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シリア

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2007年~2008年に、シリアに行ったことを機会に、続くシリアの縁。いまでも交流のあるシリア国内外の友人たちの言葉、ヨルダンやレバノン、トルコのシリアに触れたときのことを紡ぎま…
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#中東

シリアに魅せられて

ちょっと探し物をしていたら目に留まった、2007年にシリアへ渡航した際のパンフレット。 シリアの魅力は、特に歴史や世界史好きにはたまらない、遺跡や文化。 けれど何よりも、私がシリアに魅せられたのは、シリアの人たちの純粋さ、素朴さ、そして温かく優しいホスピタリティ。 常に、隣人をケアすることを忘れない。 何か痛みを抱えていても、悲しいことがあっても。 そっと優しく寄り添い、甘いシャーイを出してくれる。 そしてまた、長い歴史を持つシリアという国を誇り、シリア人として生

シリアについて思うこと

今週、シリアについてお話しする機会があった。 いまのシリアのことをお話ししたり、呟いたりするときに、彼らを「かわいそうな人」としないことを心掛けている。 ある特定の場所、あるいはある特定の一時の人を「かわいそうな人」と印象付けてしまったら、ほかの人は?爆撃が止んだあとの人は?ほかの地域の人は?と、”比較”されてしまう気がするから。 どこに住んでいても、シリア国内でもシリア国外でも、キャンプでも壊れた家でも壁や屋根のある家でもどこでも、いまこの空の下で生きているシリアの人

シリアと中東関係の本棚

シリア・中東関係の本の記録 1.パトリック・キングズレー著『シリア難民』 あるシリア難民の、国を脱出する旅を追った記録。 2.ジャニーン・ディ・ジョヴァンニ『シリアからの叫び』 2012年、シリア各地に生きる人々の声の記録。前線で闘う戦闘員へのインタビューも興味深い。難民として生きる女性たちの記録も。 3.デルフィーヌ・ミヌーイ著『シリアの秘密図書館』 包囲された東グータの地下に作られた、図書館の記録。知識を得ることは、人間らしく生きることの要であると教えてくれる

映画『娘は戦場で生まれた』

女性であり、母であり、ジャーナリストであるシリア人の目線から見た、包囲されたアレッポでの”日常”が、映画になった。 昨年ぐらいだろうか、ナショナルジオグラフィックのサイトから知って、ずっと観たいと思っていた。幸運にも、出張がキャンセルになり、初日に観ることができた。 *********** 2007年末~08年明けに行ったアレッポ。そのとき見た風景の面影が、崩れた建物が広がる街にあった。ツイッターとFBと、この記事のヘッダーはその当時のアレッポ。 ふと、先日公開した記

ハラの記事を書くにあたって

先日、ハラという女の子のストーリーを掲載した。 彼女とは、何度かメールでやりとりし、サマーキャンプで撮影された動画を見て、ハラというひとりの女の子と向き合った。 記事よりも長くて、彼女独特の詩のような表現もあって、文章にしたかったけれど、訳してしまったら、言葉に込められた思いが消えてしまう気がして、なくなく記事からは消した。 彼女のストーリーを書くうえで何よりも大切にしたかったのは、彼女が繰り返し私に言ったこと。 「私はサバイバー。被害者じゃない」 「被害者と思われ

ゼイン 2019年11月

何で英語で書いて、これを共有したいのか自分でも分からない。 2013年6月、自分はシリアを離れた。最初の2年間、ダマスカス郊外で最初の救援チームとして血みどろでそれは残酷だったところで活動していたときの記憶が、悪夢となりついてきた。 そして、たぶん自分の脳はこうした悲惨な記憶を消すという抵抗を学んだんだ。 先週までは。 自分がやってきたことを考えては、それを記憶から消してきた。でも1週間前、XXモスクで起こった殺戮の隅々を思い出すようになった。それからずっと、いい記憶

シリアとパレスチナのお母さんの味

レバノンでシリア難民とパレスチナ系シリア難民のお母さんたちから、家庭料理を教わる機会があった。 ①モロヘイヤスープ(Molokhiya) シリアやパレスチナ、エジプトやレバノンでも食べられるモロヘイヤスープ。家庭料理なので、少なくともベイルートでは、レストランで見かけることはなかなかない。大好きなモロヘイヤスープ。ずっと食べたくて、作り方を知りたくて、今回リクエストしたものだ。 モロヘイヤは、今の時期がちょうど旬。普段は乾燥モロヘイヤを使うが、この日はフレッシュなモロヘ

2019年10月 アズハル

友人たちが北東部で何が起きているのか、尋ねてくる。 北東部は、もともとアル・ジャジーラと呼ばれていた。川に囲まれていることからも分かるように、島という意味だ。ロジャバと呼ぶのは、西クルディスタンという意味で、ナショナリストのクルド人が呼ぶ新しい言葉だ。 この地域は、アラブ人、アッシリア人、シリア正教の人々(Syriac)、アルメニア人、そしてクルド人。クルド人だけじゃない、でも、大多数は60年代以降シリア政府によって、クルド語での学びを奪られ、制度的に差別されてきたクルド

2019年6月 アリム

シリアの状況はいいよ。チェックポイントの数も減ってきたし。東グータに行くのが、少し大変かな。でも前よりはましになった。あそこは移動の制限があるけれど、ものも入ってきている。爆撃がなくなった。1年前より、だいぶシリアの状況はよくなったよ。 でも、今度は経済戦争(Economic War)だ。アメリカの経済制裁のおかげで、シリア国内の経済はかなり悪い。シリアポンドの価値が下落している。いまはもう600シリアポンドだ。こんなに価値が下がっているのは、紛争が始まってからいままで、ず

2017年4月 アラム

自分の国の価値が、Twitterの制限文字数の限りだなんて! (シリア人の友人より 米国トランプ大統領がTwitterで、イドリブ化学兵器による攻撃の報復を発言したことに対して) (写真 シリア上空 2019年 筆者撮影)

映画「The Immortal Sergeant」

シリア人Ziad Kalrhoum監督の映画「The Immortal Sergeant」を鑑賞した。 同映画は2011年~12年にかけて撮影されたもので、シリア危機前に訪れた懐かしい場所の映像もあった。トークセッションで印象に残った彼の話を、ここに残しておきたい。 2010年、これまで兵役から逃げていたものの、それが見つかり徴兵に参加。その後、2011年にシリア危機が勃発し、徴兵を続けなければいかなくなる。配属された部隊は、シネマ(映画)担当。プロパガンダと言える政府や

シリア危機が信仰にもたらした影響

2018年、個人的に友人のツテを借りて、聞いたこと。あくまで、シリア危機のひとつの話として。 ******* シリア人の友人何人かが、ラマダンのときに断食をしなくなったと聞いた。周りにもいるのかと聞いたところ、シリア危機後、断食をしなくなった人が増えたという。シリア周辺国に非難するシリア人も。これまで宗教的繋がり、また宗教に基づいた氏族の繋がりが濃かったシリアにおいて、それは今後のシリア復興において、何かしら負の影響があるのではと考え、友人のつてをかり、オンラインで10人