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品詞を理解する 名詞と動詞

はじめに

このページでは、品詞、名詞、動詞、そして助動詞について書いています。ただし動詞の変化は一切気にしないこととします!

そもそも品詞ってなに?

品詞とは

品詞というのは、言葉の役割ごとのジャンルです。15万以上もの英単語が現在使われているのですが、それらは11種類の品詞に分けることができます。

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品詞の種類

11種類もの役割を理解し、使いこなす!と思うと、ちょっとハードルが高くてイヤですね。というわけで、英語ビギナーズラックの方がいったいなにから先に理解すれば、てっとり速く英語が使える状態になるのか?を知るために、品詞の割合を見てみます。15万語を11種で割った均等の数がそれぞれ存在するのでしょうか?1品詞につき13,400語?

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現在使わている品詞の割合

参考:https://www.lexico.com/explore/how-many-words-are-there-in-the-english-language

なんと!名詞が半分を占めています。7万語以上は名詞なんですね。次に多いのがどんな名詞なのかを説明する役割を持つ、形容詞です。そして第3位に動詞が来ています。数が多い品詞から理解していけば、「英語を扱う」という意味では、名詞の使い方を覚えるだけで半分制したと言えますよね!物は言いよう?いいんです!

形容詞は名詞の説明ですから、名詞のカタマリとしてカウントされることがほとんどです。「a large dog」のようにです😉わたしはこのようなカタマリを「名詞のカタマリ」と呼びます。これって実質、名詞じゃね…? そういうわけで英語を組み立てるという観点では、形容詞の存在は二の次と考えていいでしょう。(形容詞について詳しくはChapter 2で執筆していきます。)

3番目に占拠率が高いのは動詞です。全単語の7分の1が動詞なんですね。動詞は、100%必須です。動詞無しでは、文章が成立しないからです。"A dog ... a dog..."しか言えなかったら、ゾンビのセリフみたいですよね。「犬がなんやねーん!」ってツッコミが必要になってしまいます。「犬が~をする」とか「犬が~という状態である」とするには、絶対に動詞が必要なんですね。

つまり、まとめると、最初に名詞と動詞という品詞への理解を高めれば、約7割の単語の使い方を制したということになり、それだけでもあらゆる表現が可能になってくるんです。名詞と動詞は文章の幹なんです。幹がなければ葉っぱは育たないですね。形容詞、副詞、その他の存在はすべて葉っぱです。あとからお水を与えて育てていけばOKなんです!


お硬いことから始めやがって…?

品詞の理解は、必ずしも並び替え問題や長文読解のためにあるのではありません!TOEICの4択問題のためだけでもありません!会話にこそ活きてくるものなんです。だから「なーんだこいつ構文読解派の英語教師か?」なんて誤解してUターンしたりしないでくださいね😉

社会人の方とお会いすると「実用的な英語を学びたい」とか「喋るための英語を学びたい」などのお話をよく聞きます。高校生でも、AO入試などで受験を終わらせるつもりの子たちは、受験テクニックなんて必要ないですから、「外国人の友だちができたときに英語で話せるようになりたい」と思っている場合も多いです。

「品詞の理解」についての記事は、そういう英会話重視の学習者のみなさんが、新しい角度で英語学習について考えるきっかけになったらと思っています。Chapter 1では、動詞と名詞が深く関係する文法について書いていきます。そしてChapter 2では、副詞と形容詞の役割を果たす文法について書いていきます。

INDEXの「はじめに」でも書きましたが、このマガジンは、センターレベルの大学受験の4択問題が効率的に解けるようになることが目標です。しかし!センターレベルを意識しつつも、小学生や中学1年生、そして社会人の方が学んでもいいように、受験テクニックではない視点も踏まえて執筆していきます。なのでもちろん、この記事は、英語学習ビギナーズラックの方々にも、入試にも、資格試験にも役立ちます!


REVIEW! 名詞と動詞を最初に理解するべき理由は?

おさらいです。

名詞と動詞は文章を組み立てるうえで必須な「 」ですね!

なにが入るか覚えていますか?😉忘れちゃった人は、少し上にスクロールすると、太字が見えてきますので、そこから答えを探してください!


名詞と動詞の使い方

名詞と動詞さえあれば、どんなふうにでも文章を作れるのでしょうか? 残念ながら、英語では置く順番が決まっています。これを文型と呼びます。文型には5種類あるのですが、これはまた今度!

今は名詞と動詞を理解するために文章を作るだけですから、小難しいことは後回しにしましょう。とにかく守るべき語順はこれに尽きます!

名詞(主語) + 動詞

1に名詞、2に動詞です。名詞は主語という場所に置くことができます。英語では、主語はいつでも文の先頭にいます。この語順は「主語(S)と動詞(V)で成り立っている」と言うことができ、SV文型と言います。訳し方は「SがVする」となります。「今向かってるよー」(I'm coming.)とか「よく走ってるよ」(I often run.)のような文ですね。個人的に、この文型を使う頻度は、他に比べるとあまり高くないように感じます。

おそらく使用頻度が1番高い文型はこちらです!

