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廃止されるジュニアNISAを開設した理由。今から使えるジュニアNISAのメリット

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの藏屋景子です。

みなさん、資産形成していますか??
iDeCo、つみたてNISA使ってる??

ジュニアNISAは第一選択にはならないNISAだ。
つみたてNISAやiDeCoといった選択肢が多い中で選ぶ人は少数派だろう。

ジュニアNISAは使っている人が少なくて、2023年に廃止となることが決定した制度。でもでも、実はジュニアNISAは廃止が決まってからの方が便利になっているのだ。

今回は2021年になってジュニアNISAを解説した理由を詳しく話そう。

うちでは
夫:つみたてNISA&iDeCo
妻:一般NISA&iDeCo
で資産形成中だ。

今回、3歳、9歳、11歳の3人分のジュニアNISA口座を開設したのだ。


ジュニアNISAが廃止となった背景

NISAと言えば、下記の3つが2021年現在使える制度だ。
・一般NISA…2014年スタート
・つみたてNISA…2018年スタート
・ジュニアNISA…2016年スタート

この中でジュニアNISAが残念ながら2023年に廃止となってしまうのだ。

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ジュニアNISA廃止の理由は、口座数が少ないから。

2021年3月の口座数を比較してみよう。
一般NISA 1,224万口座に対して、ジュニアNISA口座は50万口座。
一般NISAの4%ほどだ。
あとから始まった「つみたてNISA」は361万口座。
残念ながら浸透しなかったんだよね。

確かに口座数は少ないよね。
でもね、ジュニアNISA口座だけの口座数の推移を見てみるとおもしろい傾向が見えてくるのだ。

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終了が決まったのが2019年12月。
グラフを見ると、そこからグイっと口座数が増えていることが分かる。

なぜなら、終了が決まったことでジュニアNISAの使い勝手が良くなったからだ。デメリットが解消されたのだ。

廃止となったことを受けて、制度の規制が緩くなったのだ。とても便利な制度に変わったのだ。


ジュニアNISA廃止に伴う変更点

①新規に投資できるのは2023年末まで
2021年の今からだと、2021年の枠が80万円。
そこから2025年までは非課税で運用できる。

更に、2022年の枠が80万円。2023年の枠が80万円。合計すると 2021年からでも年間80万円×3年間=最大240万円分が投資可能なのだ。

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子ども1人でも240万円分の枠があるっていうのは大きいよね。
子ども3人のわが家の場合720万円まで使えるのだ。入金力がそれに追いつかないのが悲しいところだけれど(笑)。

②払い出し制限が解除される
ジュニアNISAのデメリットのうちの一つ。
それは「18歳までは払い出し制限がある」ことだ。

●ジュニアNISA口座における払出し制限
ジュニアNISA口座で保有する金融商品について、口座開設者本人である子や孫が、その年3月31日において18歳である年の1月1日以降には非課税で払出しができます。
それ以前に引き出すと、原則としてそれまでの運用益に課税され、ジュニアNISA口座は廃止されることになります。 出典:金融庁

つまり高校3年生の12月まで出金制限があるのだ。
それ以前に引き出すと「運用益に課税」「ジュニア口座廃止」のペナルティがつくってこと。

高校3年生の12月まで出金制限ってことは、実質中学受験や高校受験時には使えないのだ。
これはやはり使い勝手が良くない。

ところが、ジュニアNISA廃止に伴い、この「出金制限」が緩和されたのだ。

具体的には「2024年以降は、18歳になる前でも自由に出金できるようになった」のだ。

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これは大きい改革だね。
2023年までは資金が拘束されるものに、2024年以降は非課税で引き出せるのだ。


③18歳になるまで非課税で保有できる。
例えば2021年に11歳でジュニアNISAをスタートさせた場合。
ジュニアNISAの非課税期間は2025年末までとなる。
そこからさらに「非課税期間」を延長させて「※成人まで」非課税で保有することができる。
(※2022年4月1日から、成年年齢が18歳になります。)

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具体的には継続管理勘定という場所に移すこととなる(後述)。


