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シリア

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2007年~2008年に、シリアに行ったことを機会に、続くシリアの縁。いまでも交流のあるシリア国内外の友人たちの言葉、ヨルダンやレバノン、トルコのシリアに触れたときのことを紡ぎま…
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2019年9月の記事一覧

2019年 アズハル

今度の連邦選挙の準備をしていたら、心が折れた。 第一に、僕は今まで、選挙で選ばれたことがない。 第二に、ここでは僕は、投票ができない。 (写真 レバノン・ベイルート シリア難民キャンプをテーマにした展示 2018年 筆者撮影)

2019年 アズハル

2019年3月 シリア政府の戦争犯罪を問う、いいニュースだ。 でも難しいと思う。スーダンのバシールを考えてごらん。 彼らはいまだ国のトップだ。 妻が妊娠したんだ。双子だよ。新しい仕事もはじめた。 新しい家を探してる。忙しい。でもまぁまぁいいよ。 2019年5月 (ねぇ、アメリカはシリアに介入すべきだったと思う?) 勿論、かれは全ての空港を爆撃するべきだった。でも彼はイランを愛した。 オバマは、シリアとイラク、イエメンでイランを強くさせた。 シリアの人々を対価に、イランと

2019年6月 アリム

シリアの状況はいいよ。チェックポイントの数も減ってきたし。東グータに行くのが、少し大変かな。でも前よりはましになった。あそこは移動の制限があるけれど、ものも入ってきている。爆撃がなくなった。1年前より、だいぶシリアの状況はよくなったよ。 でも、今度は経済戦争(Economic War)だ。アメリカの経済制裁のおかげで、シリア国内の経済はかなり悪い。シリアポンドの価値が下落している。いまはもう600シリアポンドだ。こんなに価値が下がっているのは、紛争が始まってからいままで、ず

2019年4月 ファヒム

1年後、状況は良くなると思う? たった1年以内じゃ、何も変わらない。まぁ、もしくは少しは良くなるかもしれない。でも、この8年、なんにも変わらなかったんだ、いや悪くなった。 シリアから離れようと思ったことはないかな。母がいて、面倒を見なくちゃならない。姉妹はシリア国外にいるから、自分が離れたら面倒を見る人が誰もいなくなってしまう。多くの若者はシリアから出ているよ、徴兵から逃れるために。分からない、政治関係の話はしたくない。 いまの仕事があるから、シリアを離れない。自分の妻

2018年 アズハル

2018年1月 これは面白い。 https://twitter.com/joeyayoub/status/917503621444579328 2018年1月 (共通の友人にある。) ちょうどその友人と話してたところだよ。 あぁ、また会いたいね。 きみはどこでも僕の友達にあるのに、僕はそこにいない。 変な気持ちだ。いつか会いに来てね。 2018年10月 (私は、ホワイトヘルメットをヒーローとして称えることで、 世界が彼らに全ての責任を負わせているのでは、と聞いた。 彼ら

2018年11月 バシーム

出身は、キリスト教徒の古い町で、有名だよ。すごくきれいなんだ。 北にある山はレバノンとつながっていて、そこからテロリストがやってきた。そのとき、住民が、僕の友人も町を守るために戦ったんだ。状況がどんどん悪くなって、僕たち家族はダマスカスに移ることにした。自分も、友人たちが亡くなっていたしね。 今はもう、ダマスカスは普通だよ。東グータの時は反体制派からの砲撃がすごかった。あ、そういえば、一回、家に落ちたことがあったよ。 12月31日、家族で新年を祝うために、一同で集まって

2018年 ファヒム

(日本人は退避勧告が出ているので、シリアに入れない)だったら、もう7,8年もシリアに住んでいる自分たちは、どうなんだ? (シリア北西部の情勢について)トルコとロシアが、何らかの合意をしたらしい。水面下で。僕らの知らないところで。 だから、何がどうなるか、僕らには分からない。 (写真 レバノン・ベイルート 2018年 筆者撮影)

2018年4月 ナシール

家族はホムスにいるよ。お母さんとお父さんも。兄弟は3人で、みんな男。だから(家の中は)うるさかったと思う。 自分はダマスカスで法律を勉強していたんだけど、紛争で辞めなくてはならなくなった。ちゃんともう一回、法律と英語を勉強して、自分の事務所を持ちたい。 上の兄は、アレッポで兵士。下の弟は、大学で法律を勉強しているよ。 お母さんには、毎日電話してる。お父さんには...たまにかな。ほら、シリアでは男の子はお母さんが好きだから。兄にも電話するよ。無事かどうか。 自分はシリア

2018年4月 カリーム

君のところで働けない?僕は英文学を勉強して、英語を話せる。でも紛争で、それが終えられなかった。もっと、語学スキルをあげたいんだ。 紛争がはじまってシリアを離れた。もともとは、ホムスだよ。家族はシリアにいる。時々帰るよ。 徴兵されないために、シリアを出たんだ。シリアでは、若い男が徴兵される。だから、みんな国を出た。お母さんが、僕に国を出ろって言ったんだ。徴兵されて、殺したり、殺されたくなかったから。僕もそう。誰かを殺したり、殺されたくない。 4年、シリアの外に住めば、戻っ

2018年4月 イーサ

疲れたよ。 Facebookで(アメリカの攻撃に関する)友達の投稿を見て、眠れなくて。 自分は丸一日、働かなくてはならなくて。 アサドが化学兵器を使ったっていう証拠はないのに。バシールが、アメリカの攻撃でシリアはひとつになったと言ったんだ。 見た?ダマスカスだけじゃない、シリア全体で、アメリカの攻撃の非難と、政府を支持するデモがあったんだ。 政府は自分たちのため、シリアのために闘ってくれている。ロシアとシリアが、アメリカの爆撃を撃ち落としたんだ。 アメリカはイラク

2018年3月 マラム

毎日、シリア国内にいる家族に、生きているかどうか確認する。 それが日課となっていることが、どんなに辛いことか。 (写真 シリア・ダマスカス 2007年12月 筆者撮影)

2018年2月 イーサ

君の笑顔は、僕と僕の友人たちの幸せの源なんだ。 いつも会いに来てくれて、ありがとう。僕らは君を守らなくちゃならない、君が笑っていられるように。 僕らの国は紛争が起こって、破壊されている。僕たちは心から、楽しみや幸せを広げ、世界にシリアの人々は平和を愛し、愛を広めたいのだと伝えたいんだ。自分たちの間に、悲しいことが起こっていても。 (写真 レバノン・ベイルート 2018年 筆者撮影)

2018年6月 イーサ

シリア人として、共存し、互いにうまくやっていけると思う。シリア危機以前も、一緒だったんだ。だけど、過激派や外国がシリアの歴史と共存を壊そうと介入してきた。 理性的に考えて、これらの課題は乗り越えられると思う。でも難しい。けれど、科学や文化、啓発で、良い未来をつくるための新しい世代をつくらなくちゃいけない。 あぁ、シリア危機を引き起こしている様々な要因により、人々は分断されている。世界は何が起こっているか、気づいていると思う。シリア政府と平和的な反体制派は、平和的な解決を見

2017年 アシール

一回だけ、アレッポに帰ったよ。 以前の面影はなくて、壊れた建物だけ。 ふーん、そうか。 ただそれだけ。 帰りたいって思っても、そこには何もない。 過去を振り返っても無意味だ。 前に進まなきゃ。 (写真 アレッポ 2007年 筆者撮影)