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ニューヨークで死なない保護犬と生きる 2

何度読み返しても、家族が欲しいとは思えない犬の紹介文の子に興味が止まらず、申し込みをした。すると、数日後にその犬を預かっているというおばさん(らしき人)から電話がった。

どんな家に住んでいるのか?他にペットがいるか?旅行に行く時は誰が面倒みるのか?家にいる時間は1日にどれくらいか等、想定内の質問だった。だから、私も彼女が聞きたいだろうと思われる回答をした。でも、最後にパピーミルを知っているか?虐待された犬を飼った事があるか?パピーミル?何それ?虐待された犬?飼った事あるわけないし・・・?えぇ?でも、私の答えは「知らないけど、知りたい」「飼ったことはないけど、幸せにする自信はある」と、これまた営業で培った相手の気持ちに常に寄り添うことにより、相手が聞きたい回答を瞬時に答えられる私は、はい!合格〜!?ということで、後日その根暗な犬に会いにいく約束を取り付けた。実際、パピーミルの事も知らず、虐待された犬なんて見たことないし・・・?という気持ちだったが、まぁ、いいかっ!行き当たりばったりの人生、どうにかなるさ。

ところが、後日「はやり、貴方にこの犬を譲渡できません」って・・・その理由は?「なし!」とにかくダメの一点張り。うわぁ、感じ悪い。「この根暗の犬を私が貰ってあげようとしてるのに?」「感謝の気持ちがないなぁ」って、常に上から目線の私。一旦は諦めたというか、まぁ縁がなかったってことで次にかわいこちゃんを探そう!と考えたが、夜な夜なネットサーフするものの、考えれば考えるほど、この私の何が悪いの?いや!これは私の盛り上がった気持ちをもてあそばれましたか?と、妄想が止まらない!それが保護団体への怒りに変わったが、やはりここは大人だから正直に、あなたに一度は良いと言われたのにも関わらず「やっぱりダメ」的な後出しをされてとっても傷ついてます的な内容の、そして少しだけ「そのやり方って酷くないですか?」というニュアンスのメールを送った。正直、返事を期待するとかいう気落ちはゼロで、ただ振られた腹いせに自分の気持ちを整理させるためにも最後のメールを書いたつもりだった。

メールを送って、これで私の気持ちは整理されて良し!と思っていたが、数日後その団体の別の名前の人から電話があり「私は是非、あなたにジャスティス(確か、そんな名前だった)に会ってもらいたい。でも彼女は異常なほどの恐怖心をもっていて、攻撃的ではないけど抱っこすら簡単にできないと思うけど、辛抱強く彼女を見守ることはできる?」と確認された。大体が、辛抱とか、忍耐とか、努力とか、根性とか・・・そんな言葉と無縁で生きているから「はい、はい、辛抱しますよ〜」やってみないとわからないしね(内心)軽いのりで返事をして、ついにJusticeという名前の根暗の犬に会いにニュージャージーまで週末に行くことになった。

とりあえず、犬を保護するとかいうよりも、レンタカーする、それ重要!そして、私と一緒に犬を見に来てくれる犬友達の確保、それも重要!だから、どんな犬なのか?虐待された犬?すっかり頭の中からすっとんでいた。

いざ、当日レンタカーをしようとすると全く予約が取れず、それでも会いに行くと約束してしまった手前、まさかのバン(車というよりもほぼトラック)しか借りれないけど後に引けなくなって、二人しか前に座れないバンに3人と1匹の犬を応援団として無理やり座ってもらい、運転したこともないバンを2時間以上運転をして、その根暗の犬に会いに行ったのだった。

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