ジュニアNISAの落とし穴

使い勝手が良くなったジュニアNISAも注意点がある。

①出金時の注意点
②非課税期間終了時の注意点
この2つだ。

①出金時の注意点

出金すると
・ジュニアNISA口座は廃止になる
・全額払い出すこととなる。

ことに、注意が必要!
引き出すことはできるけれど全額払い出ししか選択肢がない(泣)。

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ここはもっと柔軟性が欲しいところだよね。
一部引き出し、残りはジュニアNISA口座に残すという選択肢も欲しいところ。

惜しい!もう少し改善されたらもっと良かったのにな。

②非課税期間終了時の注意点
2021年に購入した分は、2025年末まで非課税で運用される。
青い矢印の部分ね。

その後が要注意。
その後も成人になるまで「非課税で保有できる」のだが、それには「ロールオーバー」という手続きが必要なのだ。

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恐らく証券会社からはメールでお知らせが届くはずだ。
このロールオーバーの手続きをしていないと、課税されてしまうのだ。

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ロールオーバーには2つのパターンがある。

①ロールオーバーして非課税運用の枠に入れる。
例えば、2016年に購入したものは5年間の非課税期間が終わる際に、ロールオーバーすることで2021年の枠に入れることができる。
同様のことが一般NISAでも行うことができる。

②ロールオーバーして継続管理勘定に入れる。
今回、伝えたいのはこっちの方ね。
2021年に購入したものは5年間の非課税期間が終わる際に、ロールオーバーすることで継続管理勘定に入れることができる

継続管理勘定っていうのは、そういう名前の「入れ物・器(うつわ)」と思ってもらえればいい。
ここに入れてしまえば非課税で運用することができる優れた入れ物。

ジュニアNISAという入れ物には5年間しか入れられないから、その後に継続管理勘定という入れ物に移す。これがロールオーバー。ロールオーバーすることで実質非課税期間が延長される。


わが家がジュニアNISAを使った理由

わが家がジュニアNISAを使った理由は大きく3つ。
①資産を分散させたかった。
②半強制的に貯められる
③子どものマネー教育

①資産を分散させたかった。
わが家の資産配分を見て欲しい。
夫がかわいそうなくらい、資産が妻に偏っているのだ(笑)。

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妻(私)は一般NISAと課税口座でわが家の試算の73%にもなるのだ。
実際はね、iDeCoも半分もってるから実質8割は妻。・・ごめんよ、夫。

どうにかわが家の資産を分散させたかったのよ。
でも夫のつみたてNISAは既に満額設定。iDeCoだと60歳まで引き出し制限あるしさ。
ってときに思いついた。ジュニアNISAあるじゃんって!

②半強制的に貯められる
ジュニアNISAは「子ども名義」である。
子どもとはいえ、自分ではないとそれだけで下すのに抑止力が働く。
加えてジュニアNISAの引き出しにはデメリットがある。そして、うちでは財源が「子ども手当」の貯蓄からなのだ。

トータルすると、引き出すことに対して心理的な抵抗が生じるのだ。
そのため、いい意味で「半強制的に貯められる」のだ。


③子どものマネー教育
実は子どもは投資をしっていたのだ。「あつもり」で。

ニンテンドースイッチのゲーム「あつまれ動物の森」をやったことある?
このゲームの中でカブの売買ができるのだ。
カブといっても、食べる方の蕪ね(笑)。


通常の株とはルールがちょいと違う。
・日曜日の午前中に買い
・土曜日の午後までに売り
・カブ価は毎日変動。午前と午後でも変わる。
・残ったカブは腐ってしまう

どうやらカブは腐ってしまうようなので、1週間のうちに売らないといけないようだ(笑)。
「今日は350ベルだから売っちゃうねー。」
「どうしよう全然上がらない。」

夫曰く「損切が難しい」ようです(笑)。

このゲームで
・カブ価は変動する
・安い時に買って高い時にうれば利益が出る。

こういう基本的なことを先に知っていたので、割と現実の株も受け入れがスムーズでした。


子どもに教えていること
・長期積立分散がセオリー
・基本売らない。バイ&ホールド。
このくらいかな。教えているのは。

9歳11歳は「よく分からない。怖いからたくさんはイヤ。」ってことでした(笑)。
なので、2021年1月少額でスタート。
毎月定額でインデックス型の投資信託を購入することとした。