名詞(主語) + 動詞 + 名詞(目的語)

名詞、動詞という語順は99パーセントの文章が使う語順ですので、そこは同じです。こちらでは動詞のうしろに新たな名詞を続けます。名詞は目的語の位置(動詞のうしろ)にも置くことができるんですね。これはSVO文型と言い、「主語が目的語(O)を動詞する」、つまり「SがOをVする」と訳せます。「わたし犬飼ってるよ」(I have a dog.)とか、「コーヒーを毎朝飲むよ」(I drink coffee every morning.)とかですね!

名詞と動詞の配置関係はこれでいったん分かったと思うので、次は「いったいどんなものが名詞の場所に入れるのか」を見ていきましょう!これが超超超重要なんです!ここからが本番と言っていいレベルです。


名詞についてもっと詳しく!

まずは名詞から掘り下げていきましょう。記事の冒頭で、それぞれの品詞の役割を説明した表があったのを覚えていますか?ではみなさんの記憶力に挑戦します!

Q1 名詞について、なんと説明していたでしょうか?
Q2 名詞という文字の背景色は何色だったでしょうか?
Q3 名詞と同じ背景色が使われていた、もう1つの品詞はなんという名前だったでしょうか?

※脳は、「大事だぞ」と繰り返し強調されていない情報は忘れてしまう仕組みなんです。わたしは繰り返し説明をしていませんので、忘れていて当然です。でも色の情報は表と円グラフとで2回登場したので、もしかしたら覚えているかも!?五感のどれかが活用されると、記憶しやすいという仕組みもあるんです。色なので今回は視覚ですね。1つでも覚えていられた方々は、記憶力か観察力が高いのかもしれません!すごい!※

それでは答えを確認しながら、説明をしていきます!

名詞とは

最初の表では、名詞とは「ものごとの名前」「『~すること』『~であること』も仲間」だと説明していました。思い出せていましたか?😉

もっと記憶に残ってもらうために、もっともっと具体的にしていきましょう!説明では2つのカテゴリーがあるかのように書かれていますが、それはあくまでも大きな枠です。次の図を見てください。名詞の全体図といえます。

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名詞を作ることができる文法とその形

「名詞」というカテゴリーの下に、7つのサブカテゴリーがありますね!これはすべて「名詞を作ることができる単語・文法」です。ざっくり見ると、オレンジと緑、2種類の色に分かれています。

オレンジ色は「ものごとの名前」を意味する名詞です。その1単語が名詞という品詞を持っているんですね。そしてQ2の答えですが、図でも使われている黄色です!Q3の答えはオレンジ色のところにもある、代名詞となります。

緑色は基本的に「~すること・~であること」という名詞のカタマリを作ることができる文法です。緑色は、さらに2色に分かれているのが見えますか?緑のなかの左側2つ「動名詞・不定詞」は、「動詞を変化させて名詞を作る」仲間です。これを名詞句と読んでいます。右側3つは「疑問詞・接続詞の後ろに文章が続くことで名詞を作る」仲間です。これを名詞節と読んでいます。共通しているポイントとして、緑色の名詞は、長い名詞のカタマリを作ることが多いというものがあります。

ここで重要なのは、長いカタマリも名詞になるんだ、ということを覚えておくことです!細かい名詞のつくり方については、今後1つずつ説明していきます。今の段階では、名詞にはどんなものがあるのか、というのをざっくり把握するくらいに留めておきましょう。以上が名詞という品詞の全体図でした。


動詞についてもっと詳しく!

動詞とは

動詞とは、主語(動作主)の動作や状態・存在を説明する単語です。動詞のなかにもまた、名詞と同じように、いくつかのカテゴリーが存在します。下の図を見てください!

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動詞の分類図

さきほど確認した文構造は左下に載っていますね!「SがVをする」と「SがOをVする」の2つです。図のなかに使われている英文の動詞は、現在形(ふだんVする/である)だったり過去形(過去にVした)だったりしています。

ここで動詞のやっかいなところ、中学生でも高校生でもついつい忘れてしまうポイントなのですが、動詞の変化があるんですよね!日本語にはないから、めんどくさいんですよね!動詞は「時制」と「主語の人称」によって変化します。

「私」が主語で「be動詞」を動詞に使いたくて「~だった」という過去形の文章だから「was」だ!

とか、

「彼女」が主語で「play」を動詞に使いたくて「~する」という現在形の文章だから、三人称単数現在形の「s」を動詞につけないといけなくて、「plays」だ!

とか、こういうやつです。英語を習いたての方がイヤだなーと感じてしまうやつですよね。動詞の変化は色々な言語が持っている特徴なんです。だから第2外国語(フランス語とかドイツ語とか)を勉強しはじめるときに、英語よりも厄介な人称変化に出くわすことになり、そのとききっと初めて英語の人称変化は簡単だったなーと思えます!

