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内集団のお下品ワードはよくないって話

今日はマーケティングのお話です(たまにはwww)。先週読んだ論文が興味深かったので、ご紹介します!

Journal of Marketingの最近の論文で、”For Shame! Socially Unacceptable Brand Mentions on Social Media Motivate Consumer Disengagement” というタイトルです。

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/00222429231179942

結論からいうと、「ソーシャルメディア上で、内集団のメンバーが ”社会的に受け入れがたい言葉” でブランドに言及することに直面した場合、そのブランドとのつながりが強い人ほど、離脱が増加する」というもの。
よくわからないので、もう少し簡単に例を出して述べてみます。

あなたは、とある野球のチームのファンで、Xやインスタでチームをフォローしています。日本シリーズへの出場が決まったことで、ファンのみんなはXで歓喜のポストをしています。その中に、「いこうぜ!」という意味で "Let’s go!" ではなく、"Let’s fucking go!" といった下品なワードを使ったポストを見つけました。その人はチームを貶めたいわけではなく、好きなチームを応援する意味で発言しています。
これを見たあなたはどんな気分になりますか?

「恥ずかしい・・・」と思うでしょうか。
この論文では、同じファン側にいる人が下品な言葉でブランドについて語っているのを見ると「(代理的に)恥ずかしい」という感情が起こり、そのブランドとのつながりが強い人ほど、その場にいられなくなってSNSのフォローを解除する(意向が生まれる)のでは、ということを調査しています。

結果は、自己とブランドのつながりが強いユーザーは、(同じ側のユーザーが)下品な言葉を使ってブランドを言及しているのに直面すると、SNSのフォローをはずすという離脱行動を取る傾向にあり、この関係は代理的羞恥心によって媒介されることが明らかになりました。
また、ブランド側(例でいうとチーム側)がそのような投稿を削除する措置を取る場合、他のユーザーの離脱の可能性が低下するということもわかりました。

どうですか?日本語だと「クソ嬉しい」とか、「ぶっつぶす」とか、「バカつえー」、そんなニュアンスでしょうか。(イメージ↓ ※enoさんの絵はかっこいい)

「クソ嬉しい」「ぶっつぶす」って言ってそう…あくまでイメージwww
©eno_ohigepapa
DOUBT COMMON SENSE #10

もちろん元々のブランドがこのようなアバンギャルドでパンクなイメージであれば何の問題もないかと思いますが、野球やサッカーのチームだったら、スニーカーのブランドだったら、スタバやAppleだったらどうでしょう。まあ、私はそんなに気にならないなぁと思ってしまうのですが、性格の違いもありますし、日本語と英語のニュアンスの違いもありますね。日本で調査したら同じようにでるかどうかわかりません。

興味深いのは、下品なワードを使っている投稿をブランド側(運営側)が削除することで、離反にはつながりにくくなる、という点です。

web3のプロジェクトは、Discordにコミュニティを作っており、多くのコミュニティではメンバーになる際にルールの承諾が求められます。
例えば、
・ ハラスメントや差別的な発言の禁止
・ 脅しや誹謗中傷の禁止
などが含まれています。
この論文に従えば、下品な言葉も禁止してあげると、フォロワーの減少が防げるかも、ということになります。確かに、ブランド側が治安守ってくれているのは、安心につながるのかもしれません。

みなさんどう思いますか?


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