが増えれば、以下のことができるようになります。
・文章構造(SVOC)のミスが減る
・主語と目的語を入れ替えていくだけで、全てのトピックに対応できる
・接続詞を使わなくても、論理展開を示すことができる
お得ですね~!😊
念の為、その他の品詞の重要性が動詞より低いことについてもお話しておきます。
①名詞…一番数が多いです。ジャンルごとに、使いたい言葉・専門用語もバラバラ。
※ただし一部、全ジャンルに共通して使える便利な名詞というのも存在します。動詞の語法と一緒に使っていくと効果倍増!なのでこれは動詞の語法のあとにご紹介いたします!
②形容詞…形容詞は「数/量」(加算名詞・不可算名詞があるため分けて考えます)と「程度」のレパートリーを増やすだけでOK!ぶっちゃけそんなに多くはありません。「多い」「少ない」「良い」「悪い」の4ジャンルの形容詞を、少しずつレベルアップさせていけばいいんです。例えば「many」を「a great number of」にするなど🎵
④副詞…前置詞と接続詞を除くと、残る重要副詞といえば「furthermore」のような「論理展開を示す副詞」のみです。ですがこのような論理マーカーの副詞はあくまでも文章や段落の前に置くだけで、willやpeopleのレベル上げにはなりません。(論理マーカーのレパートリーを増やすことは大事ですが!!)またこれから扱う動詞の語法は、論理マーカ―の役割を担っているのもあります。そのため、優先順位でいうと、今回は動詞よりも下なんです!
動詞の語法の2つのジャンル
動詞の語法のレパートリーを増やす!とはいえ、全部を100%暗記するわけではありません。もちろん数を絞っていきます。そのために2つのジャンルわけをします。この2つに該当しない動詞の語法は、一旦捨て!です。
①良い結果をもたらす動詞の語法
②悪い結果をもたらす動詞の語法
この2つです!
良い結果をもたらす動詞の語法
良い結果をもたらす動詞の語法は、トピックに対し賛成の立場にいるとき、利点を挙げるときに使いやすいですね。
S enable A to V AがVするのをS(人意外)が可能にする
S contribute to A SはAに寄与する
S introduce A to B SはBにA(システムなど)をもたらす
S be adequate to A SはAに適している
S encourage A to V AがVするよう促進する
S empower A SはAを強める・Aに自信を与える
S inspire A SはAを活気づける・Aに良い刺激を与える
S enrich A SはAを豊かにする
S enhance A SはAを強化する
S cultivate A SはAを養成する・育てる
S be highly likely to V SはVする可能性が高い
S facilitate A to V AがVするのを容易にする
※AとBは名詞という意味です。S、A、Bの部分には名詞が入ります。
悪い結果をもたらす動詞の語法
悪い結果をもたらす動詞の語法は、トピックに対し反対の立場にいるとき、欠点を挙げるときに使いやすいですね。
S cause A to V AがVするのをSが引き起こす
S worsen A SがAを悪化させる
S weaken A SがAを弱める
S be inadequate to A SはAに不適切である
S discourage A to V AにVさせないようにする
S fail to V SはVすることができない
S arise from A SがA(原因)から起こる
良し悪しどちらにも使える動詞の語法
こちらは文脈によって、良い結果・悪い結果どちらにでも使える動詞です。
S prevent A from Ving AがVするのをSが妨げる
S lead to A Sは結果としてAにつながる
S is attributed to A S(結果)はA(理由)に起因する
上記リストの順番は思いついた順です。思いつき次第リストを更新しています。
さきほど、それぞれの動詞の語法のS、A、Bの部分には名詞が入る、というふうに書いたのですが、そのときに「結局名詞大事じゃん!!!」と思った方もいると思います。
そこで活用していきたいのが「全ジャンルに共通して使える便利な名詞」です。
全ジャンルに共通して使える便利な名詞
これらの名詞は、主語と目的語に使いやすいです。主語のitやpeopleの使用頻度を下げるのに役立ちますよ!
time (to V) (Vする)時間
a chance (to V) (Vする)機会
a change (in A) (Aにおける)変化
a way (of Ving) (Vする)手段・方法
an effect (on A) (Aに対する)効果
an efficiency 効率
an influence (on A) (Aに対する)影響
a trend (on A) (Aに関する)傾向
an experience (in A) (Aにおける)経験
an improvement (in A) (Aの)改良
development (of A) (Aの)発達
an advancement (of A) (Aにおける)進歩
an aggravation (of A) (Aの)悪化
an enhancement (of A) (Aの)強化
an opportunity 機会
a system 制度
an environment 環境
a situation 状況
a skill / an ability 能力
a feature 特徴
a function 機能
a factor 要因
a fact 事実
prosperity (of/in A) (Aの/Aにおける)繁栄・成功
an increase / a rise / a growth 増加
a decrease / a decline 減少
a tool / an implement 道具・器具
a lack (of A) / a shortage (of A) / a deficiency (of A) (Aの)不足
a drawback 欠点
a benefit 利点
a difference 差異
a similarity 類似点
これらの前後に形容詞(句)をつけるとさらに英語らしい表現にできますよ😊
a new trend on school lessons
a system for online lessons
さきほどの動詞の語法と合体すると以下のような英文を作ることができます!
Nowadays, a lot of high schools in Japan have introduced digital devices such as iPad to their lessons. This new trend on school lessons enables students to have a time to communicate with others. It will lead to a change in students' attitude during lessons. For example, they cannot have a chance to fall asleep.
こうなります😊!
this new trend(この新しい傾向)は、前の文の内容を言い換えていることになります。このように前文で書いた内容を言い換えて、主語に使うときに便利なんです。こうすることで、it, people, theyなどの代名詞の数を減らすことができます。また助動詞の使用頻度も少ないです。今回5文書いていますが、theyとit、willとcanは1回ずつ!
動詞の語法と名詞を活用することで、接続詞を使わなくても繋がりのある文章になっているのもポイントです。
ぜひ活用してくださいね!
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