でも第2外国語を学習しはじめるタイミングなんて、ふつうは大学生です。中学1年生から大学1年生のあいだ、ずーっと「英語は人称変化と動詞の変化が無理すぎてイヤになった!」という気持ちを抱えてたら、すごくもったいないんです。だって英語が理解できれば、日本語で手に入る情報の、最低でも2倍の量は理解できるようになるってことですから!日本語で検索してもヒットしなかったのに英語では欲しかった答えが出てくる、という経験をきっといずれ体験します。

そういうわけで、どうするか!?というと、人称変化を無視するコースを最初に選んでしまえばいいんです。正しい文章を作りながらも、動詞の変化や人称変化を気にしないでいいコース。それは動詞の前に「助動詞」を置くことで叶います。

助動詞とは

助動詞とは、「主語の主張をより正確に伝える」存在です。たとえば、いつでも「明日は晴れる」とは断言できないですよね。「明日はたぶん晴れる」と言葉を濁したり、「明日は晴れる可能性がある」と予想するときだってあるはず!そして、「私は窓を開けますか?」と聞くのは日本語でも変です。「窓を開けてもいいですか?」と許可を求めたり、「窓を開けましょうか?」と提案したりするものですね。これが助動詞の役割です。

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助動詞の分類図

上の図は、助動詞を2つのカテゴリーにわけたものです。1つは、助動詞そのものが、動詞と同じように人称変化を行うグループです。これらはbe動詞や一般動詞をもちいた表現なので、動詞のルールが適用されてしまいます。ここに書いた以外にもたくさんありますが、今回は人称変化をするという点から無視するので、気にしなくて大丈夫です!(だから厳密には助動詞は18個じゃないんですね)

もう1つのグループは、人称変化をしない助動詞の仲間です。どんな主語がきても、canはcanのままだし、mayはmayのままです。過去形を持つ助動詞は決まっているので、過去形変化は4つほど覚えるだけです。(点線以下は発展的なのでまだ考えなくて大丈夫!)一般動詞の変化を覚えることに比べたらハイパーらくちんですね~!学校教育でも、一般動詞より助動詞から始めたらいいのに、と真剣に思います。


2つの名詞と1つの動詞と1つの助動詞で文章を完成させよう!

まとめ

最後に軽くエクササイズに取り組んでこの回を終わりにしましょう。みなさんがこのページで学んだことを思い出してみてください。新しい知識がたくさんありすぎて、よく分からなくなってしまった方もいるかもしれません。そこで、カッコ内を埋める形にして要点だけを思い出していきましょう!


1.名詞には1語で済む短いものもあれば、「①」名詞のカタマリもある。
2.英文では語順が決まっていて、基本的には 「②」語(S)→「③」詞(V) から始まる。
3.「③」のうしろにはもう1度名詞を置くことができ、これを「④」語(O)と呼ぶ。
4.動詞は人称変化や時制によって色々と変化してしまうので、まずは人称変化のない「⑤」詞(canやmayなど)を使って英文を組み立てていく。


思い出せましたか?😉


答えはこちらです。

①長い ②主 ③動 ④目的 ⑤助動

これらの文法用語は何度も繰り返し登場します!少しずつ覚えていきましょう。


Exercise

最後に、並べ替えのエクササイズに取り組みましょう!並べ替えといっても、品詞ごとのカタマリになっています。今回習った「名詞」「動詞」「助動詞」を各語群から選択し、以下の図のように並べて、文章を作っていきます!意味が通じるように、うまく選んで組み合わせてくださいね😉

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[名詞の語群]
🌟「~は」は主語のみ、「~を」は目的語のみに使えます🌟
・I(わたしは) ・Mr. Suzuki(鈴木さん) ・Ms. Williams(ウィリアムズさん) ・me(私を) ・her(彼女を) ・him(彼を) ・polar bears(しろくま) ・seals(あざらし) 
・an everyday habit(毎日の習慣) ・an animal living on the ice(氷の上に済む動物) 
・writing in English(英語で書くこと) ・getting new knowledge(新しい知識を得ること) ・walking around for no reason(理由なく歩き回ること)

[助動詞の語群]
🌟1つの助動詞につき複数の意味があるものが多いです🌟
・can(Vできる/Vする可能性がある/Vである可能性がある)
・should(Vするべきだ)
・will(Vするだろう/あくまでもVしようとする)
・might(Vするかもしれない/Vであるかもしれない)
・used to V(かつてVしていた)※過去の話

[動詞の語群]
🌟助動詞の後ろは動詞の原形(なにも変化していない形)を起きます🌟
・like(~を好む)
・enjoy(~を楽しむ)
・practice(~を練習する)
・stop(~をやめる)
・keep(~を続ける/~を飼う)
・be(~である)

どうですか!?最後に、わたしもいくつか作ってみたので、参考にしてください!もちろん語群以外の名詞・動詞・助動詞を使ってもらってOKです😃1分で何文つくれましたか?タイムアタックをすると楽しいですよ!

Mr. Suzuki used to keep seals.
鈴木さんはかつてあざらしを飼っていた。

Ms. Williams will enjoy getting new knowledge.
ウィリアムズさんは新しい知識を得ることを楽しむだろう。

Polar bears might keep walking for no reason.
しろくまは理由なく歩き続けるかもしれない。

Writing in English can be an everyday habit.
英語で書くことは、毎日の習慣になりえるかもしれない。

I should practice writing in English.
私は英語で書くことを練習するべきだ。

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