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「茶房たかさきの湯」は別府の宝〜なぜ、この街は人に優しいのか 

こんにちは。なちゅらる宇宙人(屋号)の金田慶子です。
「茶房たかさきの湯」の黄色い薔薇を心待ちにしていましたが、ついに満開!
いつもの美味しい珈琲をいただいて、写真を撮らせてもらいました。

お庭の緑がコーヒーに映ってる!
2階のバルコニーまで伸びる黄色い薔薇。

こちらは、ランチやお茶を頂くと、温泉に入ることができるという別府らしい喫茶店。
別府に来たばかりの頃、温泉ファンの聖地と聞いて、勝手に敷居の高さを感じ、
なかなか実際に行けなかったんですよね。
温泉のことをよく知らない新参者が、厳しめのお店の人や常連さんに試されたりしないかなぁって!(笑)

実際に行ってみたら、さすが余所者に優しい別府、そんなことは一切なく!
オーナーさんも、居合わせたお客さんも気さくで親切でした。
(しかも、温泉話ではなく、ずっと店内に飾ってある絵の話を伺っていました)

オーナーの高崎富士夫さん、ナル子さん。
(2022年5月5日撮影)

オーナーの高崎さんは、温泉マイスターであるだけでなく、
朝見郷のボランティアガイドや地域おこし活動をされていて、
別府について大変お詳しい方。
身近に、街の話を聞きにいける場があるのは、移住者にとって大変心強いです。

高崎富士夫さんは姓名とも有名な山のお名前で、
私が今回は富士宮からの移住だと話すと盛り上がりました。

4月11日にうかがった際は、
傘寿(満80歳)と喫茶店20周年お祝いの黄色いタオルをいただきました。
この時期、訪れる皆さんに感謝を込め、数量限定で配られていたそう。
別府八湯温泉道では、昇段時に段位に応じて違う色のタオルをもらえるのですが、
黒に金色刺繍の温泉道名人タオル(88湯完湯)と同等に貴重なタオルだと思います。

運営されている朝見郷ロマン散策予定表と一緒に撮影。
八つ橋は、お客さんからのお土産のお裾分け。

そしてこちらが、季節毎に豊かな表情で迎えてくれるお庭。
高崎さんの優しさが溢れています。

建物の横の菜園では、サラダに使う葉野菜が育てられています。
かつては、かなり広い面積の畑もされていたそうです。

そして、茶房たかさきの湯は、喫茶と温泉だけではありません。
2階には…

予約制のワケーションルームがあります。
最近、大きなモニター(2台)やデスクなども揃えられたそうです。
お客さんのリクエストを受け、フルリクライニングできるチェアも。
マスターが実演しながら解説してくださいました!

テレワーク、ズーム会議、ワークショップだけでなく、
スポットライトもあり、ミニ展示会もできます。

こちらの窓とベランダから見える山は吉備山(きびさん)といって、別府のパワースポットだそうです。
お寺や御神木、湧水など、何か象徴的なものがあるんですか?と聞いたところ、
そういったものはなく、山自体が古代別府人以来の信仰の対象だそうです。
(近隣の八幡朝見神社に湧水があります)

階段をあがった所にある窓からは、JRの列車を見ることができます。
時々、日豊本線の電車や特急ソニックがやってきます。

さてさて、お楽しみの温泉ですが、自家源泉の岩風呂です。
ひと組ずつ入らせてもらえるのに、喫茶代だけでよいとは有り難すぎます。

12月26日に撮影した写真ですが、この日はザボン湯でした。
贅沢な源泉掛け流し。
さっぱりして、とても気持ちよかったです。遊び心もたっぷり♪

「別府 茶房たかさき」で検索すると、温泉巡りの皆さんの楽しそうなレビューが沢山あがっています。
そして、面白いのが…「食べログ」にも、お湯の感想が沢山載っていること!

脱衣所にかかげられている認定証の数々。
冬は火鉢が出ており、あたらせてもらいました。

私は、高崎さんが作った小さな楽園に、
ふらりと立ち寄らせてもらえることに幸せを感じます。

お庭のお地蔵さんと、黄色い薔薇。

まだ来て間もない私でもわかるのは…茶房たかさきの湯は、別府の宝です。
温泉、アート、花、別府の話題で、高崎さんの周りに世代をこえた人が楽しそうに集まります。
ご苦労もあると思いますが、高崎さんのように好きなことを循環させながら過ごせたら、楽しく年齢を重ねられるのだろうなと思います。
今年4月から「持続可能な茶房たかさき」の実践をされていて、営業時間が短縮されました。もし別府滞在の時間とあえば、とてもラッキーですので、ぜひぜひ行ってみてください。(この投稿のラストに営業時間を掲載)

最後に、別府は、なぜこのように人を抵抗なく迎え入れる街なのかを尋ねた際に、高崎さんから教えていただいたことを紹介します。
「油屋熊八が作った大きな観光地としての影響、温泉に裸で集う文化のほかに理由があれば知りたいです」というふうに尋ねました。

1. 先祖代々から別府と言う人は、実は多くはない。
明治時代から定期航路があり、人の行き来が盛んで移住者が多いので外の人に優しい。
特に関西や、瀬戸内海に面した中国地方や四国をルーツに持つ人が多い。

2. 中村病院の中村裕医師が1965年に設立した「太陽の家」の影響。
太陽の家についてウィキペディアで調べてみました。以下、抜粋です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽の家

「保護より機会を」、「世に身心障害者はあっても仕事に障害はあり得ない」という理念のもと、1965年に医師中村裕によって設立された。
作家の水上勉や評論家の秋山ちえ子の支援もあって、ソニーの井深大、ホンダの本田宗一郎、オムロンの立石一真らの実業家の理解を得、これらの企業と共同出資した会社を設立して障害者を雇用し、通常の工場と同様の製品の生産を行っている。太陽の家という名も、水上勉が命名したものである。
また、障害者が施設内で閉じた生活を送るのではなく、地域と積極的に関わることを目指している。別府市の太陽の家内にあるスーパーマーケットや銀行の支店等の施設は地域の住民も利用可能であり、交流の場にもなっている。

ウィキペディア


高崎さんにお答えいただいたおかげで、なぜ別府では障がいのある方を街でよく見かけるのかわかりました。ごく普通に暮らしておられるように感じます。
私も最近、自分で気がついたのですが、車椅子の方と道端ですれ違う時に、へんに気を使ってしまうということがなくなりました。
すれ違ったしばらく後で、そういえば先ほどすれ違ったのは車椅子の方だったなと認識したりします。
誰かがやり始めたことが受け継がれて、街の人の意識が変わり続けるって凄い!
またまた「別府」から学びました。

高崎さん、いつも有難うございます。これからもよろしくお願いします。
別府のような街が増えるとよいな。

茶房たかさきの湯

別府市朝見1-2-11
0977-23-0592
営業時間 10:00~15:30(ラストオーダー15:00)
定休日:火曜・水曜
※明日2022年5月9日(月)まで、菖蒲湯をされているそうです。

※完全予約制コワーキングスペース
午前の部 9:00~12:30
午後の部 13:00~16:30
終日借りる場合 9:00~16:00
https://beppu-workation.jp/workplace/581/
※上記URLは少し前の写真が掲載されています。
詳細はお電話にてご確認ください。


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