名詞を置くことができる場所
そもそも名詞ってなんだったっけ?
名詞についてはChapter 1の最初のページ「品詞を理解する 名詞と動詞」で説明しましたね。どんなものが名詞だったか、1つか2つくらいは覚えていますか?名詞は1単語で済むものもあれば、複数の語のカタマリから成る場合もあるんでしたよね。それらの文法的な要素を含めると、名詞には全部で7つのカテゴリーがありました。
前に使った画像で軽くおさらいしましょう!
これらが名詞という品詞の全容です。各グループのなかにそれぞれサブグループがあり、細かいジャンルで言えば24種類くらいあるんですね。大きいグループで考えれば、中学校でも実は、左の名詞からなんと右側から2つ目の接続詞まで学習しているんです!サブグループですと、10種類くらいは中学校でも網羅しています。「あ~…なんか、見たことあるかもな…」くらい思い出せたら上出来です!この教科書でまたインプット・アウトプットを繰り返して、習得しちゃいましょうね😊
名詞を置くことができる場所
文章を構成する要素として、「主語」「動詞」「目的語」「補語」というのがあります。これは中学校でも高校でも「文型」と呼ばれる文法として学習します。(中学校では専門用語は使わずに紹介しているところが多いと思います!)
この4つが全員集合している例だと以下のようなものがありますね。自己紹介のときに言うフレーズです。
You can call me Keiko.
わたしのことはケイコって呼んでね。
5つの単語が使われています。どの単語がどの要素で、どの要素に名詞を置くことができているのでしょうか?
少し考えてみてから、下にある、要素ごとに分解した図を見てください!
この教科書では、助動詞は「主語の変化による、面倒な動詞変化を起こさない」ための大事な存在なんですが、助動詞のことは「動詞の仲間としてカウント」しておいてください。ですので、実質、ここには先ほど紹介した4つの要素が並んでいることになります!
名詞を置くことができるのは「主語」「目的語」「補語」に相当する場所だということが分かりますね。(動詞には名詞を置くことはできません!)この3箇所は、名詞であれば、どんな形のものも、どんな長さのものも(意味さえ通じるのなら)置くことができます。
1.主語に名詞を置く
例えば主語に動名詞を使うことで、以下のように少し長い主語を作ることができます。
英作文や英会話をしていて、ついつい主語が「I」(わたし)ばかりになってしまう方は、動名詞(動詞のing形)を主語にするのを意識してみるとレパートリーが広げやすいかもしれないですね😊
でも長すぎる主語は、英語では好まれないので、気をつけましょう!これについては、のちのち、「長い主語は嫌いという英語の特性」という単元でお話しますね!
2.目的語(動詞の後ろ)に名詞を置く
主語と同じように、目的語にも長い要素を置くことができます。
上の文章では、接続詞thatが長い名詞のカタマリを作っていて、それが動詞believeの目的語になっています。詳しい扱い方に関しては、こちらも後のページで説明していくのでご安心ください!まずは「名詞とは短くも長くもなりえて、それは目的語に置ける」のだということを理解しましょう。
ちなみに、目的語を後ろに取るのは動詞だけではないのです!それが次の3番です。
3.目的語(前置詞の後ろ)に名詞を置く
前置詞とは、at、on、in、about、of、with、fromなどのことを指します。これら前置詞の後ろには必ず単語が置かれるのですが、それもまた「目的語」なんです。「前置詞にとっての目的語」と、わたしは呼んでいます。前置詞の後ろには目的語が来る、ということは、そこに入る単語の品詞は「名詞」となります!目的語=名詞と考えてOKです。(名詞は、主語・目的語・補語になりえますが、目的語は名詞にしかなりえません)
例文ではふつうの名詞を前置詞の後ろに置いています。ここで注意したいことが1つあります!前置詞にとっての目的語のとき、置けない形の名詞があります。
不定詞は100%置くことができません。前置詞の後ろに動詞を置きたいときは、必ず動名詞変化(-ing)をさせてください。原形のままは一番NG!
接続詞のなかでthatは置けるときと置けないときがあります。thatの場合、決まりきった表現があると考えてください。
in that SV SがVするという点では
except that SV SがVすることを除いて
接続詞thatのカタマリが前置詞の後ろに続くときは、この2パターンだけ!
不定詞と接続詞that以外の名詞(代名詞・動名詞・疑問詞・複合関係詞)は、前置詞の後ろに置かれ、前置詞のカタマリを作ることになります。
ざっくり訳すとどれも「(犬と暮らし始めたから)その犬についての本を読んだ」という意味になる、以下の例文で見比べてみましょう。太文字の部分は名詞のカタマリです。
・I started living with a dog, so I read a book on its traits.
犬と暮らし始めたから、その犬種の特性についての本を読んだ。
・I read a book on keeping a dog as a family member.
家族の一員として犬を飼育することについての本を読んだ。
・I read a book on how to treat a dog.
犬の扱い方についての本を読んだ。
・I *went through whatever books I had to read before living with a dog.
犬と暮らし始める前に、理解しておかなければならない本ならなんでも読んだ。
*go through = read
それぞれの文法の使い方・作り方は、やっぱり後で!詳しく書いていきますのでご安心ください😊
4.補語に名詞を置く
最初の文「You can call me Keiko」を思い出してください。この中のどの単語が補語だったでしょうか?覚えていますか?😊
正解は「Keiko」です!
補語というのは「名詞に対する説明」を加える役割があるんです。上の文では「me」の説明となるのが「Keiko」(という名前)です。この形を取る動詞は他にもいくつかあります。SVOC、第5文型と呼ばれる動詞が当てはまります。でも、その中でも名詞を補語にとるものは限られてきます。
「make」「name」「call」と、考える形の動詞「think」や「consider」がよく使われます。以下の例文の太字が「補語」です。この文構造では、目的語に対して、どんな目的語なのかを補語が説明しているんです。
・The movie made him a star.
その映画は彼をスターにした。
・My sister named the dog John.
妹はその犬に「ジョン」と名付けた。
・I think her an attractive girl.
私は彼女を魅力的な女の子だと思う。
・She considers him a part of her family.
彼女は彼のことを家族の一員だと考えている。
こんな感じです!中学生や高校1年生の並び替え問題でよく目にしますね。
補語はもっと単純な文構造でも使えます。こっちはメジャーです。誰もが使っています。それは、状態動詞「be」や「become」の後ろです。
・I am Keiko.
私はケイコです。
・I became an English teacher 5 years ago.
私は5年前に英語の先生になりました。
・It is an exciting and job.
それは刺激的な仕事です。
この構造をSVC、または第2文型と言います。大事なのは、補語が主語の説明をしている、という点です。私という存在(I)、それという存在(It)の説明ということです。
このように補語に名詞を置くことはあっても、使用パターンはかなり限られています!しかも例文からも分かる通り、名詞部分の構造が複雑化することはほとんどありません。だから優先順位は一番低く、紹介の順番が4番目なんです。
これで名詞を置く場所をは網羅できました!今回はあっという間に終わっちゃいましたね。次のページから、それぞれの名詞のカタマリの作り方をご紹介していきます😊
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