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「話を聞く」ときにやっていること

「話しやすい」ってなんだろう


「話しやすい」「引き出すのがうまい」「話すと整理される」、オンオフ問わずこう言ってもらえることがあります。私自身は人見知りだし、人付き合いも良くないし、自分の頭の中はいつだってカオスなのに、なんでこう思ってもらえるんだろう?と不思議に思っています。

一方で、人が「何を考えているのか」「どんな想いを持っているのか」ということにはすごく興味があるので、その興味がうまく作用しているのかもしれません。自分でも整理してみたくなったので、誰かの話を聞くときに心がけていることを書き出してみました。まったく体系化されていないただのメモなのでご注意ください。

最初に自分を開示する

そこまで親しくない相手に自分の考えを話すのって勇気が必要ですよね。もしかしたら否定されるかもしれないし、相手に全然刺さらないかもしれない。なので、誰かの話を聞くときは、まず自分の話をするようにしています。おそらくここはユーモアが大事で、相手がクスリとしてくれるような、自分のちょっとダサい話とかをしているような気がします。「話を引き出したい」というより「仲良くなりたいな」という気持ちです。

相手とシンクロする

1on1の研修などで必ず出てくる「傾聴」。傾聴とは「深いレベルで相手をよく理解し、気持ちを汲み取り、共感する聴き方」とのことですが、深いレベルで話を聞いてくれる人って案外少ないですよね。スマホ見てたり、何かに気が散っていたり、どこで自分の意見を言うかタイミングを見計らっていたり。相手が自分に興味を持ってくれているかいないか、これはスグに伝わる気がします。興味を持ってくれていない相手に自分の話をするのって、心底虚しいですよね(笑)

無意識にやってるのは「相手とシンクロして、思考をトレースする」こと。そんなこと厳密には不可能なんですけど、この人だったらこう思うのかな?今こんな気持ちなのかな?とか考えながら、相手にとても集中して話を聞いています。

ボールを受け取って投げ返す

その時に大事にしているのは、ただ聞いてるだけじゃなくて、相手が投げてくれたボールを受け止めて、ちゃんと投げ返すこと。投げたボールが自分のグローブに返ってきて、そこで初めて「聞いてくれている」「理解しようとしてくれている」って感じる気がします。これは私のパートナーが、いつも私が投げたボールを受け取らずに、なぜか自分のボールを投げてくることで気付いた概念です。「こ、こいつ聞いてねえ..」って思うわけですよ!

投げ返すボールの種類

これはきっと、いくつかの持ち玉が必要になります。

1)なぜそう思ったのかを引き出す
自分がシンクロ出来ないところがその人独自の尖ったポイントであり、なぜそういう思考になったのかと興味が湧いてきます。なので「いつもそう思うの?」「昔からそういう風に感じてたの?」みたいな形で深掘りします。
インタビューの場合もここをしつこく聞くと、重要なエピソードが出てくることが多い気がする。

2)違う視点をぶつけてみる
私の視点から、第三者視点から、仕事なら経営視点からやメンバー視点から、異なる立場だったらどう感じるのかをイメージして伝えてみます。これは自分がカウンセリングを受けた時に、カウンセラーの方が「相手はこう思うこともあるんじゃない?」「僕だったらこう解釈する」ってあらゆる角度からの捉え方を投げかけてくれた経験が大きいです。人それぞれ違う考え方もあるんだなと知れたのはとても良かった。

3)その人の過去のエピソードとの比較をする
あの時の経験と近いことなのか、全然違うことなのか。その人に関するエピソードを例に出して聞いてみます。それによって相手を理解しやすくなるというのもありますが、その人自身が「過去のどういう経験がベースになっているか」という気づきに繋がったりもします。

その人の好きな部分を伝える

自分は、ストレングスファインダーの強みである「成長促進」や「ポジティブ」のせいなのか、人の好きな部分を見つけたら褒めたくなってしまう。好きだと言わずにはいられない。みたいな謎特性があります。それが高じてジャニヲタ時代に"きみのどこが素晴らしいと思っているか"という手紙を書きまくったことには触れないでおきますが、とにかく自分がいいな〜と思ったら伝えたくなってしまいます。それも事細かに。

自分がデザイナーだということもあって、フィードバックって嬉しいんですよね。特にポジティブフィードバックは勇気をもらえるので、鬱陶しいと思う人もいるんだろうなと思いながらもやってしまう。

あとは、話を聞くというのがそもそも相手への興味からスタートするので、「特にどういう部分で自分が共感したか」を伝えることも多いです。

ちなみに自分が話を聞いてもらっている時、「私もそう思う」と伝えてもらうだけでも「同意」のボールになっていると感じます。なので、突然自分のボールに持ち替えずに、まずはボールを受け取るだけでも信頼関係構築には十分なのかもしれないですね。

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整理したらUXリサーチャーと近いじゃん!ってなるかもと思ったのに、むしろ「おせっかいの押し売り」な感じでしたw そして、誰に対してもこれが出来るわけじゃなくて、自分が興味を持っていて、もっと知りたいと思っている相手に対して発動しているんだと思います。たまになんでなんで?をやりすぎちゃうこともありますが、少なくとも仕事においては「原点思考」みたいな感じで、おおむねうまく作用してる気がします。

色々と書いてみて、話を聞くというスキルは、家族の中での「長女としての役割」の中で身につけたように思います。5人家族+祖父母+犬の二世帯住宅で育ったので、登場人物が多く、家の中で毎日色んな事件が起こるわけです。そしてその「事件の仲裁役」が長女の私の役割でした。個別化の概念があまりなく、「自分がこう思ってるんだからみんなそう思うはずだ」というメンバーが揃っていたので、こじれるこじれる。そこで、両者の話を聞いて意図を理解し、それぞれに「誰々は本当はこう思ってるんだよ」と伝えながら大人になった。という背景があります。この場合、犬の気持ちは想像です。「みんなが喧嘩するとサクラは悲しいんだって。」とか、うまいこと利用してサクちゃんごめん。


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