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2020年度「情報社会と知的財産」振り返り

こんばんは。小谷恵子です。2020年度授業の振り返り、東海大学観光学部でのもう一つの授業は、「情報社会と知的財産」。

えっ?!って思うかもしれません。マーケティングの経営学者が教える科目じゃないような気もしますよね…笑 しかしながら、知的財産というのは、ブランドのコアな部分として機能しています。例えば、特許や実用新案、著作権、営業秘密やノウハウなどは、ブランドエクイティ(資産)になります。

例えば…特許をとるのか、営業秘密にするのかは、大きな経営の選択です。真似されたくない技術を持つ企業は、通常、特許を取得して、自分たちの技術を守ります。特許を取ると技術情報は公開されてしまいますが、営業秘密として厳重に管理することで、他社はマネできなくなります。ケンタッキー・フライドチキンのレシピは営業秘密なので、情報は公開されておらず、他で同じ味を味わうことはできないわけです。

また、日本ビクターが開発したVHSビデオデッキ。学生の方でも、お家にはビデオデッキが残っていたりするのではないでしょうか。今はHuluやAmazon Primeのサブスクで映像をみる時代になりましたが、その前はDVDをTSUTAYAで借りてくる時代、さらにその前はVHSテープでした。VHSを開発したビクターの開発チームは、特許で固めるのではなく、オープンソース化して、他社を巻き込んでVHS連合を作り、SONYのベータに戦いを挑んで勝った、という経緯があります。VHSは、世界でデファクトスタンダードを獲得しました。

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(日本ビクターのロゴになっているニッパーくん)

ビジネススクール在学中、この日本ビクターのケースは、組織行動の授業で、トランスフォーメーショナル・リーダーシップの文脈でディスカッションをしたのですが、この授業では経営戦略として知的財産をどう扱うか、という視点で扱いました。

この話は映画化もされています。
「陽はまた昇る」
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B012S0X18C/ref=atv_dp_share_cu_r
なかなか面白いので、ご興味があれば是非。

以下、授業アンケートより♪

・なんとなくで履修を決めた授業だったのですが、具体的な事例などを解説していただくにつれて知財が企業にとってとても重要かつ面白い分野であることがわかりました。

・課題のフィードバックを通してほかの学生の物事のとらえ方などを知ることができて対面ではないけども、学生間でもつながりを感じることができました。

・どの回も魅力的な内容ばかりでした。アニメや映画は私が好きなことであるため、すごく関心が持てました。また、外部講師による講演がいつもの授業とは異なっているため、とても印象に残りました。

一度、外部講師として弁護士の先生にご協力頂きました。ありがとうございました。前職は法律事務所でしたので、関係者の皆様から色々ご協力を頂きました。今年もお願いできるかな。連絡してみます。

参考図書
・『ガイダンス インバウンド・観光法』森・濱田松本法律事務所観光法プラクティスグループ編 2019年, 商事法務
https://www.amazon.co.jp/dp/4785727543/ref=cm_sw_r_tw_dp_CNJE942K498SWNZC7NV4

4月からの授業は、観光メディア論の人数が多いため、こちらも遠隔授業となります。

ではでは。

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