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TCK(サードカルチャーキッズ)親のオンラインコミュニティ一年経過しました

一年前からFBで「TCKままのグローバルコミュニティ」という名の
無料メンバー制オンラインコミュニティを主宰してます。

TCKとはサードカルチャーキッズの略で
Third:3つ目の
Culture:文化を持った
Kids:子どもたち

簡単にいうと、親の文化を1とした場合
その文化以外(2)で0〜18歳までに長期間育った場合に
生まれる3つ目の文化、という意味。
身近な例だと帰国子女というとわかりやすいかもしれません。


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Aさんの場合

Aさんは親の転勤で6歳の時日本を離れて、アメリカで育ったとします。
親がAさんがバイリンガルになるようにと現地校を選んだため
学校に慣れるまで半年、簡単な会話ができるようになるまで10ヶ月ほど
かかりました。

そこから更に友達ができるまで半年かかり、母親の努力もあって
やっと誕生日パーティーの招待されるように。
そのまま4年間を過ごし、中学受験を考えて母親と日本へ帰国。
以前住んでいた家の近くの公立小学校へ通い始めました。

最初は流行りのアニメやゲームを知らなくて、なかなか
一緒に遊べる仲間はいませんでした。幼稚園の頃のお友達には、それぞれ
仲良しの友達がいたので、また一緒に遊べるようになるまで時間がかかりました。

Aさん一家が住んでいた地域はお金持ちの家庭が多く、放課後になると
他の子どもたちのようにスポーツクラブへ行ったり、家に先生が来て
バイオリンを習ったり、家でお母さんと日本語の勉強をする生活を送っていました。

友人たちは大きなプール付きの家に住んでいたり、車が何台もあったりしたので
日本に帰ってきた時に感じた
「どうして日本のお家はアメリカのお家と違って小さいのだろう?
アメリカでは自分のお部屋に大きなベッドがあって、大好きな大きな
ぬいぐるみも置けたのに。日本に持ってきたかったけど、ママに
大きすぎるからダメって言われて悲しかった」
あの記憶は決してなくなることはありませんでした。

Aさんは頭の回転が速く、学業についていくのはそれほど大変では
ありませんでした。クラスでも優秀な成績を取れるようになって
ご両親も安心していました。

でもAさんの心の中には、ある種の「違和感」がつきまとっていたんです。
それは、みんなと話している時に時々、自分が発言した後に
一瞬の「間」があることに気づいたから始まったんです。


自分はいけないことを言ったのだろうか?
私はみんなに迷惑をかけているのだろうか?


母親に相談したけど、「あなたの思い過ごしだよ」と真剣には
取り合ってもらえず、誰にもうまく言えず悲しい気持ちを抱えたまま
大人になったAさん。ある日、TCKという本に出会います。

TCKという本に出会った


その本には、Aさんが子供の頃から感じていた違和感や、どこにいても
自分はそこに属してないという感覚などが、他の人の言葉で
綴られていました。
私だけがそう感じていたんじゃなかった!
そして全ての違和感は自分のせいじゃなかったんだ!
ということを初めて知ったのです。


Aさんの場合は、バイリンガル環境によってもたらされた
英語と日本語の感覚の違いと、自分の意見をちゃんと持つという
環境に住んでいたことによる当たり前のことが
日本の文化では受け入れられ難かった、ということなのですが
それを自分のせいだと思い込んでしまったっことで
自己肯定感が低くなっていたわけです。


決してAさんのせいじゃないのに。


グローバル化によって人の移動が増え、TCKは別に珍しい存在では
なくなりました。日本でも多様化、多文化共生という言葉を見かける
ようになり、帰国子女、国際結婚や外国人労働者が増えたことで
外見や習慣の違いを受け入れることについて
考えざるを得ない状況になった、ということでしょう。


我が家の子供たちは現在25歳と23歳。思春期には順番に鬱になるという
経験を乗り越えてきました。彼らを育てながら知ったTCKという言葉は
当時日本語の情報もなく、なんとなく、しか理解していませんでしたが。


3つ、4つ、うちの場合はそれ以上の文化に触れているので
CCK=Cross Culture Kids と呼ばれますが、彼らの持つ特徴の例で
こんなことが言われています。

TCK/CCKには独特のアンテナがあること。
カメレオンのような多面性を持っていること。
TCK /CCK同士は出会った時から目に見えない絆のようなものが
生まれること。

夫の転勤とはいえ、子供たちを連れて海外引越しを9回もしたので、
子供たちが辛い経験を多くしていたことは事実です。
今、我が子たちは私たちが住んだことのない国で逞しく生きています。
困難を乗り越えながら、生きる力を自分たちでしっかり育てています。

一年後思うこと


海外子育てを終えた今だから伝えられることが必ずあるはずだと思い、
始めたコミュニティで私が目指すのは、アイデンティティ問題を親子で
話し合える環境を作ること。
親も子もTCKのことを理解しておくことが、世界中にいるTCK家族にとって
少しでも困難を乗り越える時の助けになると強く信じているから。


現在毎月の勉強会と交流会を開催してます。口伝てで世界中からご参加いただいてオンライン開催の良さを実感しています。


人の価値観は変わっていくもの。私の価値観さえも。


私自身もこの活動を通じて、本当の多様性とは、違う価値観を受け入れて
ジャッジしないことだと学びました。
だからこれからも、誰かのお役に立つ限り伝えていきたい、と心から願っています。

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