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9歳11歳は毎月1,000円。
3歳は私が毎月20,000円に決めた。

購入したのは
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を1:1。
オルカンだけでもいいんだけど、基準価額の変動を比べて欲しかったので2つにした。

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しばらくたって、私がささやいた。
「ほら、見て3歳児の20,000円入金だと殖えるペースが早いよ!」

その後、慎重派11歳は徐々に金額を上げることに。
2021年10,000円、2022年20,000円、2023年30,000円。

イケイケGOGO9歳は一気に20,000円へ増額。
しばらくは様子見かな。

子どもにも、ジュニアNISAの証券口座を見せているよ。
投資を教えるというよりも、投資するのは当たり前なんだよ、特別なことではないんだよというのを身をもって知って欲しいと思っている。

興味がわけば自分から調べるでしょう。
私はただ最初のきっかけを与えるだけ。


ジュニアNISAを使った感想

入金がめちゃくちゃ面倒
これに尽きる。ほんとに。入金が本当に手間。

一般NISAやつみたてNISAと比べてみよう。
通常、証券口座内に入金が必要となる。銀行から証券口座内に入金をする流れとなる。

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そして、証券口座内の資金から商品を売買することとなる。

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この入金ってちょいと面倒なんだよね。
だからズボラな私は、入金する手間も省こうと思ったのだ。

そこで利用したのが「クレジットカード払い」。
クレジットカード払いにすると、口座内におカネがなくても購入することができるのだ。

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銀行にさえおカネがあればいいのだ。
毎月定額をクレジットカードで購入するように設定しているので、ほったらかしでオッケーなのだ。
投資は好きだが、投資に時間をかけるのは嫌いなのだ。

では、ジュニアNISAを見てみよう。

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親や子供自身の口座から未成年総合口座へ入金する。
その後「資金移動」して、ジュニアNISA口座へ移す必要があるのだ。
そう、手順が一段階多い。

この入金から資金移動を実際にやるとこんな感じ。

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・子の銀行より出金
・親の楽天銀行に入金
・子の総合口座に入金
・ジュニアNISA口座に資金移動

あーー、もう忙しすぎる。しかも子ども3人よ。
ここ何とかならなかったかなあ。

普段ウェブでほぼ入金出金買付全部できるのに。
なぜ、ジュニア口座、お前だけはそんなに手がかかるのだ。

ちなみに、今回のように「親の銀行から子の総合口座に入金する場合」は、「贈与」になるのでお気をつけて。
とはいっても暦年贈与が110万円なので、ジュニアNISA満額80万円使っても通常暦年贈与を超えることはないんだけどね。


ジュニアNISA口座に入れた資金が規制対象
そして、忘れたらいけないのがこれ。
資金移動の注意点。

ジュニアNISA口座にいれたおカネ自体が出金規制となってしまうのだ。

ジュニアNISA口座に入れただけでは、まだ商品を買っていない。
買った商品だけでなく、ジュニアNISA口座の資金自体がロックされることは注意。

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ジュニアNISAまとめ

ジュニアNISA口座についてまとめてみた。
ジュニアNISA口座を使うなら、デメリットを知ったうえで使おう。
・払い出しは全額出金&口座解約
・ロールオーバーを忘れると課税

ここまで、ジュニアNISAを力説してきたけど、第一選択は「つみたてNISA」だと思っている(笑)。
成人なら誰でも利用できて、いつでも解約できるのはやはりメリットだ。

子どもがいて、「子ども手当を長期間寝かせておくのはもったいないなあ。なにか活かせないかな?」って場合はジュニアNISAはいい置き場所だ。
その場合もやはりデメリットは考慮した上で賢く利用したい。

ジュニアNISA、いつかまとめたいと思っていた。


使うなら 賢く使え ジュニアNISA

では、また!!

ありがとうございます! モチベーションが上がります! 頑張ります^_^